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四法院の事件簿 1    作者: 高天原 綾女
4/12

三章 五年前の事件

        一


 向かった建物は、桜田門に鎮座し、皇居、国会議事堂などと共に異彩を放つ白亜のビル。警視庁本庁舎である。

 警視庁本部に到着し、入ってみると、人は入り乱れ、雑然として、物が溢れていた。


「拘置所とはエライ違いだな」


 呆れたような口調で四法院は言ったが、僕は知っている。警視庁の散らかり様よりも、発言者のワンルームの方が、数倍散らかっているのだ。

 その件に、つっこむことは避けて、歩みを進めることにした。

 御堂の後に付いて行く。すれ違う刑事や警官は、みな御堂に頭を下げる。

 この光景を見ると、本当に御堂はキャリアなんだと実感させられる。

 警視庁六階、殺風景な一室に通された。


「ここで待っててくれ、出来るだけ早く資料を用意させる。それから、俺は捜査本部に戻らないといけない。何か判ったら連絡してくれ」


 御堂の言葉に、四法院は目線を向けることなく片手で応える。


「分かった。すぐに知らせるよ」


 御堂は、頷くと姿を消した。

 警視庁の慌しさが、隔てられた壁を通し伝わっているが、この室内だけ時間の流れが緩やかだった。

 四法院は、今回の事件をどう考えているのだろうか。死刑囚が殺され、殺害したのは刑務官。その刑務官は服毒死している。その刑務官を洗うと、借金漬けだったということが判り、貸し付けているのは、天納グループのファイナンス部門を頂点とする各店舗系列。その下には、闇金だろう。

 これだけなら、話は単純だ。ワンマン経営の天納グループだ。あの企業は、天野の意向を無視して動く事などありえない。

 しかし、富裕層の天野と死刑囚の河野に接点はない。たとえあったとしても、天野の地位にあって、河野を殺害したとしてもひと欠けらの利益もない。いわば、動機がない。部下の誰かが弱味でも握られたのだろうか。たとえ、そう仮定したとしても、河野は(じき)に死刑になるのだ。自ら手を下す必要がない。

 不毛な犯罪としか思えない。危険を冒す価値は何も無いのだ。

 戸を叩く音が響いた。


「失礼します」


 刑事らしき男性が二人入ってきた。若い方は謙虚に振舞い、中年のおじさんは非友好的な態度だ。その雰囲気を感じ取って、四法院は刑事を無視している。


「あんたら。うちらが捜査した事件を調べたいって?」


 四法院は、中年の言葉を無視している。仕方なく、僕が対応する。


「ええ、今回、御堂警視に協力を求められまして、河野が起こした事件との関連性を調べています」

「キャリアさんには、報告書を上げてんだよ。それを信じないで資料を見せろ、って気分が悪いんだよな」


 イラつくように中年が言った。


「すみません。ですが、何がこちらの事件を解明する鍵になるかわからないので………」


 頭を下げるが、中年の刑事は不快さを隠そうとしない。

 若い刑事が抱えている資料を、四法院が指差し、指を上向きに曲げ伸ばしをして、さっさと寄こせ、という態度を取った。


「あんた、そういう態度よくねえな~」


 中年刑事が、四法院の前に立つ。椅子に座っている四法院は、その刑事を見上げると一言で黙らせてしまった。


「文句は御堂に言え」


 刑事二人は資料を置くと、舌打ちをして出て行った。

 目の前に、河野の老夫婦殺害事件の資料が置かれていた。

分厚いファイルが二つ、薄いモノが三つ。時間がかかりそうだった。

 事の起こりから目を通し始めた。



  概要。

 平成十四年七月二十五日、世田谷署に一報が入る。

 お手伝いさんをしている中年の女性からで、御主人と奥様が帰宅していないというものだ。女性によると、日程が変更するときは、いつも連絡をくれるとのこと。それが、今回は夫婦が連絡をしてこないことが心配の要因だった。お手伝いさんは、世田谷署に連絡をしたのだった。

 長野県警へ協力を要請し、別荘に警官を向かわせた。

 その間、世田谷署は、お手伝いの女性から丁寧に話を聞いている。

 最近、不審者が近所をうろついていたこと。電話で、しつこく金融商品を勧める営業マン。御主人は未公開株を高値で売りつけられて怒っていたこと、などの有力な情報を得ていた。

 それから二時間後、長野県警から連絡を受けた。所轄の警官が別荘に向かうと、別荘に老夫婦の惨殺死体が転がっていたという。それは、鈍器に近い刃物で頭部、胸に傷を負った遺体がそこにあった。致命傷は首の傷。斧のような物で首を打ってあった。

