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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第3章 温泉と食料と疫病
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運営からのお知らせ

「…………わり。大丈夫か?」


「…………………はぁ、大丈夫」


真っ青だった顔がだいぶ復活したスイ、運ばれて着いた噴水広場のベンチに座りファーレンが持ってきてくれた飲み物を飲んで休憩した所だ。

その隣に座り下から覗き込むようにスイを見るファーレン。


「…………ん、復活」


はぁ、と吐息を吐き出して立ち上がりグッと伸びをする。

体に不調はないようだ。

それを見たファーレンは背もたれに体を預けて空を見上げた。


「…………あぁーあ、俺も種族クエスト出ないかなー」


頭の上にあるまん丸の耳がピコピコ動いた。

ファーレンは熊である。

熊の耳と尻尾があり、この能力は単純に力の増幅だった。

元々足腰の弱いファーレンは敵に力負けする事が多々あったが、これにより大盾を持ち敵の種類にもよるが三体の敵を押さえる事が出来るようになった。

かなりの成長ではあるが、ファーレンはまだまだカガリの足元にも届かないと自分の弱さに苦悩している。


「スイはさ、どうやってクエストみつけたんだ?」


「………うーん」


話しかけられ再度ベンチに座ったスイがなんと言えばいいのか迷っている時、急に上空に現れたゲームマスターの姿。

それにまだ少数しか辿り着いていないプレイヤー達は空を見上げてザワつく。



«やぁ、プレイヤーの諸君! ゲームは楽しんでいるかい?»


いつも通りな笑顔を浮かべて胡座をかくゲームマスター。


«さてさて、今回はみんなに2つほどお知らせだよ!! どちらも重要案件だからしっかり聞いてね! まずは、現在確認できている身体データについて»


その話にスイは真剣な表情を見せ、ファーレンは首をかしげた。


«ある特定の人の身体状態が初期から飛躍的に高かったプレイヤーがいる。その事について、みんなが憶測を話してるのをよく目にしているよ。これについて、正直最初は運営も認知していなかったことなんだ»


ゲームマスターが話す内容は明らかにスイの事だと誰もがわかった。

この場にいるプレイヤー全員がスイを見る。


«それで、運営が調べた結果。バグや勿論チート、贔屓といった類のものではない事が判明したよ»


「嘘だろ! そんなわけない! そんな強さを持ってるくせに!」


それは男性プレイヤーの叫び声だった。

どうやら第1、第2の街にも騒ぐプレイヤーがいるみたいで、ゲームマスターは静かにプレイヤーを見つめている。

何も言わないことをいい事に、贔屓だチートだと騒ぐプレイヤー達。


«…………君達は話を聞く気がないのかな?»


ゲームマスターの冷たい表情、冷たい言い方でプレイヤーはピタリと動きを止めた。


«…………静かに話を聞きなよ。…………さて、この力についてだけど、これは確かにギアが初期データから取った数値に違いないんだ。ただ一つ違うのはこのギアはみんなが知ってる様に医療に特化している。ある一定の治療を受けている人は、その治療ゆえに体の一部と認定されてギアはデータに加算する。これは治療の内容により威力は異なるよ。ただ、全てにおいて腕力と言った[力]に関するもののデータのみに反映している。


実際にみんなが注目するプレイヤー以外にも数値が跳ね上がっているプレイヤーは実在してる。ただ、注目を受けるプレイヤーのような大幅な数値は出ていない»


「……………治療………………?」


ファーレンがスイを見るが、スイはまっすぐにゲームマスターを見ているだけだ。


«ちなみに、この治療はかなりデリケートな問題でもある。誰しもなりたくてなった訳じゃない、したくてしたわけじゃない。良識あるプレイヤー諸君。どんな治療? や、そのおかげでデータが跳ね上がった気持ちは? など浅はかな質問などはしないように、運営一同良識あるプレイをしてくれると信じている。………………もし、あまりにも非常識な様子が多く見られた場合に対しては、アカウント停止を言い渡すので、そのつもりで»


ざわめく様子がある中、ファーレンはただ、スイを見ていた。

医療、処置………

それは少なからずファーレンと同じである。


«それに伴い、この状態になっているプレイヤーには運営から詳しい内容を個別に伝え、また、似通った状態にも関わらず補助がされていないプレイヤーにも、別途説明をさせてもらう。そうしなければならないプレイヤーが数人いるようなので»


ファーレンが、そっとスイの手を握ると、困ったような笑顔が返ってきた。



«あまり納得出来ていない様子のプレイヤーも居るけどね、今回の事は完全なリアルのプライベートな話になる。この話を伝えるのもかなり迷ったんだよ。でも、話さないと一定のプレイヤーに迷惑を掛けかねない。言葉でも傷付ける事は可能だって、君達はもう少し考える必要があるんじゃない?»


