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病魔
今すぐお前に会いたい。
抱き締めたい、声を聞きたい、心配されたい、撫でられたい、名前を呼ばれたい。
何でもいい、なんだっていい。
言葉に出来るなら伝えたい。
俺がどれだけお前を愛しているかを。
俺がどれだけお前を思っているかを
俺がどれだけお前を求めているかを。
こんな面倒な男でごめん。
来年の年明けを二人で見たかった。
その為なら俺の命を削ったって、0にしたって構わなかった。
もう少し、もう少しだけ先伸ばしにできないか?
あと少しなんだ、ほんのちょっとなんだ。
あとほんの数秒、もう少しで見れるんだ。
お前が一人でみたい、なんて思わないだろう。
お前は優しいから、俺を一番に考えているから。
だから俺も、その気持ちに答えてやりたい。
ああ、光だ、真っ白な光がついに見えてきた……!
でも、彼女は私の隣にいなかった……。




