仮契約
俺は少女の曖昧な答えに疑問を持った
「どうかした?」
「いえ、なんでもないです」
少女はフルフルと首を振った
「・・・もしかして怖い?」
「っ!!」
「やっぱり。まあ初めての契約だし仕方ないとは思うけど」
「怖いなら止めておくか?」
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side ???
「怖いなら止めておくか?」
そう聞かれたときに私の心臓はドキッとした
契約について怖くなかったと言えば嘘になる
でも止めるかと言われた時、もっと怖くなった
ザザッ
「お兄ぃ・・・」
ザザッ
っ!!
何なの今の・・・とても悲しい気持ちになった・・・
どうして?なんでこんな気持ちになるの・・・
止めておくかって言われたから?
もう会えないと思ったから?
どうして・・・・・・・・・・・・
「ぉ・・・ぃ・・・おい・・・おい!!」
「ひゃっ、ひゃい」
「お前大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
side out
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「はい、大丈夫です」
少女はそう言って無理に笑って見せた
その顔が妹と重なり言葉に詰まる
「 で、どうする?」
「はい・・・」
「あの、私、国立精霊魔術学園の中等部に通っているんです。」
「それで、その・・・私が中等部の間仮契約っていう訳にはいきませんか?」
「まあ君がそれでいいのならそれでいいけどその期間中俺は人前に出ることはできないけどそれでいいのか?」
仮契約中の精霊は仮契約者以外の前に出ることは禁止されている
理由は簡単で仮契約しても必ず本契約まで辿り着くかは本人達次第
もし本契約していない段階で周りに言いふらし本契約が失敗した場合
契約者が恥をかくだけなので仮契約の段階では本人も精霊もほかの人に言うことはできない
「はい、私が頼んでいるです。それに元々私は契約精霊にいない落ちこぼれ今と変わりはありません」
「そうか、なら今から仮契約の儀式を始める・・・」