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第二話 梨桜奈

いつものように学校が終わり家に帰宅し俺はリビングでくつろいでいた。


【ガチャッ】


玄関の扉が開く音がする。

「ただいま~」

次の瞬間、梨桜奈の声が俺の耳に響いてきた。

「よう、お帰り梨桜奈」

「うん、ただいま兄貴」

彼女の名前は宮永梨桜奈(みやながりおな)、俺と同じ高校に通う妹だ。

整った綺麗な顔立ちが特徴的な美人と言う言葉が良く似合うクラスでも男子に圧倒的人気を誇る女の子だ。

梨桜奈はリビングのドアを開け、俺の目の前を足早にキッチンへと向かって歩いていく。

冷蔵庫から飲み物を取り出しコップを2つ一緒に持って、再びリビングに戻ってきた梨桜奈は、俺の目の前にコップを一つ置くと自分も俺の左斜め前のソファーに腰掛けた。

「おっ 悪い、ありがとな」

俺の礼に

「別に、ついでだったし そんな気にしなくたっていいよ」

さも当然のような感じの振る舞いで梨桜奈は返事と共に飲み物をコップへと注ぎ出した。

「そういえば、もうすぐ体育祭だな」

コップにくまれた飲み物を飲みながら俺は梨桜奈に語りかけた。

「そういえば、そうだったね」

まるで、今まで忘れていた と言わんばかりの口調で返事を返してきた。

「梨桜奈は、何かの競技に参加したりするのか?」

「私? 私は、100メートル走と1500メートル走の2種目だけど…兄貴は?」

「俺は、綱引きと騎馬戦かな」

出場種目からも分かる通り、梨桜奈は美人なだけでなく運動神経も良く、男子の注目の的の理由の一つとなっていた。

比べて俺の方は、何が得意というものもなければ、逆に不得意といったものも見当たらない勉強にしても平均並の成績だった。

「ふ~ん、そうなんだ まっ 頑張ってよ兄貴!」

明るく元気な笑顔と共に、その口から零れたセリフに…ドキッとするような高鳴りを感じた。


(やっぱ、マジで可愛い…ヤベッ!)


自分の妹だと分かってはいるものの、自分自身ではどうしようもない胸の鼓動に、俺は悩まされていた。

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