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異世界にエコカーで行く  作者: タコ中
日本転移編
52/61

五十二話 研究所

「高速を降りてそれっぽい所まで来たけど、エイリアンすらいねぇな」

「人もいませんね」


 エイリアンの一体くらい、いても良いんだけどな。


「もう少しこの周辺を探索してみますか」


ピコッ


 タブレットから音がした。画面をつけてみると、地図上に赤い点が出ている。地図上だと山の中だぞ。


「山の中に発信機の反応があったぞ」

「行ってみましょう」


 早速、発信源に向かうと、地図上には無い道がある。見た感じだと舗装面も綺麗だし、白線を引いたときのチョーク跡も残っている。最近出来た道なんだな。


「こんな田舎に新しい道なんて作る必要無いはずですよね」

「もしかして……」

「どうしたんだ?」

「いや、政府の研究所は長野県に有る筈なんだけどなー」

「その感じだと、偽情報を掴まされたな」


 まぁ、この道の先に研究所があるとは限らないんだけどな。


「あ、看板がありましたよ」


 綺麗な看板が見えた。能力開発センター?少しくらい隠せよ。これだと見る人が見たらすぐにばれるだろ。

研究所の入り口にある守衛所は、すでにエイリアンに襲撃されたのか警備員が死んでいた。この調子だと研究所の中にもエイリア


ンが入り込んでいそうだな。


「反応はこの中ですか?」

「地図上だと建物の中心付近だ」

「さっさと入りましょう」


 車が急発進した。まさか、突っ込む気か!?


「喋ったら舌噛みますよ!」


 ガシャァン


 車が研究所の入り口の自動ドアをぶち破ってエントランスに入った。普通に入ろうぜ。


「誰も居ませんね」

「受付嬢は死んでるね」


 美香が受付の奥を覗いている。同じように受付の奥を見ると、受付嬢の腹に大穴が開いている。これはエイリアンに卵を産み付けられたな。


「警戒しながら奥に進みましょう」


 研究所の奥へと進むと、所々に白衣姿の死体が転がっている。ここの研究員の死体だろうな。それにしても、警備員の死体ぐらい有っても良さそうなんだけどな。こういう研究所は警備が厳重なのは、お決まりのはずだよな。

 そんなことを考えていてもどうしようもない。そこらへんの部屋に入ってみるか。


「なんか、普通の研究室ですね」


 そうだな。俺が思っていたのはホルマリン漬けのモンスターや人が大量に並んでいるのを想像していたんだけどな。

資料を手にとって見てみたけれども、数列や変な形の図形が並んでいて俺には理解できそうに無い。


「美香、分かるか?」

「さっぱりわかんない」


 だろうな。その傍らでカンタレが資料を興味深く見ている。内容が解るのか?


「すごいですね。こういう考え方もあるんですね」

「どんなことが書いてあるんだ?」

「お二人に説明しても解る訳無いじゃないですか」


 何かムカつく言い方だな。


「それでも、ここでいろいろ研究していたのは資料を見て確信しました。それにしても酷い研究もしてるみたいですね」

「どんな研究してるんだ?」

「ゴブリンの腕を切り落として再生するかとか、魔法使いは何口径の銃まで耐えられるとかですね。ちなみにどちらも死んでます」


 なかなか想像の上をいってるな。日本政府は大人しいと思っていたけれども意外とアグレッシブなんだ。もう研究所燃やしとくか?


「書類を見てると下の階にすごい装置があるみたいですよ」

「え?何それ、見てみたい」

「どこかに下に降りる手段があるはずです。探しましょう」


 とりあえず、俺と美香は上の階をカンタレは地下へ行く方法を捜索することになった。って言っても、二階から上は事務所的な場所で研究施設みたいな装置は見当たらないな。


「さっき見た部屋は会計室って書いてあったな」

「本当に経費とか、お金の計算しかしてなかったね」

「次は、何の部屋だ?」

「応接室だね。調べる必要はなさそう。ドアの横には警備員が死んでるし」

「そんな事言うな。隠し部屋とかあるかもしれないだろ」

「ゲームのやりすぎだよ」


 応接室に入ってみると、いたってシンプルな部屋だ。応接室というよりは会議室見たいな感じだ。


「何もなさそうだね。次の部屋行こうか」


ガタッ


 今、部屋の隅に置かれているロッカーから音がした。エイリアンか?


「エイリアンかな?ロッカー撃って良い?」

「やめとけ。人間だったらどうするんだ?」

「知らない。今なら殺人罪とかも適用されないでしょ」


 なんか美香の考え方がヤバイ方向に偏ってないか?


「ねぇ!人間なの?返事しないなら撃つよ」


タァン


 美香が天井に向けて発砲した。するとロッカーの中から白衣を着た中年男性が出てきた。手には大きいレンチが握られている。

武器のつもりだろうがどう考えても人間相手でもきついだろ。


「お前ら何だ!?」

「それはこっちの台詞だ」

「良いから答えろ!電話一本で警備の人がすっ飛んで来るんだぞ!」


 こいつは今の状況を理解できているのか?それともただの現実逃避なのか?あ、早速電話をかけている。


プルルルルル


 外から電話の着信音が聞こえてくる。入り口付近で死んでいた警備員の電話が鳴っているんだろうな。


「すぐそこに居るぞ!観念しろ!」

「……私達攻撃しないから見てくれば?」


 中年男性が応接室の外に出て行った。この先の展開は分かるぞ。どうせ叫んで腰を抜かして倒れるんだろ。


「うわあああああ!死んでる!」


 ほら、腰を抜かして倒れている。

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