表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
罰ゲームで百人斬りのレズに告白してみた結果 〜なんか毎日貞操の危機を感じてるんですけど!?〜  作者: はるしゃ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/19

第2話 友人は悪魔





おとは:音声ファイル 新規録音#01


REONA:しぬ爆笑爆笑爆笑


望月夏希:やるじゃん


REONA:おとちん初彼女げっとおめ〜♡♡♡


望月夏希:赤飯でも炊こうぜ


おとは:笑いごとじゃないんだけど!?!?!?


おとは:ねえこれどーすんの!?私ぶち犯される!?


REONA:LIP


望月夏希:@ REONA それ唇。RIPな


REONA:やば。唇うばわれるのは乙葉だけでいーのにね♡♡


おとは:意味わかんないんだけど!?!?



てぇぇい!!と叫びながら、私はベッドにスマホを投げ捨てた。


結局編集する気にもなれず──というか自分の吐息混じりの焦った声と星宮一織の問題発言をもう一度聞く気になれず──10分21秒の音声ファイルをそのまま送り付けてやった。私の愛の告白から成就まで、ノーカットでお届けだ。よろこべ。


ピコン、と通知音が鳴る。どうせろくなこと言ってないだろうに、通知音が聞こえたらすぐにスマホを手に取ってしまうのは、現代っ子としての宿命か。



REONA:もうちゅーした?



「するわけねーだろ!!!」


叫びながら全く同じことを打ち込んで送信する。



望月夏希:てか、帰りはどうしたんだよ。まさか一緒に?


REONA:手繋いだ?爆笑



玲緒奈のバカ発言に青筋をぴきぴきと立てながら、返信を打ち込む。こないだ親戚のおじさんに、「すげえ速さだなぁ。凄腕ピアニストみたいだ」と評されたご自慢の高速フリック入力だ。


送信ボタンを押し、長い長いため息をつく。高校の入学式よりも長く感じて、夏休みの最終日よりもストレスを感じる一日だった。


神セブン(3)──当然、玲緒奈がつけたグループ名だ──と書かれたグループLINEのトーク画面を右にスワイプし、トーク一覧の画面に移る。


神セブン(3)、ママ、あまさわ家(4)、に続いて4番目に表示されている名前を指でそっとなぞる。



一織:よろしくね



18時半に送られてきていたそのメッセージに、私は今更スタンプを送る。ピンクのクマが『よろしく』と書いた看板を持っている、当たり障りのないやつ。


秋月高校に、星宮一織の連絡先を持っている人物は他にいるのだろうか。いや、きっといないだろう。転入してきてすぐに孤立したんだし、友達を作る時間なんてなかったはずだ。


だとすると私は、秋月高校の中で星宮一織とLINEを交換した、唯一の人物。

そんなことを考えているとちょっぴり特別感が湧いてきたり───



「とかは別にないな、うん」



人生初の恋人ができて心が浮き足立つなんてこともなく、私は至極冷静だった。

いや、冷静まではいかないか。今後の不安とかにはめちゃくちゃ苛まれてるし、もうどうしたらいいかわかんなくて、家に帰ってから枕に向かって何回もあーー!!って叫んだりしてるし。うん、全然冷静じゃなかった。


ともかく、私に彼女ができたのだ。Sheじゃなくて、Girlfriendのほうの。



「かのじょ……って、なにすんだろ」



ぽつりと、私にしか聞こえないボリュームでつぶやく。

クラスの一軍ポジにいるのにも関わらず、私にはまだ恋愛経験がない。玲緒奈や夏希には隠していて、ふたりに合わせて中学のとき2、3人と付き合ったーなんて言ってるけど。


別に告白されなかったとかではない。地元の中学じゃそこそこモテてる方だった自負はある。けど、友達にしか思えない相手がヘラヘラ好意を伝えてきても、よし付き合おう!なんて簡単には思えなくて。


デート、とかするのかな。水族館とか、遊園地とか、いやふつーにカフェとか?女同士でそういうとこに遊びに行くのって、友達と何が違うんだろ。



……っていやいや、ちょっと待って私?

何受け入れようとしてんの!?

女と付き合うとかありえないじゃん。しかも相手は生粋のレズ!発言もおっかないし、次会ったとき何されるかわかんない。ふつうに貞操の危機!!


