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視線


最近私は見られている。

今もだ、私は街の中心にいる。

そこには人がたくさんいる。

そして私を凝視している。

勘違いなどではない。

確かに首が、眼が、充血した眼をこちらに向けているのだから。

血走った眼でこちらを常に観察、監視しているのだ。

私が雑踏にわざと入り込んで相手の胸ぐらをつかもうと近づいても触れられない、触れない、つかめない、当たらない、なにもできない。

観察しているだけだ、常にこちらをうかがっている。

私は視線から逃げられない、どこにいても同じだ。

都市の雑踏にいても、部屋の中で布団の中で震えようと、路地裏のゴミの山に隠れても常に見られている。


ガラスの散らばった道の曲がり角から


廃墟ビルの壊れた窓から


灰色で天の雲の中から


雨粒一滴一滴の中さえも


濡れた雑誌の写真からも


コンクリートのひび割れた隙間からでも


常に血走った眼がこちらを観察している。


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