史実と作中世界のすり合わせ
意外と縄文・弥生時代が文化的な暮らしをしているらしい。本作品では転生・転移者を頻繁に送りこんでいる為、少しは時代の進み方が速いと推測される。ただ、石器時代に現代人を送り込んでも何も出来ずにお亡くなりになるパターンが多いだろうね。
とりあえず、それは置いといて縄文・弥生時代の生活について考えてみよう。
実際に遺跡を見にいって感じたのは、稲作をしている所は高床式の倉庫で作物を保管しているが、人数の割の倉庫が小さい気がする。伊勢神宮に現存する穀物倉庫は何を保管するのかと言うレベルで、せめて正倉院レベルの物を作って欲しいと思う。作中でも米・麦・大豆・小豆などを栽培しているが収穫時期が異なるので、上手くやり繰りしていたのだろうか?
恐らくでは有るが倉庫を管理しているのは村長で、一度作物を全て回収してから再分配すると言う、共産主義的なシステムが作られて居たと推測される。収穫した物は初回に分配して備蓄用又は翌年に撒く種もみを収納するのであれば、穀物庫の面積が小さいのも納得出来るが……
日本最大級と呼ばれる遺跡でも人口は千人ほどで、滋賀県の遺跡から推測すると大きな村の周りに衛星都市の様に集落が点在する。古代米は稲一束から取れる米が少ないため田んぼの面積が広くなり、そうなったと推測される。古代米の苗からどの位の米が取れるか分からないが、作中の東海三県(三河地方を除く)の米は現代米と言う設定なので食料事情はかなり良いと思われる。
では、食糧事情が改善されたら人口は増えるのだろうか?
縄文・弥生時代の日本人は装飾品と物々交換する余裕が有る事を考えると、古代の食糧事情はさほど悪くはなかったのでは無いだろうか。青銅器を作る鍛冶職人や木工職人がおり、農業に全ての人が従事していた訳ではなさそうだ。
現実的に考えると乳児の死亡率とお産で無くなる母親の事を考えると、医療が発達しないと人口の増加は急激には増えないと思う。しかしながら、病院で子供を産むようになったのは昭和中期からだと思うので、問題なのはお産そのものではなく、産後の弱った体に雑菌が入り込み病気を発症するケースが多いと思われる。おそらくでは有るが、日本神話のイザナミの死因もコレだろう。
お産の環境の改善は、医療の神である大国主の加入まで不可能か?
現代人で有れば、医療の心得が無くともお産の際の衛生環境の改善とかはしそうな気がするな。そうすると作中の人口は弥生時代の日本人口と言われる60万人よりは多少は多いと思われる。
縄文後期までは日本で一番人口の多い場所は関東で有りますが、今から約2900年前に富士山の大規模噴火が有り生活環境が大きく変わりました。それが原因で移住したのか静岡・愛知・岐阜の3県の人口が激増し弥生時代の最大勢力となります。二番目が近畿地方です。弥生時代は長いのでどの段階でと言う特定はできませんが、東海・近畿地方が弥生時代の最大勢力となり大和朝廷の下地が出来上がったのは間違いない。
近畿より東海地方の人口が多いのは濃尾平野の存在か静岡県・岐阜県の面積の広さが原因で有ると思われる。濃尾平野を押さえた物が天下を制するのは織田信長が証明しているし稲作に適した場所で有るのは間違いないだろう。
作中ではそれをふまえて開発が始まって居るので、米の生産量はそこそこ有る。(1千石=150万Kg)
いやいや、収穫し過ぎだろと思われるかも知れないが、実際には愛知・岐阜・三重で5万人以上は居るハズなので、その食を支えて居たとすると現実世界でも石高は東海三県で3万石位は生産していた可能性が有る。(人一人が一年で食べる米の量が一石=150kg)
これは古代人が米だけを喰って居た訳では無いので何とも言えないが、作中では生産量の多い現代米を使って居るので、人口×一石位は生産出来ると思う。
現在作中ではタケミカズチとフツヌシを関東に派遣していますが、東海地方に良い場所が有ると吹聴してくれれば史実通りに移住者を募れると思う。西日本に進出するのは移住者を待って人口と生産力に余裕が出来てからになりますね。