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第四話 明日から…

「明日から10日間程、仕事の都合で県外に出張が決まってな…」

親父が話しはじめた。

「それで…私も着いていくことになったのだけど…」

続いてお袋の方も付け加えて話しを進めていく。

「出張…そうなんだ 大変だね」

親父の仕事は営業関係で、よく外回りをするようなものなのだが、今回のような遠出というのは滅多になかった。

「ああ…急で悪いけど、その間お前と梨桜奈の二人で大丈夫か?」

「うん、私は構わないけど…兄貴の方は?どう?」

「ん? 俺も別に構わないよ」

こうして、両親の急な話しにも俺と梨桜奈は何の躊躇(ためら)いもなく、すんなりと受け入れた。


(ん?…待てよ)

この時、俺の頭の中を…ある思考が駆け巡った。


(明日から二人ともいないんだよな…ってことは…)



…梨桜奈と二人きりになれる…



…梨桜奈や両親の顔を見たが、楽しそうに先程の続きを語っている。

…そう、それが普通なのだ。


…本来ならば…


「…い、おい京平」


…!

自分でも知らない内に完全に周りのものをシャットアウトしてしまっていた。

果てしなく上がる心拍数に身体がついていけず、頭の中の思考回路が爆発寸前だった。

「…ん?…な、何?」

慌てて返事を返す。

「大丈夫か?お前…さっきから、ぼーっとして」

親父の問い掛けに

「え?…大丈夫だよ それより二人共、明日から気をつけて行って来なよ」


夕食も食べ終わり、風呂に入り自分の部屋へと戻った。


…大丈夫なわけがない…

自分の好きな女の子と一つ屋根の下で二人きり…


…再び、高鳴り出した鼓動を感じながら俺は眠りについた。

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