鈍音
夜に蠢くものよ。
あれはなんなんだ。
キリキリ、キリキリと音をたて。
私に近づいてきている。
今も聞こえる、不気味な鈍い音。
キリキリ、キリキリ。
知らず知らずのうちに来ている。
私は何も見ていない。
何も知らないんだ。
耳障りなあと音は。
私の耳から離れない。
キリキリ、キリキリ、キリキリ。
だからこれは現実じゃないんだ。
あんな小さな黒い影、私は知らない。
知らない知らない知らない知らない!!
ああ、また聞こえる。
キリキリキリキリキリキリ。
ああ違う、今度は何だ。
どこからキこえるんだ。
どこからリょうほうからだ。
あの影はキみなのか?
違うか、リようしたのか?
お前は、キリキざんだ。
だから小さいリゆうなのか?
あキらかに異常だ。
あリがとう、キみのお陰で。
わかったよ。リかいが出キたんだ。
キリキリキリキリキリキリキリキリ。
私はキたないのか?
ああリゆうもなく裏切ったから?
だがキみにリゆうがあったキがする。
いや、無いよな、そもそもリゆうなんて。
キキキキキキキキキキキキキキキキキキキ
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
ずっとキコエル不快なコーラス。
鳴り止まないダイガッショウ!!
影よ、影よ、小さな影よ!!
鳴り響け!!
気づけば私も参加していた。
キリキキキリキ
キリリリリキリ
キリキキキリキ
キリリリリキリ
キリキキキリキ
キリリリリキリ
キリキキキリキ
キリリリリキリ




