獣神トール14
お久しぶりです。
転職で間が空いてしまいました。
これからもよろしくやで。
少年は父親と妹に輝くナイフを預けました。
シアルヴィはただ一人、森の魔物に立ち向かうことにしたのです。
魔物は目も眩むような白い輝きを放って炎上していました。
怪物は焼けただれた醜い腕を彼に伸ばしました。
周りに逃げ場はありませんでした。
少年は恐れずに死を受け入れ、次の事を考えました。
黒い腕がシアルヴィに触れようとした瞬間、電光が瞬き雨粒の一滴が焼け焦げた手を穿ちました。
魔物は苦悶の叫びをあげて身じろぎました。
黒い雲が一層集まり、森の中に湿り気を吐き出しました。
少年は自慢の駆け足ですり抜け逃げ出しました。
「化け物! こっちに来い!」
そして巨大な怪物の足の間を通り抜けようとしました…
そして宙に持ち上げられました。
毒虫にも似た魔物の尻尾が、彼をすくい上げ掴み上げたのです。
彼はその時にはあの太い刀を、腰から抜いて構えていました。
「上等だ、化け物。」
と言いました。
「相手になるぞ。」
シアルヴィは高々と刀を振り上げました…
天から雷鳴が轟き、少年の刀を直撃し、彼の身体を通り抜け魔物の身体をも貫きました。
少年は目から火花を散らしました。
しかし魔物の傷はより深く、その残骸からは一切の息づかいも鼓動も消え失せていました。
少年は地面に投げ出されました。
叩きつけるような雨が森全体を洗い流しました。
駆け寄ってきた家族にシアルヴィは焦げた顔を向け、必死に訴えました。
「探さなきゃ! 探さなきゃならない!」




