十八日目 2025.8.16
『源氏物語』と友達になる。十八日目 2025.8.16
夏になったので「AIR」の「鳥の詩」を聴いている。
空を仰いで、夏を感じる。綺麗な空でなくても、夏空は夏空だ。飛ぶ事は期待できない。でも歩く事は夏に続く。
陽炎が自分に適用されると、僕の精神が浮かび上がってくる。今まで感じることのできなかった感情が、ゆらりゆらめく。悲しみであることが多い。
暑さは、悼む気持ちを、自然に心に浮ばせる。空の遠さにかこつけて、過去の自分の魂を鎮める。
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今日は一日、吉祥寺にいた。
クゥーチャイというタイ料理屋さんで昼ごはんを食べる。小さい頃タイにいたことがあるからかはわからないけど、タイ料理は好きだ。カオマンガイとグリーンカレー。ご飯大盛り。あまりに美味しくて何度もうなずいた。
本屋を五、六軒はしごして、それから帽子を買った。先日給料日だったからできるわざ。
新刊書も買ったけど、「防波堤」をはじめとする古本屋には、かなりうならされる。「防波堤」で二冊、「よみた屋」でも二冊買った。
歩きながら友達に久々に連絡をした。仕事が決まって初日だという。彼とは時々緊張関係にあるから、連絡をするのも時には面倒なんだけど、いろいろ理由をつけて連絡しないと、その理由がまるで「正当」かのように思えてくる。
そんなことない。それは単に僕が思い込んでいるだけだ。
【新出単語とか】
・まうく……嫌だ
・よそほし……儀式などが立派で荘厳
・響き……世間の評判
・念ず……我慢する
・取り返し……改めて
・きびは……髪上げ前の幼くてか弱い
【今回読んだ範囲】
元服
始め「この君の御童姿、いと変へまうくおぼせど……」
終わり「……あさましううつくしげさ添ひ給へり。」
【考えたこと】
若さ、可愛らしさ、か弱さへの価値置きは、昔からそうらしい。容貌という点では、若さに如くものはないけど、成熟を評価しない風潮は、とても面白い。
いつまでも庇護下に置いておきたいという思いの表れなのか、成熟した息子に刃を向けられることへの、逆オイディプス的な忌避感なのか。
ここ(元服のシーン)では、もちろん単純な可愛さの不可逆的な喪失を描いているのだけど、