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罰ゲームで百人斬りのレズに告白してみた結果 〜なんか毎日貞操の危機を感じてるんですけど!?〜  作者: はるしゃ
第一章

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第5話 約束とへんたい ★

エンドロールが終わって、スクリーンにFinという文字が浮かび上がる。


私たち以外の観客は、もうエンドロールの最中くらいから移動をはじめていて、もう劇場に残っているのは私たちと、あとはほんの数人くらい。


周囲に人がいなくなったことを確認して、ふー、と息をつく。

私は両手で口元を覆いながら、



「良かった……!!」


「よかったね」



隣でにこにこする星宮一織。たぶん、いまのよかったねは映画が、ではなくて、喜んでいる私に対してのものだろう。


映画が始まる前は、こいつのセクハラに心が荒んでいたものだけど。今はすっごく満たされてるおかげで、こころなしかいつにも増して美少女に見える。


観客が少ないことが、本当に悔しくなるくらい面白かった。正直、ゲームのファンだからって理由で観たかっただけで、映画そのものにはそこまで期待していなかった私だけど。


普段、アニメはあまり見ないのでしらないが、どうやら有名なアニメーション会社が担当してくれたみたいで、作画は普段やってるゲーム以上に綺麗だったし、序盤にはられた伏線はきれいに回収されるし、なにより登場人物がみんな、キャラが立っててイケメンすぎる……!!

ゲームをプレイしてる人じゃないとわからない小ネタとかも散りばめられていたりして、すごく満足度が高かった。


鑑賞中、となりに座る星宮一織から、指を絡められて、手をスリスリされて、爪を撫でられて……なんてちょっとしたセクハラを受けたりしたけれど、正直途中からスクリーンに夢中で全く気にならなかった。


というか、そんなことをしていてこの女は満足できたんだろうか?

空になったポップコーンのケースとドリンクのカップを持って立ち上がりながら、尋ねる。



「どう、面白かった?」


「うん。良夫さんの活躍が、めざましかったね」


「こいつなにも観てないな!?」



ファンタジーの世界に、良夫さんなんていてたまるかっての!

アニメとかゲームとか興味なさそうだし、よくわからないかもなーとか思ってはいたけど、ちゃんと観てすらないとか……!!

てか一か八かキャラの名前言うなら、もっといそうな名前を言えっての!


星宮一織はむっと顔を顰めて、



「みてたよ、ちゃんと」


「あーはいはい。じゃあなにが良かったか、もっとちゃんと言ってみれば?」


「きれいな横顔だった。かわいい」


「…………」



顔に集まる熱気を感じつつ、星宮一織をちら見。

振り返ったそこに立ってた美少女は、顔を真っ赤にする私を、うん?と不思議そうに見つめていて。してやったり、みたいな顔をしてくれてたほうが断っ然よかったわ……!



「そんな恥ずかしいこと、よくサラッと言えるわね……」


「はずかしくなんかないよ。ほんとうのことを言っただけ」


「……はぁ。今までそうやって、数々の女を落としてきたんでしょうねえ」



星宮一織は、「それはどうかな」と微笑んだ。……顔がいい。


私の胸がちょっと、ほんのちょっとだけ高鳴ってしまっているのは、やっぱりこいつの顔が良すぎるせいだ。

顔がそんなによくなかったら、こうはならなかった。歯が浮くようなセリフを言われても、ただこそばゆいだけ。だから私は、断じて女にときめいてるわけじゃなくて。顔整いにときめいているだけで……!!


あとは、大好きなゲーム作品の映画を観れて、ちょっと心が浮ついてるからってのもあるかな。

私は出口のすぐ側にあるショップで売られている、映画化記念のグッズの数々を見る。


ぐりらくんのボールペンとか、メモ帳とか、あとはポスターと同じイラストのクリアファイルとか。

オタバレ必至なクリアファイルはそんなにだけど、ぐりらくんのグッズは……正直、ちょっとほしい。


けどまあ、今星宮一織の前で買えるわけがないし。また今度ひとりで来たときか、それかオンラインで買えばいっか。バイト頑張んないと。


今はそれより星宮一織とのデートを、平穏に終わらせることだけを考えないと。



「じゃあ、次どこ行こっか?」


「トイレ」



決めていたかのように即答した星宮一織。そんなに行きたかったのか……。

確かに、映画は案外長くて2時間半くらいあったし、星宮一織が注文したドリンクはウーロン茶だったっけ。私がちゃんと水分取ってよ!とか言ったら、言われたとおりにごくごく飲んでいたから、利尿作用とかが効いてきちゃったのかも。



