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二重召喚陣  作者: 大本晶
10/15

10話

前話同様、三人は街に向けてのんびり歩いていた

そんな中、エリシャは二つ違和感を覚えていた。一つはヒロに、もう一つはこの道に

今朝には感じられなかったはずのヒロから魔力を感じること。この道にモンスターが一切でないこと。

ヒロに関しては早朝から食事までの間に何かあったのだろう

が、モンスターに関しては明らかに異常だ。どんなに少なくても何かしら出てくるのにそれが無い。何か起こってるのか

そんなエリシャの様子を察し、ヒロがたずねる


「そんな考え込んで、どうした?」

「いや、モンスターが出ないと思ってねぇ」

「駄目なんですか?」

「変、ではあるねぇ。まぁ、考えても仕方ないよ。それよりもヒロ、あんたこそ魔力を感じるけどどうしたんだい?」


逆にたずねられ返されたヒロは朝のことをそのまま話す


「―――ってことがあったんだよ」

「へ~、それであんたから魔力が感じられるんだねぇ」

「そういえば朝のときより魔力が強くなってますね」

「強くなってんのか?」

「はい。きっと朝ので魔力が覚醒したんですね」


魔力を動かすことで体がそれをより扱うことができるように働き出した、ということだろうか?


「この際だから、試したらどうだい?魔術を」

「そうだな、やってみるか。で、どうやるんだ?」

「魔力を動かすことはできていましたし、体外に打ち出してみましょうか」

「打ち出す?」

「はい」


簡単に説明すると、魔術は『イメージ×魔力操作力×魔力量とそれを行うための精神力』で使えるらしい

打ち出すだけのコレは自分の魔力の属性がそのまま出るから俺の属性もわかるかもしれないそうだ

ちなみに身体強化系は方式に『×身体能力』を加えたものだそうだ。

中二的なもでいう詠唱もイメージの強化や固定化のためによく使われるようだ


「コレが一番初めに私達がならう最も簡単な魔術なんですよ」

「ただ集めて出すだけの単純なものだしねぇ。それよりもあたしはヒロの属性がわからないことに驚きだよ」

「それはいいとして、とりあえずやってみるわ」


言葉どうりヒロは魔力を集めてみる。打ち出すというのでとりあえず手を前に出しその手に集まるようにして

手の方向はちゃんと人のいないことを確認したうえで自分から10メートルくらい前の地面を狙うようにしてある


球体にしてそのまま飛ばすイメージを元に体の中を魔力を動かし手のひらに収束させるが、どれくらいの魔力を集めればいいのかわからないためにその魔力量はかなりのものになっていた

