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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第3章 温泉と食料と疫病
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第2回公式イベント 鬼ごっこ6

ザッと足音がした。

それに気付いたセラニーチェが振り向くと、そこには鬼が佇んでいる。


「っ!! みんな! 鬼!!」


セラニーチェの焦った声に全員が慌てて振り向くと、そこには綺麗に反射した黒光りする巨体があった。


「っ!!!」


カガリは焦り盾を出して挑発する。

鬼はチラッとカガリを見るがすぐに視線を外してまた一点を見た。


全員が武器を持って戦闘態勢に入った時だった。

動かない鬼に向かってスイはリィンの手を引き飛び出す。

それに慌てたカガリ、タクが手を伸ばすが飛行能力の2人には追い付けずカガリは更に挑発して鬼の気を引こうとした。

しかし、やはり鬼はチラッとカガリを見るだけ。


そして2人は、鬼に体当たりをした。




「うわぁぁぁぁ!! ありさぁぁぁぁぁあああん!!!」


「ありさんですぅぅぅぅぅぅぅ!!」


「「すきすきすきすき!!」」



まるで魅了されているように鬼、巨大な蟻にしがみつき頬ずりしている。


ゆっくりと蟻が両手を上げる。

全員が緊張を走らせる中、蟻は




グリグリグリグリグリグリグリグリ



2人の頭を撫でまくった。









「…………え?」


「……………………は?」


「…………な、なにごと?」


『! よくわかったわねぇ!!』


「俺気付かなかった!!」


クリスティーナとファーレンも走り出し蟻にしがみつく。

わぁわぁと4人のプレイヤーが鬼、というか普通のモンスターにしがみつくと言うありえない様子にポカンと口を開けて見た。


それは、モニター越しに見るプレイヤー達も同じくである。


スイは羽ばたき蟻の巨大な頭の上に座って触覚の様なものを握りしめた。



「たかーい!」


「いや、子供かw」



キャッキャッと笑うスイにファーレンも笑いながら突っ込む。

そんなスイに蟻の手が近付いてきた。


「……? 飴?」



イベントアイテム:鬼(蟻)の心


イベント報酬、蟻との信頼関係が結ばれた証

カッコイイ蟻がチャームになった素敵なネックレス。

俊敏性を少し上げる。


「っ! ありがとうありさぁぁぁぁぁあああん!!」


リィン、ファーレン、クリスティーナも貰い全員がまたしがみつく。

スイ達は気にしてないが、頭を撫でられる度に体力が少しずつ減っていることに気付いたセラニーチェが慌てて回復させるが、思わずスイにも回復させて蟻さんの頭から落下する事件が起きる。



「ぎゃーー!! お前何してるんだよ! セラ!!」


「きゃー! ごめんスイー!!」



かなりパニクってるのがわかる。


サッと蟻さんがスイを手で受け止めて口に飴を入れる。


「っ!! 梨だぁ!!」


「「『レアきたぁぁぁ!!』」」




4人の盛り上がりについていけないフェアリーロードだった。



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