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第2章:犬型人造ロボット【土木もん】

「土木も〜ん!助けてよ!」

安友は家に入ると自分の部屋に入る。

「おぅ!のび…安友どした!」

部屋の真ん中で競馬新聞を読みながら、ビール片手にどら焼きを食べている中年ロボットが振り返った。

頭はハゲていて、サングラスをし髭が生えている。体はマッチョでフンドシ一丁、お腹には何故かポケットが付いていた。

「のび…安友!うるせぇぞ!聞こえねぇだろ?黙れや!」

土木もんは、そういい放つと内臓されているのか、耳からイヤホンを取り出しフンドシの中に刺す。

「土木もん!聞いてよ!今日、ヤクザが湊川ちゃんを絡んでて、助けに入ったのに変な奴らが、手柄と湊川ちゃんを奪って行ったんだよ!」

安友は泣きながら、土木もんに相談をした。

「うるせぇよ!このクソガキがよ!俺は、今未来に向かって貯金をする第1歩を歩もうとしてんじゃ!少し黙ってくれよ!」

そう言って競馬新聞を読みだした。

「土木もん!お願いだから、何か道具をだしてよ!」

土木もんの太い腕にガシッと捕まる安友。

「よ〜し…来い来い来い!よしっ!差せ!てめぇ来るんじゃねーよ!おいっ!やめて!いや!やめて!逃げろーー!!」

土木もんは、叫ぶと後ろに倒れた。

競馬新聞がまっ二つに破られた。

「終わった…今月の安友のおこづかい…0だ!2倍に増やしてやるかと思ったんだけど…悪い」

土木もんは、起き上がると煙草に火をつけた。

「まぁ、俺の金じゃ無いしな」と安友に煙を吹きかけた。

「はぁっ?お前!何、人の金使ってんの!豚さん貯金箱におこづかい入って無いし!」

安友は豚の貯金箱を振るが、何も音がしなかった。

「ほら、今月は金貸してやるから元気だせよ!」と土木もんは安友の肩を叩いた。

「ふざけんなよっハゲ!お前、3ヶ月貯めた金使い込んどいて金を貸すじゃねーだろ?返せよ!」安友は怒り叫んだ。

「まぁ、過ぎた事は気にするなよ。それよりも、しず…湊川ちゃんが奪われたらしいな。元々、お前のじゃ無いが」

土木もんは、煙草を落とし足で踏み潰す。

「お前!灰皿に捨てろよ!畳が焦げてるじゃねーかよ!ふざけんな!」

安友は煙草を拾い灰皿に捨てた。

「のび…安友!そんな叫んだら、血圧上がるぜ?」

土木もんは、2本目の煙草に火をつける。

「うるせぇよ!さっきから、のびのびうるせぇよ!誰だよのびってよ!何で間違えるんだよ!」

安友は怒りまくっている。

「まぁ、落ち着けよ安友。ほら、しず…湊川ちゃんを助けに行くんだろ?デブの妹と結婚したく無い為に、未来を変えたいんだろ?俺の力が必要なんだろ?」

煙草の煙を吐きながら、土木もんは安友に言う。

「そうだ!そうなんだよ!何か、めちゃくちゃ強いんだよソイツ!やっつける様な道具を出してくれよ!」

安友は土木もんのポケットを見ながら言った。

「しゃーねーなー!ホラよっ!」と言いながら、その辺に落ちていた新聞紙を丸めて渡した。

「何コレ?」

安友は渡された新聞紙を見た。

「新聞紙」

土木もんは、煙草を窓から捨てた。

「んな物!見れば分かんだよ!何なんだって言ってんだよ!どうすんの?こんなゴミで?」

安友は新聞紙を床に投げ捨てる。

「気に入らないのかよ!じゃあ、しょうが無いな。ホラよ!」とフンドシに手を突っ込み剣みたいのを取り出した。

「これは、最強の剣だ!この剣は、相手に刺すと自分に刃が束の方から発射される優れ物だぞ!しかも、自分を刺せば刃は微動だにしない!」

と意気揚々と答える土木もん。

「どのみち自分、死んじゃうじゃん!他に無いのかよ!」

「ったく…ワガママなクソガキだぜ…ホラ」

今度はポケットに手を入れて道具を出した。

「何コレ?」

安友は、自分の手の中にある瓶に入った薬を見ながら聞いた。

「これは、1粒食べるともの凄く強くなるんだ。2粒食べると、もの凄く早くなるんだ。3粒食べたら化け物だぜ?」と土木もんは言う。

「凄いよ!凄い!土木もん!ありがとう!コレでアイツらをギャフンと言わせて湊川ちゃんは僕の物だよ!」

安友は土木もんの顔を見た。

土木もんは手を差し出して来たので、握手をする。

「本当に…ありがとう!」

すると、土木もんは手を振り払った。

「馬鹿!無料でやる訳ねーだろ?金を払え!5万で許してやるから」土木もんは煙草に火をつける。

「はぁっ?オメェ!人の金を使い込んどいて、更に金を取る気かよ!ふざけんな!」

「ふざけてるのは、どちらかな?おぼっちゃん?」

土木もんは安友に顔を近づけた。

「世の中、金なんですよ?使い込んだとか使い込んで無いとか関係あるんですかね?」

ふぅーと煙を吐く。

「てめぇ…じゃあツケといてくれよ!5万だな…チッ!」

安友は土木もんを睨んだ。

「じゃあ、ここにサインよろしく」と土木もんは紙を取り出した。

安友は署名をする。

「はいはい!今日、10万貸したと言うサインありがとうございますね」

と土木もんは立ち上がり、窓から煙草を捨てる。

「はぁっ?10万!何さりげなく5万追加してんの?マジで!」

安友は立ち上がった土木もんに叫んだ。

すると、ヒラヒラとレシートが落ちてきた。

レシートには…


★にこにこ商店★


変な薬…1個120円

煙草…3カートン6000円

ライター…1個125円


と書いてある。

「はぁ?お前、この薬120円かよ!詐欺だろ?10万って!ライターより安いじゃねーか!」

顔を真っ赤にして叫ぶ。

土木もんは煙草に火を着け語る。

「男にはよぉ〜、必要な時があるんだよ。それが、今だ!今、金が必要なんだよ!」

土木もんは泣き出した。と言っても、サングラスの奥からオイルが漏れているだけなのだが…。

「いやいやいや!言ってる意味が分からないから!ったく、このハゲ!いつか壊してやるからな!」そう言い捨て、部屋から安友は出ていった。

部屋に残された土木もんは、煙草に火を着ける。

「あれ?あのガキ…ハゲっつたよな?2回も言ったよな…」とブツブツと呟くと、本棚の後ろに隠してあるエッチな本を机の上に置き窓から安友を追い掛ける様に出ていった。


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