 首は直角に折れ曲がり、血液が四散している。現場へ向かった警官も、その悲惨さに目を背けたくなるようなモノであった。

 死亡推定時刻は、七月二十三日の午後九時から日付が変わった午前一時。争った形跡はなく、後日、三百万円程奪われたことが分かっている。別荘の場所は、僻地と言っていい場所で、車がないととても行けない場所でもあった。

 事件の残虐性、被害者の社会的地位から警視庁と長野県警との合同捜査本部を設置する運びになった。

 警察は、『識鑑』『地取り』『ブツ』を徹底的に洗った。

 僕は顔を上げ、四法院を見る。


「四法院、この三つはどういう意味だい?」

「識鑑は、被害者にまつわる全てを調べ上げる捜査。生前の行動、最後の足取りなど、容疑者絞り込みに欠かせない。地取りとは、現場付近を区分けして、それぞれを聞き込むこと。最後に、ブツっていうのは、証拠品の販売ルートから犯人に迫っていくことだよ。殺人捜査は、一般的にこの三本柱からなっているんだよ」


 識鑑捜査で、被害者の老夫婦は不動産ブローカーに狙われていたようだ。都内の土地と建物を複数所有する。以前から不動産の売却話があった。だが、主人は先祖からの土地ということで売らなかったらしい。

 暴力団絡みかと思われたが、不動産売買の形跡はなく、マル暴(捜査四課)の情報でもその筋は否定された。

 凶器は、現場の藪の中から発見された。それは、警察の捜査開始翌日のことである。

 凶器の斧から指紋が出たが、前科者にヒットしていない。斧も古い物で、その資料自体が残ってなかった。

 捜査は行き詰まりの様相を見せた。まったく犯人が、浮かび上がらなかったのだ。

 ひと月が経過した時だった。世田谷署にタレコミの電話が入った。

 電子音で加工された声で、一方的に受話器から流された。


《ムラナカ ケンタロウという男を調べろ。そうすれば主犯に辿り着く………》


 その男は、中野区に住んでいた。村中堅太郎。当時二十八歳。無職。一度、薬物所持で逮捕されていた。

 この男を徹底的に調べると、七月二十三日の行動が見えない。その日は、姿を消していたことが分かった。それ以上は、引っ張らないと詳細な事はわからないだろうとの捜査陣の判断があった。交友関係で気になるのは、橋野という未成年の十九歳であった。

 村中と橋野を別件の微罪で引っ張った。すると、最初のうちは黙秘をしていた二人は、一人の名前を挙げた。それが河野亮太だった。

 二人の自供は、大筋で一致していた。

 その供述とは、大筋この様なものである。

 この計画を立てたのは、河野だという。

 長野には、河野の車で向かうことになっていた。浦和で拾ってもらい、三人で長野へ向かった。川越街道で北に向かっている途中、大手コンビニで飲料水を購入している。

 その証言を裏付けるように、店のカメラ映像で河野が確認されている。

 車内では、仕事を請負ったことを聞かされた。簡単な仕事で、大金が入ると言われたらしい。

 殺人だと聞かされたのは、長野に入ってからだった。僕たちは断った。だが、河野は刃物を首に突きつけ、協力しなければ殺すと脅された。

 狂気の色を帯びた眼光に逆らうことなどできなかった。山中に入ると、村中は運転を代わった。若い橋野は、後部座席で震えているばかりだった。

 そして、河野に連れて来られた場所は、山中のログハウスだった。大型のログハウスで、二階建ての如何にも値の張りそうなものだと判った。

 車が止まると、河野はトランクに向かい斧を取り出した。暗くてよく見えなかったが、撒き割り用の物で、柄は長いが、付いている刃は拳より少し大きい程だった。

 二人は、このときの事も供述している。河野はいつもと変わらぬ様子だった、と。


「中に入るぞ」


 こう言われたが、足が竦んで言う事をきかなかった。

 河野は窓を叩き割ると、サッサと中に入っていった。

 俺たちは、中へ入るのを躊躇っていると、しばらくして叫び声が上がった。

 その声に引かれる様に、急ぎ中に入ってみると、夥しい血が室内に流れていた。その間も血はどんどん流れてきて、足元は血液で浸った。

 斧を担いだ河野が言ったんだ。

「金目の物を探せ」って。

 それから、家中を漁った。河野も何か探していた。彼の探しモノは、金目の物じゃないようだった。そう思ったのは、札束が見つかったとき、こちらに放り投げたからだ、と供述している。

 あいつが何を探しているのか分からなかったが、俺たちは指示通り金を取り、物盗りの仕業に見せるしかなかった。

 怖かった。俺たちも殺されるんじゃないかって思って。

 これが村中の全自供である。

 そして、この証言を元に、河野へ任意同行を求めることになった。この段階で、仲間の自供と証拠が揃っている。捜査陣は、すぐに河野を落とせると高をくくっていた。だが、認識の甘さを痛感することになる。

