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開会式

 三日後。


 無料ゲームではなく、一本一万円もする高額ゲームであるハーフ・ハンドレッドを買った俺と和美は闘技場いた。


 闘技場を埋め尽くす人、人、人。


 客席全てと、中央のバトルフィールドにも何千というプレイヤーが整列している。

 当然ここは仮想空間、ハーフ・ハンドレッドの世界だ。


 アバターを作った人もいれば、俺と和美のように素顔をアバターにしている人もいる。


 でも共通しているのは、その緊張感だ。


 何せ賞金は一〇億円。

 優勝を目指す欲望が質量となって、本体からアバターを通して伝わって来る。


 でも俺らだって負けられない。

 何せこっちは内臓がかかっているのだから。


 古代ローマのコロッセオのようなその舞台は、全部で一〇か所以上もあって、それぞれに一〇万人収容されているらしい。


 最初にクリアした人が優勝、賞金一〇億円。


 当然一日でも早くプレイしている人が有利で、稼働初日から一〇〇万人のプレイヤーが参加。


 開会式に参加している。

 パーティー登録をしている俺と和美は、客席に隣り合って座り、頭上に浮かぶトラエニの社長の顔を見上げている。


『以上だ、じゃあみんな、楽しんで、そして一日でも早くクリアしてくれ。会社が倒産でもしない限り、賞金一〇億円は確実に払うから、はっはっはっ♪ それでは、準備はいいね?』


 上空に映された社長が両腕を広げ、


『ゲーム開始だ!』

『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼‼』


 全プレイヤーの姿が突如として消失。

 俺の視界も光に包まれて、視界が晴れると、街のどこかにワープしていた。

 あのまま闘技上から出ると将棋倒しになるため、一〇〇万人のプレイヤーを街中に散らしたのだろう。


 それでも流石は一〇〇万人。

 辺りにはプレイヤー達が何人もいた。


 俺のすぐ隣には、パーティー登録をしている和美が、中世ヨーロッパ風の街並みを見回していた。


「よし和美、まずは道具屋だ」

「ええ」


 俺と和美は走りだし、走りながら喋る。


「まず道具屋で状態異常を回復するアイテムを三つずつ買うんだ」

「レベル上げの弊害は状態異常だからね」

「ああ、ハーフ・ハンドレッドの状態異常は数分で自動的に回復するけど、弱体化している間に襲われたら、HPが残っていても危険だからな。レベル上げを急ぎ過ぎていきなり外へ出たり、ただHP回復のポーションを買えるだけ買うのは素人だぜ!」

「お兄ちゃん! あの店の看板!」

「よっしゃあ、行くぜ和美!」

「行くわよお兄ちゃん! 全ては優勝して」


 俺と和美の目が、同時に血走る。


「「ヤーさんから内臓を守る為に‼」」

  

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