いじめ その1
しかし、小学校へ入学すると、心のずれはいつの間にか気にならなくなっていた。
好きじゃなかった友達と離れ、新しい友達ができたからだろうか。
当然、同じ幼稚園から進学した友達もたくさんいたが、幸いなことに同じクラスにはならなかった気がする。
こうして、俺は小学校生活を謳歌することができた。あるときまでは。
元々、人を笑わせることが好きだった俺は、その当時、本気でお笑い芸人になろうかと考えていたぐらいだ。
それが、一変する。原因はいじめだ。
小学三年、四年と幼稚園時代の好きでなかった友達と同じクラスになった。こっちが好きじゃないということは、向こうも俺に好意を持っていないということだ。
そして、それは四年生のときにますますひどくなった。俺にしてみては、特に何かした覚えはない。
突然、クラス全員からのいじめが始まった。正確には、いじめのリーダーがいて、それに従う感じだ。
しかし、ひどいときには首、腕、脚にプロレスの関節技を決められた状態でそれを周りでクラス全員が見ているということもあった。
それからというもの、たいした理由もなくいじめは続いた。
あるとき、演劇の発表会があった。俺は神様の役がやりたかったのだが、先生に却下され、コウノトリの役になった。
その劇は『カエルの王様』という話で、王様が欲しいカエルたちが神様に頼み込む。神様は丸太をカエルの王様にする。しかし、動きもしなければ、しゃべりもしない王様に嫌気が差し、神様に別の王様を頼む。その新しい王様がコウノトリだ。コウノトリはカエルの王様になるのだが、一匹のカエルを食べてしまう。そして、カエルたちは、王様なんていらなかったと嘆くという話だ。
今、思えばなんて話を小学生にやらせたのだろう。
そして、その劇の練習中に、あるクラスメイトを食べたということですら、俺をいじめる材料となった。そのクラスメイトの仇だと、俺にわざとぶつかってくる人間が大勢いたのを覚えている。