 峻烈な取調べを行ったが、河野は同じことしか言わなかった。


「自分は嵌められた。老夫婦を殺したのは、村中で、自分は何もしていない」


 そう繰り返すばかりだった。

 河野は、長野へは一人で向かったと言い、長野に行った理由は、村中が仕事を紹介してくれると言われたそうだ。

 そして、指揮官は河野の身柄を拘束した。取調べは、さらに激しさを増した。それでも、河野は否認を続けたが、警察は殺人容疑で立件する方針を固めた。

 ため息を吐いた僕は、四法院を見た。


「その後、河野の言葉は無視され、二人の自供を裏付けるように捜査を進めたようだよ」


 まだ四法院は、調書をじっと読んでいる。

 僕は、さらに別の調書に目を通した。


「殺害の物証には、全て河野の関与を表していた。斧の柄の指紋。車ぼトランクには斧錆があった。決定的だったのがNシステム。どれほど否認しようが有罪確定だな」



 率直な感想だった。自分が弁護士だったら、打つ手なしだ。


「ところで、Nシステムってなんだい?」


 その言葉に、四法院は一瞬こちらを見て、再び調書に目を落とし、説明を始めた。


「Nシステムっていうのは、自動車ナンバー読み取りシステムって言えばいいのかな。盗難車両、手配車両の捜査に使うことを目的に建造された監視システムだ。国民の血税でね」

「皮肉はいいから、端的に教えてくれ」


 四法院は頭を掻き、静かな口調で語る。


「ある道を通った全ての車のナンバーを読み取り、警察が管理するシステムだ。そして、このシステムを使って特定ナンバーを追跡できるんだ。要は、警察としては日本国民を全員犯罪者予備軍と仮定して管理してる訳だ。ドライバーの写真も撮影されているらしい」

「日本人は、いつからそんなに凶悪化したんだい?」

「凶悪化したんじゃなくて、警察が楽をしたいだけだろ。御堂を見ていれば解るだろう」


 御堂のことは置いておいて、驚きを隠せなかった。最近では繁華街でも監視カメラが増えているとはいえ、車のナンバーを入力するだけで、いつ、どこを、どの方向へ、通過したか判るのだから。


「国民は怒ってないのかい?」

「君と同じさ。興味がないんだよ。日常に追われて、反対することすら面倒なんだ」

「知らないからだよ」

「それは見当違いだ。たとえば政治。これだけマスコミに騒がれているが、日本国民の半数は政治にすら興味がない。現に国政の投票率は五割前後だ」


 四法院の言う通りかもしれない。僕自身、四法院から説明を受けるまで知らなかった。そういえば、車に乗っていたとき、不自然なカメラが目に付いていた。だが、そこまで気にすることはかった。

 俺も政治や警察の横暴を許している。そう自認した瞬間だったが、後悔や反省よりも話を先に進めた。


「不審点は、後日タレコミの電話だ。調べによると、それは上海から掛けられた事が判明している。けど、どうやら犯人たちと天納グループの天野CEOとの接点はないようだね」


 同意を求めたが、四法院は無言だった。何か悩んでいるみたいだ。


「何を悩んでいるんだよ。疑問の余地なく、今回の事件とは無関係。河野は裁判で終始犯行を否認しているが、物証で固められ、有罪は動かなかったんだ」


 その言葉に四法院の目に力が宿った。


「なんと言おうと、疑わしい事件なことに変わりはない。たとえ、死刑判決が出ていようとね」


 友人の顔は、真剣な口調で言い切った。


「俺は、この事件が無関係だと確信するまで調べたい。これでは、あまりに調べ方が雑だ」

「一から調べるのかい?」

「いや、俺が知りたいのは、河野の証言の裏付けだよ。詳しく裁判記録を見る必要もあるから御堂に頼んでくれ」


 僕は携帯電話を開く。メールが来ていた。

 メールを開いてみる。


「四法院。御堂からメールだ」


 そう伝えたが、四法院はメールよりも夕食に何を食べるかを考えている。

 メールを開いた。

 司法解剖と映像分析の結果が送られてきた。死因は、縊死による血流遮断。体内から、拘置所で使われている睡眠薬と向精神薬の成分が、かなりの量検出されたようだ。

 四法院の推測が当たっていた。

 映像分析は、午前四時から五時三十分の九十分に亘って九十分前の映像を繋いであることが判ったそうだ。

 映像の仕掛けは、どういう意味があるのだろうか。しばらく考えたが、よくわからなかった。

 窓の外を見ると、既に日が暮れていた。四法院は、夕食でも食いに行こうと言い、部屋を出て行った。

 僕は、走って友人の背を追いかけた。



        二



 夕食を終えると、御堂から裁判資料が届いていた。


「食事をしていたわずか一時間に、こんなに………」


 他にも、報道資料、手に入った精神鑑定書など様々な物が、うず高く積まれていた。


「さすがキャリアだな」


 四法院は皮肉っぽく賞賛した。確かに、御堂は自分たちを利用している。それでも、この短時間で、これだけの情報を集めて届けさせたんだ。並みの役人には真似できない。優秀な警察官僚であると共に、行動力と統率力を兼ね備えた指揮官であることは認めざるを得ないだろう。


