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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第3章 温泉と食料と疫病
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畔の魔女の採取クエスト 4


「どんなご要件かしら?」


「船か何か、湖を渡れるものが欲しいんだ」


「! もしかしてルージュかしら」


「ルージュ?」


「えぇ、街から少し離れた場所にある湖の畔にある魔女じゃない? ここら辺で湖を渡るならルージュの家くらいだから」


 そう言って男性は紅茶に角砂糖を5個入れた。


「あ、お砂糖は遠慮なく使ってね」


「ありがとう……ございます」


 紅茶の量には多すぎる砂糖の量にクリスティーナが真顔になっている時、男性は顔を上げる。


「あらやだ、挨拶もしないでごめんなさいね。私はホワイティよ、よろしくね」


「ぶふっ!」


「ファーレン!!」


 紅茶を口に入れた瞬間に男性、ホワイティは挨拶をした。

 見た目と話し方のギャップについていけないファーレンは、その似合わない名前にとうとう吹き出す。

 隣にいたイズナが肘でグイグイと注意するが、ホワイティは微笑むだけに留めた。


「ルージュの家まで行くにはあの湖を渡らなくてはいけないのだけど、ルージュの魔法が掛かっていてある決められた道順で行かないと湖に落ちてしまうのよ。……もしかして、誰か落ちちゃった?」


 全員がスイを見るとホワイティはあらまぁ……と呟いた。


「それは災難だったわねぇ」


「あの、決められた道順ってどう行けばいいんですか?」


「あぁ、それは……」


「それは?」


「これ以上は有料よ♡」


「ゆ……有料……」


 うふっと頬に手を当てて笑うホワイティにカガリが有料……と呟いた。


「それはそうよぉ、だってここは情報屋ですもの。全ての情報はお金で買う場所よ?」


「船を手配してくれる場所じゃなかったのか……」


「…………船の手配、ねぇ」


 うーん、と天井を見ながらどう伝えればいいか考えているホワイティを全員で見つめた。


「その作り方を教えるか、出来ている船の場所を教えるか……ねぇ」


「出来てるのを教えて欲しいわ!」


 間髪入れずに言ったセラニーチェにホワイティはうふふ、と笑いながらせっかちさん! とセラニーチェの額を優しく人差し指でトン……とした。

 そんな事をされた事がないセラニーチェは目を真ん丸くして額に手を当てる。

 そしてジワジワと顔を赤らめさせた。


「あらららら? セラニーチェさんお顔がまっかぁ……」


 くねっと腰をくねらせてニヤリと笑うクリスティーナにセラニーチェは鋭い視線を向けるが、顔が赤い為ただ可愛らしかった。


「……どうする?」


 カガリが振り返り聞くと、グレンが顎に手を当てて考え込む。


「…………そうだな、ただ船を買うんじゃなくて優良な情報をもらった方がいいんじゃないか」


「必要ならその後に船を買うって言う選択肢もある」


 ナズナもグレンに賛成らしく親指を立てた。


「……それでいいか?」


 反対意見はなさそうだ。

 カガリが佇まいを直しホワイティを見ると、まいどあり! とにんまりと口端を持ち上げた。


「船について、聞きたいのよね? 他にはあるかしら」


「私から良い?」


 クリスティーナが真剣な表情で片手を上げた。


「なぁに?」


「美味しい海鮮が釣れる場所…………」


「よぉーし、黙ろっかクリスティーナ!」


「きゃあ!! あぶな……あぶないわ、スイィィ!」


 スイがクリスティーナを羽交い締めにして椅子から引きずり下ろした。

 そんな2人を通常運転として見ている中、カガリとグレン、そしてアレイスターはホワイティに軽く頭を下げた。


「…………すまん」


「気にしてないわ、可愛いじゃない」


 今はそれじゃない! と説教しているスイに、だってぇぇ……と体をくねらせているクリスティーナを微笑ましく見ていた。


「……まず、船についてと、あの湖畔に行く為の手順を教えて欲しい」


「わかったわ、他に知りたかったらまた聞いて初回はサービスしちゃうわよ」


 まかせて! とウィンクしたホワイティにカガリはクリスティーナを見ているようななんとも言えない感覚を覚えた。




 

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― 新着の感想 ―
[一言] クリスティーナさん、本当は女性なのよねー…。真性の 何故に筋肉マッチョに…
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