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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第3章 温泉と食料と疫病
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街の様子


第1の街噴水広場



「………………いいな、イベント」


「私達始めたばかりだもの、次の公式イベントは頑張ろ! ね?」


「そうだね!」


「マーチャさん、ほら、あれがフェアリーロードの奏者スイだよ。あなたと同じ職だからよく見ておくといいんじゃない?………………たぶん、真似は出来ないと思うけど参考までに」


「? わかりました!!」


はじめたばかりのプレイヤーや、古参プレイヤー、パーティを組んでいる人等、噴水広場に大きく映し出されているスクリーンに、今スイがヴァイオリンを弾いて注目を一気に集めている様子が映し出されていた。


「選曲www」


「流石というか、なんていうかwww」


「てか、アレンジやばい」


「これは手を止めるわ」


マーチャと呼ばれたまだ初期装備の少女はスイを見てこんなに弾けるようになるの? 凄い!! と興奮気味だ。

後に彼女はサーヴァの店でヴァイオリンを買うが残念ながらヴァイオリンをください! と意気込んで言ったためサーヴァから情報を引き出す事は出来なかった。


「っ!? あれは一体!?」


「うわぁぁ!? また激しくなってる!?」


「あの人は一体どこに向かってるんだ!」


大画面にアップで映されたクリスティーナがこちらを向いてウィンクしている。

この時、まるで狙っているように5つのスクリーンにいろんな角度からクリスティーナを映し出していた。

クリスティーナ独り舞台である。


「あ、グレンさんかっこいい」


「「「「L! O! V! E!! リィン!!!」」」」


どこからともなく野太い男性の声が響いたと思ったら、スクリーンに爽やかな笑顔を見せるイオリに女性プレイヤーが悲鳴を上げている。

女性プレイヤーから人気はかなり高いようだ。


「……………凄いですね」


「まぁ、トップクランになったら露出度もたかくなるしね」


その雰囲気になかなかついていけない初心者達は肩身を狭くしながらスクリーンをみていた。


「このスイって人と話をしてみたいです」


「じゃあ頑張って第2の街に行きましょう」


「第2の街ですか?」


「第2の街にはフェアリーロードが営んでいる宿屋があるのよ。上手くいったら話くらいは出来るんじゃないかな?」


「! がんばります!」



新規の奏者達は目を輝かせて弾き切ったスイをじっと見ていた。

わたしも、おれも、あんな風になるんだ! と。









第2の街




「うぁー、どこにいるんだよエリアボス! マジで!」


「行きたかったぁー! スイたぁぁん!!」


「………………………エリアボス……」


スクリーンを見ながら叫ぶプレイヤーがいる中、あるパーティが顔を青ざめさせながら呟いた。

それを耳ざとく聞いた男性プレイヤーは、その人を見る。


「知ってんのか? エリアボス」


「………………知ってるけど、今回はかなりおぞましい」


「次に行くには行かなきゃだけど、あれにたかられたのを思い出したら………嫌だァ! 運営鬼畜すぎるってぇぇぇ」


急に泣き出した女性に、全員がざわめきなんだなんだと押し寄せる。


「エリアボスの場所知ってるんだって」


「まじか! 情報を! 情報!!」


カタカタ震える経験者は意を決した様に顔を上げて口を開いた。






「カメムシの大群からのメタモルフォーゼで巨大ゴキブリだよ!! 勝てる気がしない!!!」








第2の街に悲鳴がとどろいた。




しかし、この情報により第2の街のエリアボス情報が拡散され掲示板にも載ることになった。

悲鳴を上げながらクリアを目指すプレイヤーは、後にあんなのは反則だ

あれはダメなやつだろ

と、口々に言っていたと言う。

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