「四法院、御堂は卓抜した能力を持っているよ。ただの出世欲の強いキャリアなら、ここまでやらないだろう?」


 四法院は、都合の悪いことを無視して、届いた書類を半分取った。

 僕は微笑んだ。癖は強く、素直ではないが、四法院は御堂の人格はともかく、能力は認めている。それは、悪いことではなかった。

 再び、沈黙が部屋に満ちる。

 逮捕後の河野の日々を追った。当時二十四歳の河野の調書は以下の通りだ。

 村中との出会いは半年前に知り合った。そして、一週間前に村中に呼び出され言われたそうだ。


「そう言えば河野くん、仕事してなかったよね。いい仕事を紹介するよ」


 そう言うと、住所を教えられた。

 指定した場所へ、指定した時間に車で来るようにと言われた。そして、その場所で仕事の説明があると聞いた。短期で超高収入のバイトだと説明された。

 だから一人で、車で向かった。

 指定の場所には、落ち着いた趣の上品な別荘が一軒建っていた。迷うことなく、その家に向かった。

 車を家の前に止めて、玄関へ向かった。玄関の扉は開いていたと証言している。

 中に入ると、強烈な異臭がした。温かみのある高そうな木目の廊下を進むと、人形が転がっていた。いや、それが人間だとすぐに分かった。室内には夥しい血液、体液、赤、緑、黄、褐色の液体が散っていた。室内に籠もる臭いは、鼻どころか脳までも突き刺すような強烈なモノだった。

 四法院に聞いた。


「この時間だと、まだ腐敗は始まっていないだろう、そんなに凄い臭いがするもんかね?」

「その臭いの源は、消化器官だろう。胃、腸の臭いは凄まじい。あと、胆汁のニオイ。あれは強烈だ」


 顔をしかめた。


「なんで、そんなこと知ってるんだ?人でも殺したか?」


 軽口を叩くと、友人は深く息を吐いた。


「大学病院のオペ室でバイトしてたからな。オペ終了後に室内に入ると殺人現場のように、手術台周辺に大量の血が垂れているんだ。一つ違うのは、死体がないというだけで、言い方を変えれば、犯行現場と言ってもいい」

「でも、オペ室なんて、どの室内もそれほど変わらないだろ」

「それが大違いだ。消化器の手術をした部屋なんかは凄い臭いだ。血はベッドの中央に垂れている。脳外や整形科は、当然だが頭部に血が垂れてて、意外に血が飛び散る。心臓外科なんかは、人が三人ぐらい死んでもおかしくないほど床に血溜りを作っていることもあるしな………。それに、血の飛び散り方で刃物をどう使ったかがよく分かる。血が落ちた高さによっても、飛び散り方が違うからね」

「毎日が、名探偵の現場検証だな」

「名探偵だって?作家の創作活動と言ってくれ」


 四法院のこういった経験が捜査に役立っているのだろうか。説明を終えると、再び資料に視線を移した。


 惨殺死体を発見した河野は、逃げるようにその場を後にした。逃走経路は、来た道と同じだった。そして、三週間後に任意同行を受けた。

 その時には、捜査本部の証拠固めは終了していた。村中の供述の裏付けを核に、河野の自供を潰した。この段階で捜査本部は、河野を主犯だと決め付けていた。

 あの証拠の数々は、河野の犯行であると示している。仕方ないことだとも言えた。検察も村中の自供の方を真実だと判断していた。その点では、警察・検察双方共に協力体制が出来ていた。

 逮捕状はすぐに下り、身柄は拘置所に移された。

 ちょうどその頃。突然、拘置所に弁護士が現れ、面会を求められた。

 その弁護士は熱弁をふるい、河野の弁護を引き受けることになった。



「四法院。この弁護士怪しくないかい?率先して負け戦を引き受けるってあるのかい?」

「ま、常識的に考えても、統計的に考えても死刑の確率が高い裁判だが、弁護士も人間だからね。どれだけ人権擁護の弁護士だって、名を売って金を稼がないと食えないってことだよ」