いや、べつに!自分の貞操がそんなに大事だとは思ってない。婚前交渉が〜とかお堅い時代じゃないし、いつかは誰かと付き合って散らすものだと思ってた。けど、女は違くない!?いやまず女ってどうやんのか知らないんだけど。散らす……もんなの?ムズい!


てか大前提に!この交際っていつまでやんなきゃなの!?私いつになったら解放されるの!?



思ったことをそのままLINEのトーク画面に打ち込んだ。もちろん、神セブン(3)に。

すぐに既読がひとつついた。玲緒奈だろう。



REONA:んーぶっちゃけそこまで考えてなかったってゆうか爆笑


REONA:がんば爆笑爆笑爆笑



ダルそうに寝転んで欠伸をしながら、『ふぁいと』と言っている変な顔のウサギのスタンプが送られてくる。

こいつはマジで!!ずっと他人事すぎる!!

そうこうしていると既読がふたつに。よし、信じてるぞ夏希。



望月夏希:なんかまあ、今フッたらやばそうだよな


おとは:だよね、どうしよ〜???


おとは:@望月夏希 私の代わりに事情説明してきてくんない?


望月夏希:まだ死にたくねーから


おとは:私もだけど!?



こいつもめちゃくちゃ他人事だ!!しかも超無責任!!



REONA:まーまーとりあえず!3ヶ月くらい付き合ってみたら?笑笑笑


おとは:ええええ、、、???


望月夏希:なんで3ヶ月?


REONA:よくさー、倦怠期とか付き合って3ヶ月とかでくるじゃん?


REONA:あーしもよくそのへんでダルなるし爆笑


REONA:3ヶ月くらいで、倦怠期ってかんじで円満に別れたら??



ピコン、ピコン、と送られてくる玲緒奈からのメッセージに、私はおお……と感激の声を漏らす。

玲緒奈の発想が素晴らしい、というよりかは、玲緒奈が真面目に考えてくれている、という感激だ。

一応、責任みたいなものを感じてくれてたりするんだろうか。


交際経験がないから、3ヶ月で倦怠期がくるとかのあるあるも知らないけど、そういうもんなのかな。倦怠期〜って言って別れるのって、それは円満なの?みたいな疑問もあるけど。



望月夏希:あたしもそれに賛成だな。ちょうどいい期間なんじゃねーの


REONA:だよねー、ちょうどあーしらもそれくらいで飽きそうだし爆笑


おとは:ちょうどいい期間ってお前らにとってかよ!!


望月夏希:あたしらを飽きさせねーようにがんばれ


REONA:星宮の弱みとかの情報おまちしてまーす♡♡



よ、弱みって……。あるの?星宮一織に?


けど飽き性で、彼氏だって最長3ヶ月、最短3日で別れたりする玲緒奈や、まずあらゆるものに無頓着な夏希が、3ヶ月も私の恋路──恋してないけど!──を見守ってくれるだなんてありえないことだ。友人ながら、全く想像ができない。


ふたりに飽きられてしまえば、私はふたりからの助言もなしに、たったひとりで星宮一織と戦わなければならないというわけで。


つまり私は、3ヶ月間星宮一織と交際する中で、生意気だと思われないように星宮一織のご機嫌も伺いつつ、自身の貞操を守り抜きながら、彼女の弱みを見つけ、飽き性の友人のために情報を提供していかなければならないということ。


……無理じゃない?私、なんでこんなミッションインポッシブル抱えてんの?



おとは:弱みとかあるのかなーーー


REONA:弱みとか、だから!弱みじゃなくてもいいんだよーん


おとは:ええ?たとえば?


REONA:んー


REONA:星宮の裸とか、ハメ撮りとか!


おとは:そういう状況にならないように相談してんの!!!!!



星宮が裸になってるなら私も多分裸でしょ、その状況。は、はめ……は言わずもがな!!

てか、倫理的にアウトでしょ!!なに言ってんのこのギャル。ほんとに敵に回したら終わりだな、とか実感しちゃう。


このグループLINEを見てたら頭痛がしてくる。私はため息をつきながらスマホを閉じた。


3ヶ月、か。結構長くない?

今が6月だから、3ヶ月記念日♡は9月。


待って、夏休みまたぐじゃん。いや、学校で会わなくていいって考えたらラッキーなのか……?

