堕天使の特別クエスト3
街に帰ってきたスイはまだ噴水広場がざわめいているのを見たあと、噴水広場の近くにある図書館へと向かった。
各町に図書館があるらしく、そこには沢山の書物がある。
歴史なんかも書かれてるんじゃないかな、と立ち寄った果物屋さんに言われたのだ。
ちなみに、200年前の疫病の話を聞いたが、そんな昔の事しらんよと言われた。
「ここが図書館かぁ」
大きな図書館、中に入ると正面に大きな楕円形のカウンターがある。
パソコンが数台置いてあり、そこに茶髪を三つ編みにした司書さんがいた。
「すいません」
「はい、ご利用ですか?」
にっこり笑った司書さんは、スイを見つめた。
「調べ物がしたいんです。200年前に流行った疫病について」
「200年前、ですね。少々お待ちください」
パチパチパチとパソコンのキーを叩く音以外、静かに本を捲る音しかしない空間をスイは物珍しく眺めた。
ほとんど図書館なんて行かないスイには圧巻の本の量を管理大変だろうな、としか感想はなかった。
「……………お待たせ致しました」
本棚を眺めていたスイは、司書さんへと視線を戻す。
「200年前の疫病についての歴史書が見つかりました。ですが、その本は現在第3の街にある為ここでの閲覧は出来ません」
「第3の街……ですか」
「はい、第3の街へ着きましたらまた図書館へと訪れますと閲覧出来ますので、そちらでお願いします」
まさかの第3の街。
まだ解放されて間もない場所にその資料はあると言うのだ。
スイはこのクエスト、長期になりそうだなぁと思いながら口を開いた。
「………ちなみに、第3の街の行き方ってどうすればいいですか?」
「第3の街へですか? それは&*##。??&&@&=±″≧<≦¥℃∞∈∧∪でございます」
「…………………………はい」
ゲーム内住人は行き来できるのだろう。
聞いたら教えてくれた。
しかしそれはスイにはわからなかったし、やはり、第2の街のボス討伐以降なのだろう。
ありがとう、と告げてから図書館をでた。
穏やかに笑う司書さんはスイの背中にまたどうぞ。と声を掛けている。
「…………第3の街かぁ。どうやって行くのかなぁ」
まだ第2の街も全て散策が終わっていない。
だが、このクエストも気になる
「…………これは、相談かなぁ」
うーむ、そう迷いながらフェアリーガーデンへと向かった。
「…………蜂が!」
「…………蜂の大軍!!」
そんな声が聞こえているが、スイも蜂の大軍を見てきた。
蜘蛛もおまけして。
だからこそあまり気にしなかった。
この時話を聞いていたら、もしかしたらこのあとすぐに始まるイベントが無くなっていたかもしれない。




