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ずっと大好きな男性に好きと言えないのは、なんて辛い事なのだろう。

作者: 七瀬






”ずっと大好きな男性に好きと言えないのは、なんて辛い事なのだろう。”




私はずっと大好きな男性が居る!

それは幼馴染の一基、家も隣同士で親同士も仲が良く、よく家族ぐるみで

キャンプやバーベキューをしていた。

まあ一基は、私の事を”妹”ぐらいにしか見ていなかったと思う。

だって一基がずっと見ていたのは? ”私の5つ上の姉だったからだ。”

姉は一基を、”弟”のように可愛がっていた。

私はそんな二人を見て、少しホッとしていたわ。

だって! 姉が一基を男性として見ていなかったから......。




その後も、一基は姉に何度も何度も諦めず【告白】していたんだと思う。

その都度、姉は? ”丁寧いに一基に分かるように断っていたらしい。”

そんな姉を一基は今でも好きなのだろう。



でも姉は? ”17歳の時に、好きな男性の子供を身ごもり家出をした。”

親には全く分かってもらえず、大きなお腹を抱えて家を出たわ。

でもね? 妹の私には、たまに連絡をくれるの。

私は姉の代わりに、子供の面倒を見る事もあった。

どうしても仕事で、保育園のお迎えに姉が行けない時やお留守番の時も

私を頼ってくれて連絡くれるの。

私も姉に頼られている事が嬉しかった!

”姉は昔から、私の自慢の姉だったからだ。”




『“ごめんね、遅くなったわ!”』

『いいよ、もう寝てるし。』

『何時もごめんね、佑依だって好きな男性ひととか居るだろうに、

子供の面倒なんかさせて!』

『いいわよお姉ちゃん! それに好きな男性ひとなんて居ないわ。』

『・・・もうそろそろ、一基の事は諦めたら?』

『わ、分かってるよ、』

『貴女だって、もういい歳なんだし! イイ人見つけないと!』

『ううん、でもお母さんには連絡してあげなよ、凄く心配してたよ。』

『・・・お、お父さん、まだわたしの事! 許してないらしいし、』

『“いつか分かってくれるよ、親子なんだから!”』

『それならいいんだけどね、でもお父さんって頑固だから!』

『・・・まあ、そうだけど、』

『何時かお父さんにも分かってもらえるように、頑張るわ!』

『・・・ううん、そうだね。』

『もう帰ったら? 電車なくなるわよ!』

『そうだね、もう帰るわ。』

『ううん、今日は本当にありがとう! 助かったわ。』

『“いつでも呼んで! 私はあの子のおばさんなんだし、いつでも面倒

見るわよ!”』

『”でも、佑依がわたしの妹で本当に良かった!”』

『お姉ちゃん!』

『じゃあまたね!』

『うん。』






私とお母さんはお姉ちゃんの事を理解しているから、いつでも力になれる

時は姉の家に行って子供の面倒も見るのだけど、、、?

お父さんだけは、お姉ちゃんの事を全然許していない!

だからお姉ちゃんの子供に一度も会っていないし、お姉ちゃんとも

17歳の時に家出をしてから一度も会っていないわ!



ただ、お母さんからお姉ちゃんの事は少しは聞いていると思う。

”あの子も子供も元気にやっているみたいよ” って。

それにお母さんにお姉ちゃんと私とお姉ちゃんの子供と美味しいモノ

でも食べてきなさいとお金を渡しているらしいの。

本当はお姉ちゃんを許したいけど? 頑固だから素直になれないみたいで、

”お姉ちゃんの孫に会いたいと本当は想っているんだと思う。”

お母さんがお姉ちゃんの子供の写真を携帯で撮ってお父さんに見せて

いるらしいし......。

”孫は可愛いもんだな~”と写真を見て! デレデレだとお母さんが言って

たわ、お父さんも可愛いトコロがあるのよね。








 *






・・・そんな些細な幸せが一変する時が来たの!

お姉ちゃんが車に轢かれて亡くなったと聞いて、私は急いで病院に、

でも既にお姉ちゃんは亡くなっていて。

その後、お葬式をしてお姉ちゃんの子供を誰が育てるかという話になり、

”私が育てると両親を説得して、二人だけの生活が始まったの!”




『ねえ、佑依ちゃん? ママは何処?』

『ごめんね、ママは? ”仕事で遠い所に行っちゃったんだ!”』

『いつ帰って来るの?』

『・・・うーん? 聖来がお利口にしてたらママはまた帰って来るわよ。』

『“じゃあ、聖来! お利口にしてるね!”』

『・・・ううん、』







・・・そんな時、久しぶりに一基に会ったの。




『“深優が亡くなって、深優の子供の面倒を佑依がみてるんだって?”』

『まあ、ううん、それがどうしたの?』

『“もし良かったら? 3人で暮らさないか?”』

『えぇ!?』

『俺分かったんだ! 俺は佑依、お前の事を、、、。』

『“お姉ちゃんが亡くなったからそんな事を言うの?”』

『違う! 本当に俺は、』

『気持ちは嬉しいけど、そんな事で一基を巻き込めないわ!』

『”本当に俺は佑依、お前の事が好きなんだ! 深優にも何度もそう言われた

けど、それが今の俺なら良く分かるよ頼む! 俺も佑依の力になりたいんだ!”』

『“でもよく考えて! もし他に好きな女性ひとが出来ても、簡単には離れ

られないんだよ、それでもいいの?”』

『“それなら籍を入れたらいい! 夫婦になってあの子を自分達の子供として

一緒に育てて行こう。”』

『・・・か、一基、本気?』

『“俺は本気だ!”』

『そこまで言うなら、そうしてもいいわ! でも覚悟してよね!』

『あぁ、分かってる!』






・・・この事があって私達は、”家族になったわ!”

私と姉の子供と一基とこれからは3人で、本当の家族になるの。

気持ちは複雑だけど? それでも私は一基を信じることにしたわ。

最初は? 子供も一基に懐かなかったけど、次第に一基の優しさを

受け入れれるようになってからは、”私達は家族になれたみたい。”



お姉ちゃん! まだまだ私達は、”本当の家族には程遠いけど、、、?”

いつか? 絶対に家族になるからね!

お姉ちゃんは何にも心配しなくていいのよ。

それに今は一基の気持ちを受け止められるようになったし......。

私達は家族になるって決めたんだから!

”だから、天国から私達を見守っててね、お姉ちゃん!”


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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