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異世界にエコカーで行く  作者: タコ中
現実世界編
31/61

三十一話 作戦開始

 もう朝だ。


「もう起きてる?」

「起きてる。ってか、ノックくらいしろよ」

「もう皆準備始めてるよ」


 準備って言っても迷彩柄の作業着みたいな服に着替えるだけだ。武器とかは町にある学校のグラウンドで渡される予定だから手ぶらで行けばいいんだな。


「もう先に行くよ」

「あ、待て、もう準備できるから」

「分かった。玄関で待ってる」


 さっさと準備をして玄関に向かうか。おっと、ダイヤモンドの板のペンダントを忘れるところだった。これを着けておけば銃弾から身を守ってくれるかもしれないからな。

玄関では佐藤があくびをしていた。眠たいのか。


「遠足の前日は眠れないタイプか?」

「正解」

「戦争が楽しみなのか?物騒な考えだな」

「緊張で寝れなかったのよ!……もう行くよ」


 集合場所の小中一環の学校のグラウンドには作戦に参加する人が集まっていた。金澤さんの姿も見える。


「私、指示を出したりしないといけないらしいから行くね」

「おう。いってらー」


 佐藤が自衛隊の人達がいる所に行った。出発まであと20分はあるな。どうしよう……。カンタレは……ダメだ。自衛隊の人達と何か話してる。


「田中さんだ!」


 そう思っている間に金澤さんが来た。同じように迷彩柄の作業着だけども、肩には赤十字のマークが入っている。昨日言ってた通り救護班か。


「田中さんは何班なんですか?」


 え?そんなの聞いてないぞ。そう言えば、ここに来るまでに佐藤から紙を貰ったな。紙を見れば……潜入班?


「潜入班らしい」

「潜入班ですか。確か、突入班の二時間前に行って破壊工作をするんでしたよね」

「え?あぁ。そうだった」

「怪我をしたら私が魔法を使って治療しますね。がんばって習得したんですから」

「そのときはお願いするよ」


『それでは皆さん!いよいよ出発の時です!』


 佐藤が自衛隊のトラックの荷台からマイクで喋ってるな。第一声から聞いてるこっちが恥ずかしくなるような言葉だ。


『私達はこの日のために一ヶ月間訓練をしてきました。それでも、魔王軍の残党は手ごわいと思います。自分の命を最優先にがんばりましょう!』


 周りからちらほら拍手が聴こえてくるが、拍手するほどの内容じゃないよな。


『では、それぞれの班のマイクロバスに乗ってください。武器は現地で渡す事になりました』


潜入班のバスは……あった。どっからどう見ても中古で買ってきたな。他の班のバスも路線バスとか観光バスとか種類が揃ってないし。

バスに乗り込んでみると後ろの四人がけの座席で佐藤が待ち構えている。横のシートを叩いてる。座れってことか。


「ごめんね。説明するの忘れてた」

「ごめんねじゃ済むわけ無いだろ」

「まぁ、その話は後でたっぷりと聞くから今は作戦の詳細説明するね」


 佐藤が説明してくれた作戦は、数人が複合艇にのって海ほたるに上陸する。見張りは上空から佐藤や鳥人間がスナイパーライフルで排除してくれるらしい。上陸して、機械室に捕らわれているはずの民間人を救出した後に海ほたるに乗り捨ててある車を使って逃げるらしい。


「あれ?残党を殲滅するって話じゃなかったのか?」

「あんた達が脱出した後に重武装したゴブリンたちが殲滅しに行くよ。その時に海ほたるに残っていたら一緒に殲滅されちゃうよ」


 マジかよ。


説明を受けている間に首都高に入ったな。あの出来事の後東京周辺の治安が急激に悪化して地方に人が流れて今の人口は百万人だったはず……。


「これ終わったら東京でも観光する?」

「え?観光して大丈夫なのか?」

「大丈夫!何とか説得しとくから。他の人達も観光できるようにするから」

「んー、無事に作戦完了してからな」


 東京の観光か……。ほとんどの観光地は建物の修復とかで工事用のカバーがかかっているんだけどな。

東京に上京してからは仕事の連続でまともに観光したことなんて無かった。あ、美香とスカイツリーに行ったことがあったな。


「海ほたるが見えてきたよ」


 暗くて海ほたるなんて見えないぞ。佐藤は夜でも景色を見ることが出来るのか。

バスの車列はアクアライン手前の海底トンネル前で停車した。


「それでは最初に私達が行きますので、残りの人は複合艇に乗って待っていてください。こちらの鳥人間の大山おおやま 愛奈あいなさんと私が見張りを片付けた後、無線で連絡しますのでその後に海ほたるに向けて出発してください。」


 佐藤と、大山さんがバスから降りると自衛隊の人がスナイパーライフルと予備のマガジンを渡した。その後二人は空へ飛んでいった。俺も複合艇に向かわないとな。

 東京湾に接岸されている複合艇は二隻だ。


「皆さんにはこれを」


 自衛隊員が装備品を配ってくれいている。M9にMP5か。それに閃光手榴弾だ。使い方は大体一ヶ月の訓練の間に教えてもらったから何とかなるだろ。


「田中さんにはこれを」


 俺だけサバイバルナイフを貰った。そうか、他は自分自身の体に爪とか牙の刃物があるからいらないのか。

同じ複合艇には狐、猫、犬、魔法使い、俺か。完全に俺だけ場違いだ。


『見張りは大体片付けたよ』 


 狐人間が持っている無線機から佐藤の声が聞こえてきた。飛んでいる状態で撃っていたのか。一ヶ月間この訓練をしてたんだな。


「それでは行きます」


 魔法使いが複合艇のエンジンを掛けるとすぐに出発した。隣の複合艇も出発した。緊張してきた。俺は上手く出来るんだろうか?


「どうした田中さん!」

「あなたは沢田さん」

「やっぱり緊張しますね」

「そうですね。お互い死なないようにがんばりましょうね」


 沢田さんも潜入班だったのか。見た感じ三十代位なのに戦場に借り出されるなんて大変だな。


『無反動砲を持ったゴブリンが皆さんが乗っている船を狙ってます!』


 この声は佐藤じゃない。ということは大山さんか。って無反動砲!?


「全員海に飛び込め!」


 ドォン


 もう一隻の複合艇が爆発した。


「早く飛び込め!」


 魔法使いに服をつかまれて一緒に海へと落とされた。その後すぐに乗っていた複合艇が爆発炎上した。



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