「死刑囚を売名行為の道具として使おうってことか………」

「人権擁護が聞いて呆れるが、彼らからすれば自分の弁護で無期懲役になれば、両者の益になるってことだろう」

「そうは言っても、全犯罪者に弁護人は付くんだ。あまりに見方が歪んでないか?」

「犯罪者と言っても、ひと括りに出来ないが、特に殺人を犯す人間には金など無い。国選弁護人だって初回こそ無料だが、それ以降は有料だ。あー、そんなことはどうでもいい。要は、現実に軽犯罪や無名犯罪に弁護士の売込みは無いってことだ。需要と供給、利害の一致がなければ、こう云う事は起こらない。よくテレビで見かけるだろう?最悪の凶悪殺人事件になるほど、大弁護団が付いている光景。金なんて払えそうにない犯人に、強欲そうな弁護人が群れを成している姿。ある意味、非常に絵になるじゃないか。現実的で」


 返す言葉がなかった。沈黙していると、四法院はダメ押しをした。


「獄中結婚ってのもあるだろ?あれも同じだよ。凶悪犯ほど人気なんだとさ」


 うんざりした口調で吐き捨てた。それ以上は言わないが、不愉快そうに眉をしかめた。

 四法院が、法廷での弁護方針について聞いてきた。


「で、その弁護士の法廷戦術は?」

「徹底した同情戦術だよ。被告人は、昔から献血をするなどして、生命の大切さを知っていた。そんな人間が、殺人を犯すわけがないと」

「本人の供述を検証するんじゃなくて、同情を頼ったのか………」


 四法院は、それ以上言わなかった。


「その結果が死刑だからね。名前を売るのは失敗ってことかな」

「ま、所詮は他人の命。弁護士が死ぬわけじゃない。負けて元々。損失なんて計算の範囲内だろう」


 四法院の言っていることは冷たく残酷だが、社会の構造とはなんたるかを言い当てている。社会の痛みはいつも弱者に向けられる。自分も不景気の頃には、散々なことをやられたものだ。


「生い立ちから事件を起こすまでの河野の情報は、分かっているのかい?」

「その辺は、捜査一課の刑事たちが詳しく調べてくれているよ」


 調書に書かれている河野の生い立ちを掻い摘んで説明した。

 それは、よくある不幸話だ。家が貧しく、親の愛情にも飢えていた。実家は福島で、被疑者を知る近所の住民は、真面目な子だと口をそろえる。

 現に、事件前までは真面目と言ってもいい暮らしぶりが目撃されている。コネも学歴もないが、借金を作らず地味に働いていた。

 弁護士の発言で、献血によく行くというのは真実らしく、室内には献血手帳と施設に名前が残っていた。それは、平均二ヶ月に一度だったが、時にはひと月を過ぎたら来ていたとの証言もあった。


「四法院。献血って、体のことを考えて、二ヶ月に一度しか出来ないだろ?それが何でこんな短期間で、しかも別の大きな施設に………不自然じゃないか?」


 僕は、ここが鍵だと思えた。だが、四法院は否定した。


「永都、最近の献血所の充実ぶりを知ってるかい?」

「あいにく、献血は学校で献血車に入れられ、強制的にさせられた一回だけだ」

「では、説明しよう。最近の献血ルームは、スゴク充実している。漫画に様々なジュースに、お菓子、フローズンもあって、献血中は映画やドラマも観賞出来る。時には、占いなどのイベントも催している」

「あのさ、献血って善意じゃないのかい?」

「善意に対してのルーム側の配慮だろ」

「それにしても俗っぽくないか?」

「この世は俗世だ。だが、成果はあるようで繁盛してるよ。通うのは、学生が多いがね。俺も月収十万円の時は、お菓子もジュースも食べられなくて、娯楽すらなかった暮らしだったから、良く通ったよ」

「河野も同じだと?」

「おそらくな。貧乏人の考えは良く分かる」


 四法院が手を緩く振り、資料を読み進めた。

 読みながら考える。

 献血ルームを癒しの場にしていた河野が、何故殺人に走ったのか。その理由が見えなかった。いくら貧しいといっても借金はない。殺人を犯すまでは、追い詰められてないはずだ。

