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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第3章 温泉と食料と疫病
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採取クエスト 人魚の涙


「集めて欲しいのは人魚の涙、黄金色っていう種類の人魚の涙を集めて欲しい。喜びで流れる涙のみを3粒集めてくれ」


 椅子に座って微笑みリーダーとして話をするカガリを見ながら言う。

 初めて聞く人魚の情報に全員が胸をざわつかせている。

 しかも採取するのはファンタジーでは有名な人魚の涙だ。

 一体どんな綺麗な姿で微笑んでくれるのだろうと、スイはまだ見ぬ素敵な人魚に思いを馳せていると、ルージュがここで気になる言葉をいった。


「黄金色の人魚は浅瀬にいるがなかなか捕まりにくい。うまく手に入れてくれ」


「……浅瀬、という事は水辺だな」


 温泉地でまだ湧かない為に湖になっている場所はあったが、それ以外に海や湖などはなかったはず。

 場所の見当がつかないと、カガリはグレンを見るが首を横に振られた。


「……場所はどこだ?」


「では、人魚の涙をよろしく」


「え? 場所は……」


「…………いらっしゃい、どのような要件ですか? あ、人魚の涙の採取がおわった?」


 場所を聞くとまるで話の脈略の無いことを言い出したルージュに、クリスティーナはなるほどねぇ……と呟いた。

 何がなるほどなんだろう? 聞こうとする前にカガリが行くぞーと家を出ていきスイもそれについて行った。


 家を出ると相変わらず美しい景観にため息がもれる。

 それはスイだけでなく全員が1度足を止めて美しい森や湖の姿を噛み締めるように眺める。


「……いーなぁ、俺もう一生ここに居てもいいかもしれない……」


「きゃあ、タク!? 目がイッちゃってるわよぉぉ!」


「清浄なこの場所は汚れた心のタクには綺麗すぎたんだろうな」


「いや、言い方……」


 グレンの散々な物言いに頬を引き攣らせるカガリはタクの背中を押して橋を渡らせた。

 押される度にフラフラと左右に揺れながらも渡りきったタクは、美しい森の姿が無くなり見慣れた普通の森に戻る。


「……あ? 楽園はどこにいった……」


「ここが楽園だぞ、タク」


「…………あ、本当だ」


 ナムナムと拝むタクの目の前には走りながらカガリ達の元へと来るスイ達。

 タクの眼差しはスイのある1箇所に固定されていて、上下にポヨポヨしている。


「……煩悩の塊か」


「ありがとうございました」



 街に帰ってきたスイ達は、人魚の涙を探すべく動くのだが勿論場所などわからない。


「………………さて、場所なんだが」


「ホワイティさんに聞くのに1票」


 手を挙げて言うナズナの眼差しは強い。

 足で探してなるものか、という強い意志がギラギラとしている。

 ピンッと伸ばされた腕がそれ以外は拒否だと言っているようだ。


「………………まあ、確かに1番確実だよな」


「行こうカガリ、さぁ行こう、決定」


 グイグイくるナズナに落ち着け、と襟首を掴むグレン。

 そんな様子を見ながらスイはクリスティーナをくいっと引っ張った。


「ねえ、さっきルージュさんの様子可笑しくなかった?」


「ん? 何が?」


「なんか聞いても同じ返事返ってきて」


「あー、テンプレね!」


「テンプレ?」


「そそ、ある程度は決められた会話が有るんだと思うよ。特にイベントとかの会話で。誰が聞いても同じ情報を教えてくれたりとか、ほら! 街に来ると小さな子供がやあ! いらっしゃい! 的な挨拶するじゃない? あれよあれ!」


 たしかに、色合いの違うよく似た子供がよく来たね! 的な事言ってたな……と納得するスイに、ねー? と首を傾げるクリスティーナは、疑問解決? と口にチョコレートを入れてきた。


「ぐっ……何これまったりしつこくこってりベッタリ……まっず!!」


「…………失敗したのよね」


「失敗を私に食べさせないで!!」


「残飯処理♡」


「ばか!!」


 

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― 新着の感想 ―
[一言] なんか其処も含めてギミック気がしますねー
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