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Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷  作者: くみたろう
第2章 水の都アクアエデンと氷の城
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堕天使の特別クエスト2

堕天使として

そう、スイが堕天使になってからワールドマップに十字架のアイコンが増えた。

そして見えているのはスイだけ。

それは、堕天使特別クエストだった。


なるほど。頷いてから骸骨バトラーを見た。




「紅茶で宜しいでしょうか」


コポコポとお茶の準備をする骸骨バトラーに椅子を進められ、スイはソワソワとしながら座った。

ふふっ……と笑い声が聞こえ、骸骨バトラーを見る。


「いえ、失礼致しました。こうしておもてなしをするのも200年振り、腕がなりますね」


紅茶とミルクポットを置き、骸骨バトラーはスイにクッキーも促した。


「いただきます」


「はい」


「!! 美味しい」


「それはようございました」



満足そうに頷いてシフォンケーキも出してくる。

久々のおもてなしが楽しいようだ。


「あれから200年、不思議なものです。月日はもうそんなに経つのですね。わたくしも骨になる訳です」


カラカラと笑って言う骸骨バトラー。※誤適用にご注意を※ 自分で描いたかどうかわからない、説明もうけていない、から肖像画かな? と後れ馳せながら気になりました!

それを聞いていたスイは壁にかかっていた肖像画を見た。


「この絵は……」


「こちらは、このお屋敷の旦那様でございます。わたくしと同じく今は骸骨の姿になっておりますが」


只今は自室におられます。

そう教えてくれた200年前の肖像画。

30代半ばだろうか、銀色の長い髪が赤いリボンで結ばれていた。


美丈夫な男性である。


スイがその肖像画を見ていた時、骸骨バトラーは静かに口を開いた。


「…………1つ聞いてもよろしいでしょうか」


「はい」


スイは頷き答えると、幾ばくか時間を置いたあと骸骨バトラーは口を開いた。


「200年前に蔓延した疫病は、終息しましたでしょうか」


「……………え? 疫病……ですか?」


「……………ご存知、ありませんか?」


………………そうですか。

静かに答えた骸骨バトラーは、頷き納得した。


「…………わたくし達が生前の頃に疫病が蔓延しまして、それでわたくしも、旦那様も命を落としましてね。ですから知りたかったのですよ」


静かに話す骸骨バトラーは無理やり納得した様子で頷いた。

わだかまりはまだあるのだろう、少し影をさしている感じがある。












結局、あの後はただのお茶会で終わってしまった。


またいらしてください。次は旦那様にも会えるとよろしいですね。


そう言われて頭を下げた骸骨バトラーにスイは会釈してお屋敷を出た。

自動的に閉まる玄関に門を眺めてから、スイは街へと戻ることにした。


「……………疫病、ねぇ」


ふむ、と考えるスイ。

骸骨バトラーの無理やり納得した様子に、また来る事を促された言葉。

そして、次は旦那様にも会えるといいですね。

その言葉にスイは何かが足りないのだと理解した。


「…………これ、クエスト扱いみたいだし200年前の疫病ってやつ調べてみようかなぁ」


まだまだ巨大蜂が飛び交う森の中をスイは飛行して街へと帰るためにスピードを上げた。



《………何度もすまんな、愛し子よ》


「…………………大丈夫です」


《やはりこれを……》


「蜘蛛は間に合ってますよ!!!」


二匹の蜘蛛を差し出されるスイは、どうして毎回蜘蛛なの!? と内なる悲鳴を上げた。










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