「んーじゃあ、私ここで待ってるから。行ってきて」


「……? 天沢さんも、いくんだよ」


「え? いや、私は別に────」



行きたくないし。と言い終わるよりも前に、星宮一織は私の手を強引に引いてきた。振りほどこうとするけど全っ然抜けない。掴まれてる手は全然痛くないのに……これが力の差ってやつ?


そのまま女子トイレまで連れてこられた私は、ああ、ここで待っとけばいいのね。思ったより寂しがり屋なヤツ☆なんてイジる隙さえ与えられず、そのまま個室に押し込まれた。


しかもなぜか、星宮一織も同じ個室に入ってくる。


星宮一織が、後ろ手でカチャンと鍵をかける。そして、ゆっくりと舌なめずりをして……



「下着。みせて」



………………そうだった!!!!

2時間半もの時間が経過したことと、映画に夢中になっていて忘れていた。そういえば映画が始まる前、私がゲームオタクであることをクラスのみんなに黙っていてもらうことを条件に、こいつに下着を見せる約束をしていたんだ……!!


てか、早くない!?しかも、しかも!!



「ここじゃなくてよくない!?」


「がまんできない。早く」



そうやって急かしてきて、私は閉口する。

なんでよりにもよって、かなり利用者数の多い映画館のトイレなわけ……!?どこがいいとか希望があるわけじゃないけど、さすがにここはないじゃん。一緒にトイレから出るところ見られたら、人生終わりなんですけど!?



「ま、また今度……ほら、時間があるときに──」


「そうやって逃げるんだ。おねがいしてきたの、天沢さんなのに」


「うっ……」


「天沢さんって、約束のひとつも守れないような、ちいさい人だったんだ」



ぐぐぐ……!!!

でも、でもさあ……!?


個室の扉の奥から、「でさー!」と明るい女の子の声が聞こえてくる。それに続くように、複数人の足音と、順番に隣の個室の扉がばたんと閉まる音も。


……こんなに人がたくさんいる場所で下着見せるとか、ただの変態じゃん!


なかなか脱がない私を見かねて、星宮一織は聞き分けのない子どもを諭す親のような顔をして、



「じゃあ代わりに、『おとはは、約束のひとつも守れないばかなメスねこです♡ ご主人様、いっぱい躾けてください♡』って三つ指ついてくれたら、許してあげるよ」


「……ハードルがさぁ、上がってんのよ……!!」



思わず叫び出しそうになるのをぐっとこらえて、目の前に立つド変態女を睨みつける。とうの本人へんたいは、これもやなの?ワガママだなぁ……みたいな呆れ顔をしてる。早急に、どちらがワガママを言ってるのか公平な審判を下してくれるレフェリーを呼びたい。


けど、星宮一織は私がここでどれだけ駄々を捏ねても、譲る気配がなさそうで。

ここはもう、ぱぱっと下着を見せちゃったほうがよさそうだ。だってほら、今この場所がちょっとおかしいってだけで、下着なんて体育の前に更衣室でいろんな人に見られてるわけだし。そのいろんな人の中には当然、クラスメイトである星宮一織もいるわけで。


どうってことない。私は深呼吸をして、赤らむ顔と荒い呼吸を落ち着かせた。取り乱してるほうが、かえってこいつの興奮材料になりそうだし。



「じゃあもう……見せるけど! 下着って上か下か、どっち?」


「どっちも」


「どっちか!!」


「む……」



星宮一織が眉間に皺を寄せる。そんな顔したって、ここは絶対譲らないから!