スイは、泣きそうな顔でゲームマスターを見つめた。

言われる陰口も、内容も、心無い人は今後も居るだろう。

でも、そう言ってくれる人が居るだけで嬉しい。


出来れば説明の中スイがその医療を受けたプレイヤーとばれたくは無かったが、スイは注目を浴びすぎた。

仕方ない、と思う反面隣にいるファーレンもきっとフェアリーロードのみんなも、クリスティーナは特に心配してくれるだろう。

スイは、いい仲間に巡り会えたなと心底痛感する。






«さて、次の話だよ。次は!! 2ヶ月後に開催! 第2回公式イベント!! パフパフー!!»



いきなり巨大なクラッカーを鳴らして特大の紙吹雪やリボンを大量にプレイヤーに浴びせるゲームマスター。

ちなみに、この掃除はプレイヤーが文句を言いながら後で片付けるのだ。


«今回のイベントはね、なんと!! サバイバル鬼ごっこだよー!! 場所は3つの街全て、開始前には参加者は建物から出て街に居ること。参加条件はこれだけ! 鬼はこっちで用意してる、全部で7体でサバイバルだからね、戦闘あり! 死に戻りは2回までで3回死んだらゲームオーバー、ただし特別ルールはあるよ。これは当日のお楽しみ»


ウィンクして言うゲームマスターに、口々に鬼ごっこ………とつぶやく。

それはスイやファーレンも一緒だ。


«今はあんまり詳しくは言えないけど今回は今までと違ったスリリングを味わってもらおうと企画! そうだねー、戦うのも有りだけど鬼ごっこだし逃げる為の対策を進めるといいよ! 道具を用意でもいいし、逃げる為のスキル習得でもいいと思う。鬼退治は出来るけど結構強いからね、そこら辺は注意!»



ゲームマスターは楽しそうに体をゆらゆらとさせていう。


«よーし、詳しくはまだ話せないから、第2回イベントと、内容は鬼ごっこ! 今回はここまで。またイベント日時が近づいたら伝えるからね!»


ふふっと楽しそうに笑って手を振りご機嫌で消えていったゲームマスターをスイは呆然と見ていた。


「…………なんか、色々と重大な話をサラッと言ったよね、イベントの方」


「………うん、鬼ごっこでサバイバルってなんだそりゃ」


「…………………運営が言うくらいだからさ、ガッツリ逃げるの色々習得した方がよくない?」


「それな。しかも鬼ごっこで戦闘も有りだろ? 俺マジで強くなんないと壁なのに簡単に突破されそうな気がしてきた……」


「逃げるのと同時に戦闘面も上げろってこと?………………無茶ぶりするよー」


「でもさ、前に言わなかった注意を言うくらいだし出来ることしといた方がいんじゃね?」


「…………たしかに」


「俺、防具系からとりあえず見直そうかな。金の余裕あるうちに」


ファーレンが残金を確認しながら言うとスイも同じく確認する。


「…………私も余裕ある。そうだよね、防具系大事だし……」


バッ! と2人同時に立ち上がり店を探そう!! と走り出した。


初期に買ってからスイは何も買ってはいない。

新調するには遅すぎるくらいだ。

これをいい機会と一新する予定を立ててスイはどんな装備があるのかなー、と考えていた。

こちら、一般プレイヤーにはある医療を受けた方はギアがその医療を体の一部と捉えて数値化する


ここまで知らせているという事です(*Ü*)


なので、詳しい内容を教えてはいないので理由は知りません。

こちらはプライバシーの問題になる為伝えない選択をしていて、教えてと言ってきた人にはアカウント停止処置もありますよ。

という内容でした(*Ü*)


ちょっと処置まで一般プレイヤーにも伝えてるって思われてる読者様がいらしたみたいなので一筆書き加えておきますね(*Ü*)


こちらもネタバレ要素になりますから感想は控えて下さるようお願いしますヽ(•̀ω•́ )ゝ

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