第四十二話 パルパレの大木
少し更新が遅れ気味で申し訳ありません。
マグナスたちはものの数分で大木がある大森林にたどり着いた。
ここの大木を集めたらいいんだな。
「マグナスさま、どうやってこの木を切っていくの?」
「んっ? 普通に魔法で切っていくが」
「……?」
リウが不思議そうに首を傾げていた。
まだ、リウはうまく魔法を使えないもんな。こう言った木を切るのとかは練習になるかもしれない。
「よし、それなら今日はこの木を切れるように特訓してみるか」
「おーっ」
訳も分からないままリウは握りこぶしを掲げていた。
「まずは木を切る魔法だな。試しに俺が使ってみるからな」
マグナスは手に魔力を込めて風の魔法を放つ。
目には見えないものの鋭い風の刃が木を根本から切り倒した。
「すごい……。今、何したの? 突然木が倒れたの」
リウがぴょんぴょんと跳ねながらマグナスの方へ近づいていく。
「今は風の魔法を使ったんだ。早速リウも試してみるか」
「リウに……出来るかな?」
不安げな表情を見せてくるので、マグナスは安心させるように微笑む。
「大丈夫だ。まずは簡単なところで手のひらに風を起こしてみようか」
マグナスは手のひらを上に向けて小さな風の渦を生み出した。
それを見てリウも同じように手を上に向ける。
そして、ぎゅっと目をつぶり手を震わせていた。
ただ、魔法が出る気配は一切しなかった。
「出ないの……」
「ちゃんと風の魔法を使おうとしてるのか?」
「うん、ちゃんとぐるぐるーって起こるように考えたよ?」
やはり目に見えない風属性の魔法はうまく想像できないようだった。ただ、回復魔法とかなら普通に使うことができるリウだ。
慣れれば他の属性の魔法も使うことができると思うんだけどな。
「それならまずは使い慣れてる属性から試してみるか……。回復魔法が得意なリウなら光魔法か?」
「光魔法は使えないの……。その……、リウは魔族だから……」
そんな制限があっただろうか?
少し不思議に思うが、リウがそういうなら今はそうなのかもしれない。
「それならどの属性を使ってるんだ?」
「闇魔法なの……」
回復魔法の威力を一番発揮しにくい闇魔法か……。
使えなくはないが、他でより高い効果が発揮できるのにもったいない気がする。
「闇属性ならこういう魔法を使ってはどうだ?」
漆黒の弾を生み出すとそれが大木に当たり、激しい音を鳴らしながら倒れていった。
「今のは闇の初級魔法、『闇の弾』だ。回復魔法が使えるリウなら簡単に使えると思うが、試してみるといい」
すでに使える可能性すら考慮していたのだが、リウの回答はマグナスの予想を大きくそれるものであった。
「その……リウは攻撃魔法が……使えないの」