フィリアとエリシャの二人はヒロの様子を見ていたがその魔力の量に驚き唖然とするも急いで止めようとするも


「ちょ、ちょっとヒロ!」「ヒロさんまってください!」

「え?」


止めるのが少し遅かった。いやむしろ、その制止の声でヒロは気が抜けて魔力を飛ばしてしまった

飛ばした魔力はしっかりとした球体を作り飛んでいった

その魔力は無色透明であったがドガァという音と共に確かに地面を穿った

しかしそれは地面につく直前までにかなり空気中に霧散し、込めた魔力量には到底見合わないものだった


「「・・・?」」

「おお!・・・ってあれ?どうした?」


魔術が成功したと喜ぶヒロに対してフィリアとエリシャは事の不可解さに頭に?を生やしている

実際、アレだけの魔力を込めれば普通は初歩の初歩とはいえ道の大半を吹き飛ばしかねない威力が出ていたはずなのに、結果は地面を抉る程度にとどまったのだ

しかもそれだけでなく、飛んでいった魔力が無色透明であることやアレだけの魔力を出したのにもかかわらず平然としていることにも疑問が


「本当にできるとは・・・」

「でも、こいつぁいったいどういうことだい?」

「おそらく、ヒロさんの魔力はマナに近いと感じましたので、霧散したのはたぶんそれが関係していると思います」

「そりゃ、無色透明だったのもかい?」

「はい。魔力量はそのままだと思いますけど・・・」

「信じがたいねぇ」

「・・・」


エリシャとフィリアはこの結果に対し語らっているがその当の本人は蚊帳の外である

とゆーか、できないと思ってたのかよ


「異世界人だからなのかわかりませんが異常です」

「そうだねぇ。あまり人には見せないほうがいいねぇ、こりゃぁ」

「では魔術は・・・」

「放出系は駄目だねぇ」

「では身体強化系を・・・」

「それも属性付与なしの・・・」


話が終わったと同時に一斉にこちらを見る二人。なんだか微妙に目が怖い


「聞いてたと思うけど、あんたの魔力は異常なんだよ」

「なので、放出系の魔術は人前では使ってはいけません」

「まぁ、あんたの魔力は地面につく前に空気中で霧散していたことから、元々それには向かなかったと思うよ」

「使うとしたら身体強化系の魔術だけにしたほうがいいんです」


『人は理解できないものに恐怖を抱くから』『人に余計な疑念を持たれるから』

色々考えられるが、つまりはそういったことだろう


「わかった。まぁ、俺も何かを飛ばしたりするのは柄じゃないしな。体動かすほうが向いてる」


コレは本心だ。魔術で派手に攻撃するのに憧れが無いわけじゃあないが

ゲームとかでいういわゆる戦士とかの前衛職のほうが向いてるしそっちのほうが好きだ


「本当かい?」

「ああ」


二人の目をみて肯定する俺に二人もそれが本心だと理解したようだ

使うなと言われて落ち込んでるとでも思ったのだろう二人の少し暗い雰囲気も軽く飛んでいったようだ


「それじゃあ、そっちのほうを教えてくれ」

「わかりました。といっても魔力を体にめぐらして強くなるってイメージするだけなんですけどね」

「え、それだけ?」

「第一ステップが、だよ」


第二ステップに一定の部位に重点的に送れるように

第三ステップにどんな風に強くするか。たとえばスピードを、パワーを、タフネスを、とか

第四ステップに属性付与。コレはできないな

第五ステップに一定の部位に第三・四ステップのをできるように

とのことらしい。どれも維持することが最も重要で、第五までできるようになるにはかなりの修練が必要らしい


「よし。やってみるか」


そう意気込んだと同時に何かが木々を斬り飛ばしながら猛スピードで轟音と共に道に飛び出してきた


「なんぞ?」

「な、なんですかぁ?」

「こいつは・・・」


そいつは30メートルくらい先に躍り出ていて、見た目が完全に蟷螂である、かなり巨大な。

フィリアは轟音とモンスターにびびって声が上ずっていた。エリシャはコイツに見覚えがあるのか絶句状態


「コイツは?」

「ギガントマンティスだよ」

「ギ、ギガントマンティスってあの・・・」

「他のモンスターが出てこないわけだよ。こんな化け物がいるんだから・・・」


二人は冷や汗を大量に掻いている。フィリアなんか青ざめてる。キングゴブリンでモンスターにトラウマ持っちゃったんじゃないか

そんな二人の様子にコイツの強さがうかがい知れる。

が、魔力を使えるようになったからかキングゴブリンのときほど恐怖を感じない。むしろ、強くは見えない


「身体強化を試してくるわ」

「はぁ!?」

「ええ!?本気ですか?」


二人の驚きの声をバックに聞きながら蟷螂に向かってスタスタと歩く。歩きながら全身に魔力を行き渡らせる

20メートルくらいまで近づいたところで蟷螂がことらの存在に気づいた。近づく俺に威嚇をしている


「モンスターっていうよりクリーチャーだなこりゃ」


その言葉どうりギガントマンティスはモンスターなんて生易しい表現の似合わない全長8メートルくらいの刃物より斬れそうな鎌が特徴的な生々しく不気味な化け物だった

蟷螂は威嚇しながらヒロの行動をジッと観察している

蟷螂が威嚇体勢のまま動かないのでヒロは見つかった場所から動かずその場で軽くジャンプしながら身体強化の感覚に自分の体を慣れさせる


「よし、こんなもんか」


ある程度強化した感覚をジャンプで掴んだヒロはようやく戦闘態勢に入る。それと同時にその場の空気が重いものに変わる

両者のにらみ合いの中、先に動いたのはヒロの方だった

ヒロは20メートルの距離をいっきにつめる

蟷螂はヒロの猛スピードにあわせるように右鎌を斜めに振り下ろす

ヒロはスピードを殺さぬよう飛ぶようにして避け、そのまま蟷螂の懐を思いっきり殴り飛ばす

バキィという音と共に蟷螂は数十メートル後方に吹き飛ばされる

よく見れば殴った甲殻の部分が粉々になりドロドロとした緑色の液体が漏れ出していた

たいていの生き物ならこの時点で戦闘にかなり支障をきたすのだが昆虫なだけあってかいまだに敵意むき出しで起き上がる。いやむしろ、より殺意が強まっているようだ

起き上がると同時に蟷螂は羽を使い空を飛ぶ。

助走をつけることでかなりのスピードだし、ヒロ目掛けて突撃してくる

当然、接近と同時に鎌を使い斬り付けて来る

ヒロはそれを横に飛ぶことで避ける

蟷螂は空中で旋回しもう一度こちらに向けて飛んでくる

今度は鎌の動きを見極めるためにギリギリまでひきつけてから横に飛ぶ

蟷螂はこのままでは倒せないと思ったのか更にスピード上げ突っ込んでくる

さっき見極めたことにより鎌の動きをはっきり捉えることができ完全に避けきる

そして、その後に来る足を殴る勢いで掴みいっきに引っ張る

相当の強さと勢いで掴んで引っ張ったことによりその足がもげ飛ぶ

しかし、さすがに体重が足りず体を少し持っていかれバランスを崩し倒れる

すぐに起き上がり蟷螂のほうを見るとちょうど墜落するのがみえた

掴まれたことと足がなくなったことでバランスを崩したのだろう

このチャンスを逃すまいとすぐに後ろを向いてる蟷螂に接近する

蟷螂は墜落した衝撃のせいかかなりふらつきながら鎌を地面につけ起き上がろうとしていた

ヒロは後ろから接近して背中に飛び乗り、そのまま最初に殴った場所の裏側を殴りつける

そうすると今度は粉々になるどころかその部分を基点に胴体が真っ二つになるように吹き飛んでいた

蟷螂だったものが力を失い崩れ落ちる。胴体の上半分も体のすぐ近くに転がっている

当然ながら緑色の体液も周りに撒き散らされている

蟷螂が完全に死んだことを確認し一息つく


「ふぅ・・・こんなもんか」


なんとも気の抜けた言葉と共にこの世界に来て初めての魔力を使った戦闘が終了した

慣れない戦闘シーンでした

いかも、かない急な・・・


まぁ、勢いと気分で書いてますし

矛盾とかあんま気にしない方向で


「別に構わないよ(´・c_,・` )」

っていう奇特な人の暇つぶしにでもなってくれればいいな・・・(´・ω・`)

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