第四十一話 大賢者、家の修復を始める(2)
鑑定使いの冒険者3巻が発売となります。詳しくは活動報告に書かせていただいております。
目の前には大量の木材が並んでいた。
ちょっと張り切りすぎて大量の木を切っているとリウが「こんなに必要なの?」と聞いてきて我に返る。
さすがにこれだけ多くの木は必要ないよな?
ただ切ってしまったものは仕方ないし、何かに利用できるかもしれない。
そう思っているとちょうどミリファリスが大工を連れてやってくる。
「マグナスさーん、言われてた大工さん連れてきましたよー」
「おう、この家を直すのか? せっかく大きな家なのにボロボロだな」
大工は早速家の中へと入っていった。
「ごめんなさいね。口は少し悪いんですけど、その分腕は確かなんですよ」
ミリファリスが先ほどの大工の態度を見て苦笑いしながら謝ってくる。
「いや、俺は気にしてないぞ。むしろこんなに早く連れてきてくれて感謝してるくらいだ」
これでしばらくしたら雨漏りとかを気にしなくてよくなるだろう。
「これは素材から集めないとダメだな」
大工が戻ってくると難しい顔を見せながらいってくる。
「素材から? ここにある木じゃ足りないのか?」
「足りないな。ただ直すだけならいけるが、元々結構いい家だったんだろうな。いくつかいい素材を使ってるが、それが傷んでしまってる。元どおりに戻すならその素材が必要だ」
「ちなみにそれはどんな素材だ?」
「まずはこの街から南にある大森林に生えているパルパレの大木だな。これは10本ほどあれば事足りる。ほかには港町に売ってる石灰土とオーク以上から取れた魔石も欲しいところだな」
「大木ならここにたくさんあるが?」
かなり多めにとってしまったので木材なら十分だと思っていたが、どうやら言いたいことはそういうことじゃないらしい。
「いや、パルパレの大木は柔軟性があるからな。また使う用途が違うんだ。元の家に戻そうとしたらどうしてもな」
せっかくならしっかりとした家にしてもらいたいもんな。
「わかった。素材の方は俺が集めてくるからその間にできるところを直しておいてくれるか?」
「あぁ、わかった」
大工に確認を取った後にミリファリスにお礼を言う。
「わざわざ頼んで悪かったな」
「いえ、マグナスさんのためですから」
にっこり微笑んでくれるミリファリス。
彼女に感謝したあと、マグナスたちは街中へと向かっていく。
商会へ戻るミリファリスを見送るとマグナスたちは門の外へとやってきた。
「マグナスさま、まずはどこからいくの?」
「まずはパルパレの大木かな。場所がわかってるし木はまず必要になるだろうからな」
あとはどこにあるか調べないといけないので少し面倒だ。
「うん、わかったの」
「なら少しだけくっついてろ。場所が離れてるから飛んでいくぞ」
リウが体を掴んでくるのを確認した後にマグナスは飛行魔法を使用した。
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