 それとも、盗みに入った家に、偶然に人が居て………。

 考えられないな。盗みを行うなら、都内のほうが効率的だろう。こんな辺鄙(へんぴ)な場所では、よそ者は動きにくい。

 やはり誘い出されたと考えるのが自然だ。

 四法院が、こっちをじっと見ていた。


「四法院、これ・・・・・・」

「気付いたかい。この事件は、多分・・・・・・」


 僕は、四法院よりも早く結論を言った。


「冤罪。いや、冤罪でないにしても、主犯ではないことは確かだ」

「上出来だ」


 四法院は微笑んだ。


「四法院。明日、長野へ向かおう。そうすれば何か判るかもしれない」

「その必要はないよ。長野の証拠は、この資料で十分だ」

「だが、これで彼は死刑判決になったんじゃないか。これだけだと不十分だよ」

「その通り。だから俺は、長野の証拠と言ったんだ」

「長野以外に、どこを調べるんだい?あっ、天納グループとの接点でも見つかったのかい?」


 四法院は、首を横に振る。


「この事件と天野社長との接点は見つからない。あるとすれば上海からの電話だが、それも関係性は薄いな・・・・・・」

「じゃあ、何を調べるんだい?」

「村中さ」


 四法院は、背伸びをすると大きなあくびをして体を左右に動かした。


「御堂に説明をしておいてくれ。あと、信頼できる刑事でも警官でもいいから付き添いに来てくれと言ってくれ」


 投げやりに言うと四法院は室内を出て行った。


「おい、どこに行くんだ?帰るなら、僕も一緒に帰るよ」


 既に、四法院へは言葉が届いてなかった。


        三


 翌朝の午前十時過ぎ、四法院のアパートに向かった。

 奴の住むアパートは、築二十年の朽ち始めたアパート。風呂は無く、お世辞にも住みやすそうとは言い難い。だが、家賃三万二千円で駅からも近く、街は賑やかだ。それなりにメリットがあるようだ。

 日は高く上っているのに、アパートの廊下は薄暗い。古びた木製のドアの前に立ち、戸を叩く。

 無反応。強めに叩く。それでも無反応だった。


「どうした、居ないのか?」


 訊いたのは御堂だった。お付の運転手と従者が一人付いている。相変わらず良い服を着ている。


「違うよ。四法院は、午前六時から十二時までは廃人と同じだ」

「廃人だと?知恵だけは回るあいつがか?変人の間違いじゃないか?」

「違うよ。四法院は、午前中は別人だよ。入ってみれば分かるよ」


 御堂は、ドアノブを握り強く引く。錠がガチャガチャと音を立てる。鍵が掛かっているようだ。

 握り拳を作り、戸を叩き始める。


「四法院、起きろ!」


 御堂は、ドアを叩きながら何度も呼びかける。


「無駄だよ。四法院は、午後まで廃人だ。運が良ければ、十一時過ぎに能力値が八割減の四法院が出てくるよ」

「そんなに違うのか?」

「まったくの別人だ」


 四法院の生活リズムは変わっている。学生の頃からそうだ。学校はいつも遅刻、午前中は呆けていて、話しかけても返事はない。昼食時間が終わったら、膨大な本を読みと問題集を解いていた。