トイレの個室で、下着姿になるド変態になってたまるかっての。



「じゃあ……天沢さんが、わたしに見せたいほう、見せて」


「……はぁ……!?」



私はやられた、と歯噛みした。今の発言のせいで、私がブラを見せようがパンツを見せようが、私が星宮一織に見てほしくて見せた、という構図が完成してしまうからだ。……これなら大人しくどっちも見せとけばよかった!!


私は悩んだ末に、ベルトを外してスルスルと抜き、フレアデニムのボタンに指をかける。

断じてパンツを見て欲しかったわけじゃない。ここはトイレの個室だから、上の服を脱いでブラを見せるよりも、ズボンを脱ぐほうが場所としてはふさわしくて、まだ恥ずかしさが和らげるかなとか思っただけ。


……まあ恥ずかしさが和らぐとか、そんなの一ミリもないけど……!!


私は自分の顔の熱気を感じながら、ボタンの下のチャックをじりじりと開いていく。時折目の前に立つ美少女に目線を送ると、今からプレゼントをもらえる小さな女の子みたいに、目をきらきら輝かせていて。

こんな変態プレイをさせておいてこんなに美しいとか、ほんとどうなってんだか。


ハイウエストなことと、デニムっていう悪条件のせいで、脱ぎにくさはピカイチだ。一気にずるっと下ろしてしまえば、パンツまで一緒に下ろしてしまいそうで、私は慎重に慎重にフレアデニムを下ろしていく。星宮一織が脱がせにくいように選んだこのコーデが、私の首を絞めることになるなんて。


パンツが三分の一ほど見えたところで、はぁ、とため息をつきながら手を止めた。



「……はい、どーぞ」


「なにしてるの? まだ、ちょっとしか見えてないよ」


「……ぐっ」



やっぱり、こんなんじゃ認められるわけなかったか……!!

この、生粋のレズめ。ド変態め!



「ちゃんと、ズボンは足元まで下ろしてね。見ててあげるから」



はいありがとうございます、なんて言うわけもなく。

私は恥ずかしさを押し殺しながら、再度腰もとに手をかけて、今度は一気にずるずると下ろしていく。トイレの個室でズボンを下ろしているだけなのに、同じ場に人がいるだけで何この羞恥……。


はぁ、はぁ、と息を切らして顔を真っ赤にする私に、星宮一織はふわりと微笑みながら、



「よくできました。いいこ、いいこ」



そう言って頭を撫でてくる。いつもなら振り払うところだけど、そんな体力残されていなかった。もう好きにしろ……。

星宮一織は私の髪をくように撫でて、その手をそのまま私の頬まで下ろしてきて、親指ですりっと撫でてくる。究極に熱くなった顔に、星宮一織の冷たい手が少し……ほんの少しだけ、心地よくて。

私は目を閉じて、星宮一織の手に、自分の頬を擦り付けた。



「天沢さん。上のブラウスの裾、ちょっと持って」


「んぇ? ああ、うん……」



なんでかうっとりとしてしまっていた私は、その意味の分からない要求をよく考えずに飲んでしまって。



ぱしゃり。



「は?」



気づけば星宮一織のもう片方の手にはスマホが握られていて。星宮一織は、少し誇らしげな顔をして、その画面を私に見せつけてくる。



「みて。わたしのかわいい子」



そこには、うっとりとした顔で伸ばされた手に頬を擦り付けながら、ブラウスの裾を持ち上げて、パンツを見せつけている変態わたしがいて。



「〜〜〜〜〜っ!! 消せ!! ばか!!」


「消すわけない。たからもの」


「こういうのってなんかの犯罪になんないの!?」


「恋人同士なんだから、ならないよ。わたしがSNSに拡散とかしちゃったら、ちょっとあぶないかもしれないけど。そんなことぜったいしないから、安心して」


「は、はぁ……!?」



SNSに拡散、という言葉を聞いて、さっきまで熱された鉄のように熱かった顔が、氷水をぶっかけられたかのように急激に冷めた。星宮一織はしないと言ってるけど、昨日初めて会話した相手をそう簡単に信じられるわけがない。てかまず、人のスマホの中に自分のパンツ姿の写真があるって時点で、ありえないから!!


