プロローグ
初めて書くンゴ
前書きってなんや
暗い。
深い、深い闇の中。
何も見えない。
何も聞こえない。
何も、感じない。
……ここは、どこだ。
誰か――誰か、いないか。
自分の名前が思い出せない。
顔も、年齢も、過去も、なにもかも――
霧の奥に沈んでいる。
ただ、ひたすらに怖い。
自分がどこにいて、何をしていて、なぜこんな所にいるのか。
分からない。
体の感覚も、どこにもない。
手も足も、声も、呼吸も、心臓の音さえも消えていた。
……夢?
死んだ?
分からない。分からない。分からない――
どれくらい、その“何もない場所”に沈んでいたのか。
時間の感覚すらなかった。
ただ、ひたすら孤独だった。
――そのとき。
“何か”が流れ込んでくる。
急に光が走る。
強い刺激に、無意識に身をすくめる……が、すくめる“体”すらないことに、もう一度絶望する。
景色。
音。
誰かの息。
誰かの鼓動。
――え?
視界が、急に開けた。
自分のものじゃない。“誰か”の目線。
足元に瓦礫。
土埃。
石造りの廃墟。
息が荒い。
小さく震える手が、視界の端に見えた。
“これ”は、俺の手じゃない。
なのに―――
どくん、どくんと、鼓動が伝わる。
でも、心臓の音は自分のものじゃない気がする。
……混乱する。
怖い。
分からない。
分からない――
(……だれ……?)
無意識に、問いかけていた。
音にすらならない、ただの“思念”。
誰も答えない。
目の前の“誰か”も、反応しない。
……ここはどこだ。
俺は、誰だ。
何もかも分からないまま、
ただ、遠い世界の景色だけが流れていく。
冷たい風。
埃と血の匂い。
歩き続ける、知らない誰かの体温だけが、かすかに伝わってくる。
―――もし、地獄というものがあるなら、
きっと、こんなふうに永遠に一人で漂うんだろうか。
(だれか……)
また問いかける。
返事はない。
……怖い。
誰か。
助けて。
この世界に、自分以外の“何か”がいてくれれば。
“声”はただ、混乱し続けていた。
やがて、どれくらい時が経ったのか。
その“誰か”が、ふと足を止めた。
「……?」
小さな、声。
震えた息。
まるで“俺の思念”を感じ取ったように、その“誰か”が周囲を警戒する。
それでも俺は―――何もできない。
ただ、沈むように、漂い続ける。
世界は、終わっている。
それだけが、唯一はっきりしていた。
後書きってなんや