 そういえば、中間、期末テストはいつも悲惨な結果だった。数学、国語、社会が赤点ギリギリで、それ以外は赤点だった。

 大手塾の模擬試験では、午前中の三教科は平均を遥かに下回り、午後の二教科が九十点台だった。その時に初めて、午前中では四法院の能力が発揮できないことが分かった。

 大学に行かなかったのも、午前中に入試があるから不合格だったんだろう。午前に行う試験に四法院が通るのは至難の業だったのだ。


「四法院、起きろ!起きろ!」


 御堂が乱暴にドアを叩く、急に動作が止まった。


「永都、四法院の奴、中で倒れているんじゃないのか?」

「まさか」


 御堂の言葉に、笑って答えた。


「ドアを破りたい。お前、俺に捜索依頼をしろ」

 僕は御堂の意図を察した。警察が無理やり踏み込むことなんて出来ない。友人の依頼を聞いたことにして、保険を掛けておきたいのだろう。

 仕方ないので、三文芝居を始めた。


「あー四法院の返事がない。中で、倒れているかも知れない。警察の協力をお願いしたい」


 酷く棒読みの台詞に、御堂は襟を正した。


「四法院さん。大丈夫ですか?」


 やはり、返事はない。


「永都、下がっていろ」


 御堂は従者のノンキャリアに視線を送ると、扉を破らせた。脆い木の扉だ。二度、蹴れば扉は難なく開いた。 

 薄暗い部屋。広さは六畳。部屋に行くまでに、小さな台所と二メートル程の廊下が付いている。

 御堂を先頭に入っていく。自分はよく来ているが、御堂は初めて入るだろう。

 畳が敷かれた室内、中央に布団が敷かれている。その上に、四法院が座っていた。


「おい、起きているならさっさと出てこい」


 御堂の口調は強い。それでも、四法院は動かない。


「おい、聞いているのか?」


 僕が電気を点けると、呆けた顔をした四法院が座っていた。


「おい、何とか言え」


 四法院は口を動かしているが、声が出ていない。


「御堂、止した方がいい。今の四法院は、全能力が停止しているんだから」


 御堂は乱暴に四法院を揺さぶるが、四法院の反応はほとんど無い。

 そして、四法院は口を動かし、再び布団に寝転んだ。

 御堂がこっちを向いた。


「永都、このポンコツを何とか使えるようにしてくれ」


 そう言えば、昔、四法院が午前中にナッツ入りチョコレートを食っている光景を思い出した。


「糖分を含む商品を買ってきてくれないか。チョコレート、杏仁豆腐、乳酸菌飲料とかを。硬いものやアイスのような冷えるものはやめてくれ」


 すぐに、大袋一杯のお菓子と飲料が用意された。

 僕は抹茶チョコの封を切った。一粒手に取ると、四法院の口に放り込む。

 口が動きだした。どんどんチョコレートを放り込むと、飲み物を探すように手が動いていた。


「これ」


 乳酸菌飲料を差し出した。力なく受け取り、一気に飲み始めた。五百ミリリットルのパックが空になる。

 四法院が一息吐いて、こちらを見た。


「杏仁豆腐、あるか?」


 四法院が言葉を発した。


「ここに」


 袋から出すと、封を切ってかっこんだ。


「おい、四法院、今日は何をするんだ」


 御堂が話しかけた。


「WAXコーヒーをくれ」


 御堂を無視して、手を伸ばした。練乳入りの激甘のコーヒーを飲みながら、一息吐いた。


「御堂。深夜に家に来るなんて、警察官僚は常識が無いな」

「何を言ってる。もう少しで昼になるぞ。それと、お前が過度な甘党だったとは知らなかった」

「ふん。俺は、甘いモノは嫌いだ。食べ物でも、人間でもな」

「自分を見ているようでか?」


 四法院が、御堂に押されている。まだ全開ではないようだ。


「俺は、基本、炭水化物とタンパク質が好きだ。体は、昼にならないと動かない。だが、なぜか分からないが、甘いものを食べれば、多少だが頭と体が動くようになる」

「なら、さっさと働け」


 ふらつきながら立ち上がった四法院に、御堂が言った。

 四法院は服を脱ぎ、着替え始めた。

 三人になり、御堂が真剣な目で話しかけた。


「永都から聞いた。老夫婦惨殺事件が、冤罪の可能性があるって本当か?」

「多分な」


 御堂の顔に影が差した。


「その事は十分な裏が取れている。だが、万が一、その可能性があるなら、私がいいと言うまで絶対に秘密にしろ」

「警察組織を守るためか?」

「事件の本質を潰させないためだ」


 四法院は、目を細めている。まるで信じていない様子だ。

 二人の間に、わずかだが緊張感が漂っていた。


「わかった話そう。老夫婦惨殺事件の指揮を執ったのは上月(こうづき)洋輔(ようすけ)。上層部に強力なコネのある若手キャリアだ。父親が参議院議員で政財界にも通じている」


 一息つき、御堂が再び話す。


「警察組織もいくつもの派閥に分かれている。捜査一課でも、係が違えば交流が無い。それは、他の組織も同じだろう」

「警察組織は特にだろ?」


 四法院が言った。


「否定はしない。だが、どの省庁でも大差は無いさ」


 四法院は、何も言わなかった。僅かな間、時が流れた。


「で、これから何をするんだ」

「村中堅太郎を徹底的に調べたい」

「それなら既に調べてあるだろう」

「河野亮太以上に調べて欲しい」

「分かった。人員を割こう。だが、根拠を教えてくれ」

「永都、頼む」


 御堂に、昨日の資料を読んで行き着いた結論を話した。御堂は、頷きながら話を聞いてくれた。


「推測の域を出ないな・・・・・・」


 御堂の感想は一言だった。その言葉に、反論できず四法院を見た。四法院は、ブルーベリーチョコレートを頬張っている。まだ糖分が足りないようだ。

 四法院は、WAXコーヒーを僕と御堂に緩やかに投げ渡した。


「御堂。お前の、いや、警察の判断基準は指紋とNシステムだろう」


 御堂は、その通りだと答え、さらに付け加えた。


「指紋は、無意識に触らせたとしても、Nシステムは動かせないぞ」

「機械を騙すことなんて簡単だ」


 四法院は、当然のように言ってのけ、そして続けた。


「例えば、変造五百円硬貨だ。韓国の五百ウォン硬貨の表面を削って、五百円玉と同じ重さにしてあるだけだが、機械では識別が出来なかった。人間であれば、盲目でも判断はつく」


 確かに四法院が言う通りだ。ひと目で判るといっても、見えなくとも手にすれば間違いなく偽物だと分かるのだ。硬貨を削り、歪にしているのだから。大胆な犯行といえばそれまでだが、陳腐な犯罪だった。

 四法院は、さらに続ける。


「企業は、早急に変造五百円対策をした。だが、五百円玉と同じ大きさは他にもある。イラン、ポルトガル、ハンガリー、クロアチア、旧ソ連のルーブルなどもそうだ。韓国のウォンを識別できても、ハンガリーの五十フォリント硬貨の識別が出来なかった」


