表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

三日目 2025.7.31

『源氏物語』と友達になる。三日目 2025.7.31


 この日記を始めてすぐ、モンテーニュの『エセー』でやればよかったかな、と、思った。


 たぶん、『源氏』は正解選択なんだけど、昔、浪人していた時に和歌山の市立図書館で読んでいた『エセー』を思い出して、そう惑った。


 自転車をこいで、市立図書館でみじめな浪人生活を送っていたのが懐かしい。鬱だったし、あれほど苦しいことはない。


 麻痺した脳で、もがきながら、本に助けを求めて、『エセー』を読んでいた。


【新出単語とか】


・よし……情趣、たしなみ

・もてなす……執り行う

・めづらかなり……普通と違う

・寄せ重く……後見がしっかりしていて

・上ずめかす……貴人らしく見える

・わりなく……道理なく

・ゆゑある……理由、由緒、趣がある

・ふしぶし……時々

・あながちなり……むりやり

・御前さらず……主君のそばを離れない(特別の寵愛を受ける)


【今回読んだ範囲】


 始め「父の大納言は亡く成りて、母北の方なん……」


 終わり「……この御方の諌めをのみぞ猶わづらはしう心ぐるしう思ひきこえさせたまひける」


【考えたこと】


 帝の、子供を早くみたいという描写「いつしかと心もとながらせ給ひて」の「いつしか」、「心もとながらす」の音の感じがすごい素敵だ。今の日本語にはないのに、どちらも今の日本語に残っている。


 いつしか=いつになったら(産まれるんだ)。心もとなし=じれったい(心配だ)


 間延びする和語が、意味を伝える前に、音で雰囲気や感情、メタな思い、書き手の気持ちを表している。


 わたくし物=私生児にする、というのも、実に人の気持ちが入り込んでいる。意味としての「私」ではなく、「わたくし」という言葉が持つ、極めて「プライベート」な語感にくすぐられる。


 好きなもの、美しいものを愛でる帝は、諌めを受ければ反省するのに、それでも桐壺のことを寵愛せずにはいられない。


 反感や不和を引き起こすことがわかっていてさえ、である。帝は単なる公的な存在というだけではない。でも私的に振る舞えるのは、その時代公的な権力を持っている存在だけ。夏空を見上げる感がある。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