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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第3章 温泉と食料と疫病
211/268

ペットショップへ

「ただいま!!」


「きゃうーーん!!!」



扉を開けて挨拶しながら入るスイに、もふもふ歓喜。

尻尾をちぎれんばかりに振り、柵に捕まってジャンプを繰り返す。



「あああぁぁぁぁ!! もふさん! もふさん!!」



グイッと抱き上げてお腹に顔を埋めるスイ。

もふもふはスイの頭に顔を乗せてパタパタと手足を動かしている。

久々にもふもふとゆっくり遊べる! とデレデレ鼻の下を伸ばした。



「もふさん! 今日はお出かけしよっか!!」


「きゃぁぁぁううぅぅん!!!」



床におりたもふもふが小躍りをしている。

喜びの舞らしい。

そんなスイともふもふに気付いたカガリがリィンと店番を交代した、丁度変わる時間帯だったらしい。



「スイ」


「はい?」


「ペットショップ行くのか?」


「はい、今から! 丁度ご飯も無くなってきたので丁度いいですし」


「……俺も行っていいか?」



珍しいクエストじゃないお誘いにスイは目をパチクリとしてから頷いた。

リィンは私も行きたい! と言っているが、同じく店番中のクラーティアに捕まり、リィンちゃんはお仕事ー! と引きずられて行った。



「ああぁぁぁスイさぁぁぁぁああん……………」


「い、いってきまーす………」



控えめに手を振った後、カガリとフェアリーガーデンを飛び出した2人。

リィンの泣きそうな声が頭に残っていたが、歩きが遅いスイの腕を引いたカガリに視線を合わせる。



「とりあえず行くぞ。帰ってから茶でも飲めばいいだろ」


「……そうですね」



腕の中にいるもふもふがすりついてくるのを撫でながら答えると、茶太郎が大きな体をスイの足に擦り付けた。


んー! 可愛い!!


悶えるスイに笑いながら先を進むカガリ。

今日はゆっくりカガリとお出かけである。

そういえば2人で出かけるのは初めてではないだろうか……とふと思いだした。



「どうした?」


「いえ! なんでもないです!!」



カガリに追いつくように小走りで歩き出した。








「………なんか大きくなってません?」



元々ペットショップは結構な大きさではあったが、

久しぶりに来たペットショップはさらに大きくなっていた。

カガリは扉を開け中に入りながら答える。



「この間の鬼ごっこでまたペットが増えたから店の増設と、各街にペットショップオープンしたってよ。昨日だったか? アナウンス入ってたな」


「そうなんですか? 私がINしてない時なんですね」


「そうだな、たまたま見たって奴は急にペットショップが現れて腰抜けたっていってたぞ」


「それはビックリしますね」


「そのおかげでオープン後の初の客で自分のペットの写真が入った犬用ペンダントが貰えたらしくて喜んでたわ…………スイ?」



ガタガタっ! と音がなって振り向くと棚に手を付いて座り込むスイがいた。

どうした!? と駆け寄るが



「自分の……ペットの写真のペンダント!? なにそれ欲しい!! もふの写真のペンダントほしぃぃぃー………」



もふもふの顔を両手で挟むようにして掴み顔を近づけて言うと、もふもふはヘレヘレと舌を動かし首を傾げた。



「あああぁぁぁぁ…………かわいぃぃぃ」


「…………あきらめろ犬バカ」



カガリはスイを引きずりながらご飯のブースに向かった。




「……………仕方ないからご飯とお菓子とおもちゃを死ぬほど買ってあげる」


「やめろ犬バカ」



ガシガシとカートに入れるご飯をカガリが戻していくとスイは、くぅ!! と声を上げ泣く真似をした。

そうしながらも必要なご飯は残してくれるカガリ。

しかもいつも食べる銘柄だ。

意外とみているのか……とスイはカガリを見た。



「……………なんだよ」


「いーえぇぇぇ? なんでもないですよー??」



へへっ! と笑いながらカガリを見ると、自分のカートにも茶太郎のご飯を入れていた。

その他に大量のたまごボーロ。


「……………ん? そんなに買うんですか?」


「ああ、茶太郎だけにあげたら他の犬とか可哀想だろ」



一日のほとんどをお店のもふもふ広場にいる為、そこでお菓子を食べると他の預かりペット達が涎をダラダラ垂らして見ているらしいのだ。

それからはカガリは他のペットにもお菓子を用意している。



「カガリさんやさしいですねー」


「やめろ」



肘でグイグイと押すスイの頭を鷲掴みにするカガリ。

力を入れている為、スイはいたたたたたた!! と暴れていた。



「もー、ひどいなぁカガリさん」



そう言いながら大量のお菓子を同じように入れだしたスイに、カガリは小さく笑った。



「お前もペット好きだな」


「あったりまえじゃないですか。こんな可愛い存在ありませんよ!」



もふもふに頬擦りするスイにカガリは声を出して笑った。













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