 僕は、四法院が何を言いたいのか分からない。まさか、機械だと簡単なことも見抜けないということだろうか。

 着替え終わった四法院は、後の自動販売機の進化を説明しながら、外出の準備を整え終わった。

 家を出ようとすると、御堂が止めた。


「四法院、村中を再捜査するとなると、後輩の上月を敵に回すことになりかねない。絶対的な確証があるんだろうな?」

「そんなものがないと調べられないのか?疑わしいから調べるんだろう。判断するには不十分だから調べるんだろう?違うか?」

「違わない。だが、政治的な問題を抱えることになる。しかもそれは、非常にデリケートで複雑な問題をだ」

「だったら、警察なんて辞めて、政治家にでもなるんだな」


 四法院は部屋外を見回して、人が居ないのを確認するとドアに鍵をかけた。

 御堂を睨みつける様に目を細めると、室内中央に三人が集まった。

 四法院が囁く。


「確証は無い。だが、河野の自供が嘘言であれば、あまりに陳腐だ。それに比べて、村中の自白は綿密な計画さを匂わすようなモノばかりだ。河野の車からの指紋、斧の指紋、トランクから斧の錆、そしてNシステム。聴取では、余計なことは一切言わない。また、関係の無い証拠が一つもない。おかしいと思わないか?」


 そこだ。そこに自分も引っ掛かっていた。正確な自白をするのは、犯人自身であっても意外に難しい。みんなで埋めたタイムカプセルが、見つからないことなど良くあるように。まるで脚本に書かれていることを読み上げているように思えた。


「だが、Nシステム・・・・・・」


 御堂が呟いた。


「警察はNシステムに頼りきっているんだな。それだと、自動販売機と同じだ」

「警視庁のNシステムの運用は完璧だ。村中も車を持っている。だが、河野のナンバーしかヒットしなかった」


 四法院はあくびをして、真面目に聞いていない様子だ。それでも、御堂は続ける。


「それだけじゃない。交友関係で怪しい人物。特に、車を貸せるような親しい人間なども調べた。その上、盗難車のナンバーを使っている可能性も考えて、届出が出されているナンバーを検索したが出ていない。放置車ナンバーも打ったが、それも空振りに終わった。それだけの労力を掛けても、河野の車しか見つからなかった。お前は、無責任に総ての車を確認したのかとでも言うんだろう?だが、国道二五四号線の交通量がどれだけあると思う?五万台から五万六千台だぞ。それに加え、関越自動車道、中央自動車道、他の国道からの迂回ルート、それら全てを調べ上げるのは事実上不可能だ」


 息が乱れている御堂に、四法院は冷たい視線を送った。


「結果から言えば、情報が足りない。だから、そういう結論に至るんだ」


 今度は、御堂が馬鹿にした口調で聞く。


「同じ情報量のお前が、なぜ同じ結論に至らないんだ?」

「それは、知性の差と人格の違いだな」

「四法院、あまり大言を吐くと自滅するぞ。キサマの自滅なら大したことは無いが、巻き込まれるのは御免だ。予想がついているなら教えてもらおう」


 御堂の口調には、怒気と苛立ちを増加させた言葉を並べた。


「予想というか・・・・・・、だったらヒントを出そう」


 眠気の残る四法院は、頭を掻きながら御堂に耳打ちを始めた。御堂は、険しい表情のままで聞いている。四法院から何を聞いているのか気になって仕方無いが、御堂の怒気が収まるまで待っていた。

 御堂が四法院の顔を見た。


「本当に、それらの人と場所を調べれば解るんだろうな」

「おそらくな。警察は良く調べている。残されている所は、そこら辺だろう」

「これで、証拠が出てこなかったら、公務執行妨害で留置所にブチ込んでやる」


 そう吐き棄てると、急いで四法院の部屋を出て行った。

 その場に残された自分と四法院は呆然としていた。


「四法院、これからどこに向かうんだ?まだ、捜査するんだろ?」

「ん~。でも、御堂が捜査するだろう。刑事でもない俺たちが、暗躍すれば捜査を混乱させるかもしれない」

「じゃ、どうするんだい?」

「とりあえず・・・・・・」

「何するんだ?」


 四法院は笑顔を向ける。


「朝飯でも食いに行こうか」


 そう言った四法院は玄関に向かった。

 彼はいつもこうだ。狙いなのか、偶然なのか分からない。

 昨日までは、四法院は捜査をするつもりだっただろう。だが、御堂の興味を煽り、捜査員を投入することに成功した。

 真意を測ろうと、四法院の顔を覗き込む。その顔は、眠気以外は汲み取れない。


「つけ麺が食いたいな。白髪葱テンコ盛りの味玉トッピングで」

「また、あの店に行くのか?」

「反対か?」

「大賛成だよ」


 僕たちは、広島つけ麺が絶品の店に嬉々として向かった。

ここまで読んで頂きありがとうございます。


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