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絞首台の主3
オーディンはミーミルから一杯の井戸水を貰うとそれを一口に飲み干しました。そしてミーミルの部屋の隅の灰色のベッドに横になりました。
夢の中でオーディンは果てなく続く長い階段を降りていました。
「この道はどこまで続くのだろう? ふとした時に頬をかすめてくれる風は今はない。」
オーディンが3125段目の段を踏み降ろしたとき、彼はいつの間にか鬱蒼とした森の中の広場にいました。
「ここからどうするかが分からない。」
「ヘーニルよ、答えが欲しい。」
オーディンの呼びかけに応じて、俊足の神ヘーニルがその場に現れました。
「ヘーニルよ、いつも通りに共に歩いておくれ。ワシの良き旅の道連れとなるのだ。」
俊足のアース、物思いのヘーニルはその長い脚で森の奥深くまで一人で進んでいきました。
「待てったら。」
他ならぬ王は自らの弟を追いかけました。
「どうして私の心は私を置いていくのだろう? どうして私の心は私の心にないことをするのだろう?」
オーディンは呟きました。




