檻とハゲ
一歳のころは、親によく檻に入れられた。
と、言ってもストーブの周りに近寄らないようにする柵だったらしいのだが、ストーブがなくなってもその柵が置いてあり、俺はその中にいた方が機嫌がよかったとか。
まるで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のジョーイおじさんだ。(ジョーイおじさんは、現代では刑務所に入っている。過去では檻の中が好きで入っている人物だ)ジョーイおじさんよろしく俺も、刑務所に入ったらどうする気だ。
三歳には、弟が生まれるからと、親戚に預けられた。そこで、頭を切る怪我をすることになる。
風呂に入る前に、トイレに入る。親戚の家は、トイレから風呂まで、距離があった。
「風呂はすべるから、走って入っちゃダメだよ!」
「はーい!」
俺は廊下を全速力で走って、風呂場に脚を踏み入れた。その瞬間、目の前が真っ暗になった。
気がついたら、頭を縫われていた。どうやら、俺は風呂場のふちに頭を打ちつけて、気を失ったらしい。
今でも頭には、その傷が残っている。頭の傷なので、ハゲになっている。おかげで、俺は人生で一度も坊主にしたことがない。坊主どころか、スポーツ刈りのような短い髪型にしたことがない。短くすると、ハゲが目立つからだ。
この出来事に関しては、完全に俺が悪い。馬鹿にもほどがある。
子どもを持つようになって考えると、どういう状況だったんだろうと、恐ろしくなる。もし、自分の子どもを預けていて、同じことになったらどうするだろう。
たぶん、預けている家に、怒鳴り込みに行くかも知れない。
そんな状況を作り上げてしまった自分に呆れるしかない。




