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明日から本気出す!!  作者: うつドン
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最初の仕事

 休職してから、症状はさらに悪くなった。

 夢をよく見るようになったし、それは大抵いい夢ではなかった。

 寝ぼけて、あかりに殴りかかったこともあった。それも一度ではなかった。

 よく眠れるように、病院では睡眠薬を処方された。しかし、すぐには改善されなかった。

 そうして、一、二ヶ月経った。

 会社から連絡があり、仕事に復帰することになる。もちろん、担当の営業には、うつ病のことは話してあった。

 その現場には、すでに会社の人間が派遣されていた。その先輩ができる人だったので、俺もトントン拍子で契約が決まり、派遣で行くことになった。

 しかし、一、二週間で休んでしまう。休んでしまったら、そのままズルズルと休んでしまうようになった。

 営業から電話があり、今後のことを相談したいからとその日は無理しても現場に出るように言われた。仕事はしなくてもいいから、とにかく行くだけ行って欲しいと。

 現場に行くと、まったく伝わっていなくて、普通に仕事をさせられた。

 昼休み、自社の先輩と二人で食事へ出た。そのときに先輩にうつ病のことを話した。どん引きだった。

 その先輩は、やけにうつ病に詳しく、一、二ヶ月ぐらいで治るような病気ではないと知っていた。

 うつ病のことを知っているのに、仕事に復帰させた営業担当者にどん引きしていた。

 食事は、俺とその先輩。そして、自社の営業担当者。それに、現場と自社の間に入っている会社の営業担当の四人ですることになった。

 ろくに食事をした気にはならなかった。話は結局のところ、仕事を休まずに頑張れという内容だった。

 話し合いでは、先輩が俺をフォローしてくれた。もし、またうつ病で休みが多くなったら、別の人間を俺の変わりにするということになった。

 食事という名の話し合いが終わり、現場へ戻るときも、先輩はいろいろと話してくれた。とにかく無理はしないでいいと言ってくれた。無理をするのは、うつ病によくないと。

 先輩は、あかりにも電話してくれて、奥さんは辛いだろうけど、支えてやって欲しいようなことを話してくれた。本当にいい人だった。

 だが、俺は翌日から仕事に行けなかった。先輩には申し訳がなかった。体が言うことをきいてくれなかった。どうしても、体と心のバランスが取れなかったのだ。

 そして俺は、また、しばらくの間、休職することになってしまった。


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