第四十四話 石灰石購入へ
『最強の大賢者はスローライフがしたい』改め『スローライフがしたい大賢者、娘を拾う。』がMFブックス様より書籍化します。詳しい内容は活動報告にて。
家へ戻ってきたマグナスはパルパレの木を大工に渡す。
「おう、これだこれだ。本数も十分だし、なにより状態が良い。これなら問題なく使えるだろう」
大工のおじさんに絶賛される。
「それで次は港町へ行けばいいんだったよな?」
「あぁ、石灰石を買ってきてくれ。ただ、それなりに値は張るぞ?」
「大丈夫だ、一応金は稼ぎながら行くからな」
道中の魔物を倒しながら行けばそれなりの額は貯まるだろう。
「それで足りるといいがな……」
意味深な言葉を残して大工は帰っていった。これは相当かかるようだ。魔物退治も気合いを入れないといけないな。
少し気合いを入れたマグナスは大きく欠伸をしているリウを連れて部屋に戻っていった。
◇◇◇
港町へはマグナスが飛行魔法を使い一気に飛んでいく。ただ、魔物の気配を感じるとそちらによっていきさっと倒して素材だけ回収していった。
さすがに危険そうな魔物の気配はないので、あまり速度を落とさずにそれなりの量の素材を集めた上で港町までやってきた。
「マグナスさま、ここでせっかい……を買うんだよね?」
「あぁ、その前にこの素材を売らないといけないけどな」
そのためには冒険者ギルドに行かないといけない。
「それじゃあ早速行こう!」
リウはマグナスの手を掴むとそのまま先へと進んでいった。
しかし、それほどこの町を巡っていたわけではない。
結果、リウはどこに向かっていたのかわからなくなって道に迷ってしまう。
「あれっ、ここはどこ?」
大通りから少し逸れ、少し薄暗い路地裏に入り込むともう場所がわからなくなり、リウは不安そうにマグナスに聞いて来る。
「ここからギルドまでは少しあるな。今度は俺が案内するから」
「うん、わかったよ……」
リウが申し訳なさそうに顔を俯かせる。
まぁ自分たちの家のことだもんな。やる気になる気持ちはわかる。
マグナスは軽くリウの頭を撫でる。
そして、冒険者ギルドへ向かって歩いていく。
冒険者ギルドで換金を終えるとマグナスたちは港の方へ向かっていく。
「せっかい……を買いに来たんですよね」
「あぁ、どこに売ってるかな?」
周りを探してみるが、それらしいお店はなかった。
港の近くということもあり、魚などを売っているところばかりだ。
「この辺りじゃないのか?」
「ちょっと聞いてくるね……」
リウが近くの人に聞きにいくとその人は困ったように首を横に振っていた。
そして、リウが戻ってくる。
「なんかね、最近せっかい……のが取れなくなってるみたいでお店には置いてないらしいの。もしあれだったら直接取りに行くといいよと地図をもらったの」
そういうとリウがこの辺りの地図を見せてくる。
このバツが書かれているところにあるのだろうな。
「そうだな、近くだし見にいってみるか」
「うんっ」