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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第1章 はじめまして幻想郷
2/267

苛立ちから始まる幻想郷2

4月25日改正

パッケージの見た目はこだわっているのかリアルに出来ていてとても綺麗だった。

大きな噴水が印象的である。

未来都市………なのだろうか。


黙って眺めていると隣から視線を感じて顔を向ける。

そこには所謂イケメンがいらっしゃいました。

ふんわりとしたイメージの男性はじっと翠の持つゲームのパッケージを見ていた。

翠の第一印象は、綺麗な人だけどなんだ? という感じである。

男性は視線に気づいたのか、ハッと顔を上げて翠を見た。

そして軽く顔を赤らめて頭を下げる。



「あ、すいません見てしまって……」


「い、いえ」


照れたように笑う男性はふんわりと笑ってゲームを指さした。


「僕もこのゲームやってるんです。楽しいですよ、すっごく」


「……はぁ」


パッケージを持っているという事はご新規さんなんだ! と嬉しそうな雰囲気満載で男性はそう言うが、

翠の曖昧な反応に、男性はまた慌てて頭を下げてきた。


「すいません、いきなり話しかけられてもびっくりしますよね!」



明らかにいい人。

翠はいいえ、と手を振ると男性はホッとした様に笑ってから軽く首を傾げた。

でも、何かの縁ですしゲームで会ったら一緒に遊べたらいいですね



押し付けることもなく、甘く笑っていう男性は今はアップデート中でログインは出来ないけどキャラメイクは出来るからしてみたらいいよ、と親切に伝えるだけ伝えて駅に着いたらしく降りていった。



「……キャラメイク……ねぇ」




だれもが面白いというこのゲームに翠は彼氏を奪われた気持ちでいる。

あまりこのゲームにいい気持ちはしていなかった。

確かに綺麗なパッケージに、魅力的なキャッチフレーズ。

現実に疲れ切った人達は自由な世界だ! と、のめり込む気持ちもわからなくはないのだ。

だって、翠だってその疲れている人の1人なのだから。

翠はパッケージをジッと見てから思う。



【……どんだけ面白いっていうのよ……やってやろうじゃない】


ゲームなんて、携帯ゲームを少しするぐらい。

それも長続きしない翠は続けるかわからないが少しの好奇心と共にみんながこぞってするこのゲームに触れてみる事に決めた。

ゲームを袋に押し入れて、電車の背もたれに体を預けた。







電車を降りた翠は途中でコンビニに立ち寄った。

飲み物と軽い食べ物を買って、ついでにビールも!

レジで会計をしている時だった。鞄が振動する。

買い物を終わらせた翠は、携帯を確認するとそれは学生時代からの友人から来たLINEだった。


近々遊ぼうよ!


くすっと笑って

(*`・ω・)ゞと返信した後、まっすぐ自宅へと帰って行った。


帰宅後、翠は早速寝室に入って箱を開けた。

頭にかぶるタイプのVRギアを取り出し、ひとまず隣に置く。

説明書を見るとどうやら自分の体の情報をVRに読み込ませる必要が有るらしい。

現実に近い体の動きを再現するためだとか。

それにある程度時間を要するようだ。


よくわからんが、じゃあそうしよう。


翠は使い方を1度見たあとゲームソフト自体もセットして、頭に被りベッドへと横になる。



小さな機械音が始まりそれから30分ほどデータ回収で時間を費やす。

しまったな、着替えればよかった。

スカート皺になるなぁ………


どうでもいい事を考えながら30分を待つ。






そして30分が経過し、VRは本格的に起動を始める。

流石医学でも使われるだけあって、その情報収集は細胞レベルにまで達していた。

これで、このVRは初期化しない限り翠しか使う事が出来なくなった。

そしてもう1つ。

年齢の登録だった。

必要なの? と思いながら登録する。

そうか、未成年もいるもんね。


こうして、全ての登録を終えた翠は真っ暗な視界から急遽切り替わった眼前に広がる自然の中にある立派な街並み。

翠は目を見開いた。

ただただ驚いたのだ。

Anotherfantasiaの世界、あのパッケージのイラストが現実感を持ってその場に存在したのだ。



Anotherfantasiaの世界に入りますか?



そう指示が出されている。

翠は、なるほど確かにこの作り方は凄い。

素直に驚き美しさに頷いた。

そして口にする。ゲーム開始時に言うその言葉を。








「………ゲートオープン」




一気に意識は刈り取られ翠の瞳が閉じたのだった。

どこか感じる浮遊感に身を委ねながら。

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