星宮一織からスマホを奪い取ろうと手を伸ばすけど、簡単に避けられて空気を掴むだけ。しかも、足元が自分のズボンで拘束されてしまっているせいで、簡単によろけてしまった。


扉に頭をぶつけそうになった私を、星宮一織はさすがの反射神経で受け止めて、するりと腰を抱く。



「天沢さんがいい子にしてたら、そのうち消してあげる。でも今日みたいにワガママだと、どうかな」


「ぐ……!!」



耳元でやたらといい声で囁かれて、ぞわりと身震いする。私は少しでも星宮一織から離れるように、腰に回された腕を振りほどいて距離をとった。


すると星宮一織は、突然その場にしゃがみこむ。なんだ……?と考える間もなく、星宮一織の冷たい手が、私の内ももに触れた。



「ひゃっ……!?」


「……しー」



星宮一織は、右手を私の内ももに、左手は人差し指をぴんと立て、自分の唇に当てる。外に聞こえちゃうよ、と言いたげな視線に、私は自分の口元を手で覆った。


ぶん殴ってやりたいところだけど、星宮一織はあの写真を持っているわけで。少しでも機嫌を損ねてしまって、考えが変わってしまったら……私の人生は簡単に終わっちゃう。



そんな私の悩みなんてまったく気にならない様子で、星宮一織はそのまま、私の内ももをさわさわと撫でる。

人差し指でつんつんとつついたり、腕を伸ばしておしりを撫でてきたり。



「……ふ、ぅっ……!!」


「天沢さんは、どこもすべすべだね。産毛もほそくて、さらさらしてる」



ご馳走を目の前に用意してもらったみたいな顔をしながら、満足気に私の太ももを堪能する星宮一織。


声が漏れるのは、きもちいいからじゃない。単にこそばゆいからだ。


星宮一織は顔を真っ赤にして口元を抑える私の顔を見て、ふふ、と笑って。


ちゅ。

小さな個室に、私と本人にしか聞こえないくらいのリップ音が響く。

星宮一織は、私の太ももに唇を落としていた。

そのまま続けて、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と遊ぶように太もものあちこちに唇を落としていく。



「な、なにして……!」


「マーキング、みたいな」



実際私の太ももは、赤に近いピンク色のリップが、星宮一織の唇のかたちで付着していて、マーキングのようになっていた。お湯で洗い流したら簡単に落ちるし、なんならこのあとズボンを履くだけで落ちてしまいそうな、簡易な似非キスマークだけど。

でも、それを見ていると、私の体が星宮一織のものだと刻まれている感じがして。なんか、ぞわぞわする。


星宮一織は私の顔を見て、また満足気に微笑んだ。……私は今、どんな表情をしているんだろうか。



「ん。ちょっと満足」



そう言って立ち上がった星宮一織は、耳をそばだてて、周囲に人がいないかを確認する。どうやら今、この女子トイレには私たち以外誰もいないようで、星宮一織は個室の鍵をカチャンと開けた。



「じゃあ、私は先に出るけど。そのまま出てきちゃだめだよ」


「で、出るわけないでしょうが!! ちゃんと履くっての!!」


「うん、それもだけど」



星宮一織は扉を少しだけ開いて外に出るとすぐさま振り返って、口角をいやらしくにやりと上げて、



「そのうっとりした顔、おさまってから来てね」



そう言って、扉はばたんと閉じられた。


は、はぁ!?

うっとり、って……そんな顔してるわけないじゃん!?めちゃくちゃ、それはもうめちゃくちゃ恥ずかしかったから、顔は多分真っ赤になってると思うけど……!!


私は納得いかないまま、足元まで下ろしていたズボンを上げて、ベルトをきつく締める。


ズボンが履けたのだから、すぐに出ていってやってもよかった。私はうっとりした顔なんてしてないんだから。


……けど、もしほんとうにそんな顔をしているのなら。手洗い場の鏡で、自分のそんな顔を見てしまうのが、通り過ぎた赤の他人に、そんな顔を見られてしまう可能性があるのが、たまらなく恥ずかしくて。


結局私は、その個室から十分ほど出ることができないのだった。






えっちなシーンを書こうとすると止まらなくなります。ノクターン行きにはならないように、微エロで頑張りたいです。

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