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【第五話】ネットユーザーAO
どこかぼんやりとした気持ちで家に帰った。
「ただいまー」
「…」
母はもういない。俺が小学生の頃に天国にいってしまった。父と俺の二人でこの家に住んでいる。父はいつも帰りが遅く、あまり俺とは喋らない。もうこの生活が3年経ち、慣れた。母がいなくなってすぐは生活に支障が出たが、今は家事を覚えそれなりに生活ができている。
「ご飯食べる前にゲームでもするか」
と独り言を言い、パソコンを起動した。俺が最近はまっているゲームは農業をしてただ稼いで家を大きくするゲームだ。たまにオンラインの人と一緒に農業したりするんだが、あいにく俺は個人でコツコツやるタイプだからあまりオンラインの人とはやらない。そんな俺だったが最近あるユーザーと一緒にプレイしている。
「ん?やっときたか」
マイクを通して彼の声が聞こえてくる。
「よー KOU!」
あ、言い忘れたが俺のユーザーネームはそのままだ。
「よ、AO」
声の主は俺が最近一緒にゲームをしているAOだ。性別不明。年齢不詳。謎が多すぎるやつだ。俺らの仲は所詮ネットの付き合いって感じかな。