でも夏休みとか、デートのド定番だよね。……海とか行ったりするのかな。水着着るんなら今よりも痩せとかないと……って!!なんで私はこうもすぐ乗り気になるの!?自分の陽キャさが今だけは疎ましい!!


てか、あのクールな女がデートに誘ってくるイメージなんてまるでないし。私からも誘わなければいいだけ。よゆー。


そしたら、3ヶ月なんてふつうに高校生活を送ってれば過ぎ去るんじゃ───



ピコン。

そんなことを考えてると、また通知音が。話は一区切りしたかなーとか思ってたけど、玲緒奈のやつ、また何かしょーもない煽りでも送ってきてるんだろうか。


ベッドに寝転んだままスマホを持ち上げて顔認証すると、通知がざらっとならぶ。そのいちばん上に記されたLINEの通知を見て、私は思わず起き上がって、正座をしてしまう。



一織:あした、暇?


一織:デートしたい



……どうやら、3ヶ月があっという間に過ぎ去るってことはなさそうだ。


すぐに既読をつけるか悩んでいると、追い打ちで。



一織:やだって言われたら、病んで押し倒しちゃうかも



「ただの脅しじゃん!!」



あまりにも最低な通知に、私は叫びながら星宮一織とのLINEの画面を開いた。

てかなんでこいつは交際にこんなにも乗り気なの?

そんなことを考えてると、つい先程愛の告白を承諾されたときの、星宮一織のこれまた最低な言葉を思い出す。


『溜まってるし。したいから』


この女、もしかして女に飢えてる!?

この高校に来てからというもの、女子校とはおいしいおいしいレストランであるにも関わらず──もちろん、星宮一織にとって──、ご馳走たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていくものだから、我慢の限界だったのかも。


そんな中で告白してくるわたしなんて……自分から、どうぞ召し上がれ♡って裸にリボンを結びつけた絶好のご馳走に違いない。

そりゃ、交際にもデートにも、こんな乗り気になるわ……。


私は眉間を揉みながら、返信を打つ。先程玲緒奈と夏希と喋ってたときとは比べ物にならない、パソコン教室に通い始めたおばあちゃんくらいのスピードで。



おとは:私もすごくしたいと思ってた!



……さすがに了承するしかない。そしてご機嫌をとっておかないと、生意気だと判断されたら裸に剥かれてしまう。



一織:えっちだね。もうしたいんだ


おとは:デート、をね!?


一織:しってるよ。なんだと思ったの?


おとは:なら「えっちだね」は返答としておかしくないですかね、、、!?


一織:積極的な女の子は、みんなえっちだよ


おとは:マジで意味わかんない!!



玲緒奈と夏希と会話するときのテンション感が残ってて、ついついツッコミを炸裂させてしまう。星宮一織の打つ文章は、文面からあまりにも表情が読み取れないけど……たぶん、機嫌は良さそう?



おとは:どこでなにするの?


一織:初デートだし、ラブホテルでも行こうかなって。


一織:あ、誤字。映画でも行こうかなって。


おとは:そんな一文字も被ってない誤字があってたまるか!



でも、映画か。2時間ほど一緒にいる時間を作れるけど、この狂人と2時間も直接会話しなくてもいい場所、って考えると私にとっても最高かも。カフェでふたりきりでお話、ってなっても、何話したらいいかわかんないし。



おとは:なんの映画?


一織:それは行ってから決めようか。


一織:13時に、長良駅の前で待ち合わせね。


おとは:りょーかい



りょ!と看板を持った、ピンクのクマのスタンプを送信する。

長良駅というと、徒歩5分くらいのところに大型のショッピングモールがあるところだ。最上階に結構大きめの映画館があるから、小さい頃よく連れて行ってもらったっけ。

明日の日付と13時到着で入力して、乗換案内の検索をする。この時間なら、まあいつも通りの休日って感じの時間に起きればいいか。


ピコン、と音が鳴る。



一織:かわいい格好できてね


一織:できれば脱がせやすい服で



とりあえず、パンツスタイルで行こう。あとブラはフロントホックじゃないやつで。

そう固く決意した私は、再び長い溜め息を吐き出すのだった。

ご覧いただきありがとうございます。感想いただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