回収
態度を咎められた纏と呼ばれる少年は不服そうに声を漏らす。
「だって友達出来てたかもしんないんだよ」
「おい いとことはいえ一応上官だぞ。職務中は敬語を遣え。」
「美鈴ちゃん厳しすぎでしょ〜。高校生にとって転校って一大事よ?」
「隊長な。今転校の話はしてない。いつも通り亡獣はお前が倒せ。私が感知するから。」
「はーい。」
「『 追尋円 』」
彼女は目を閉じ
先程の言葉通り校内の感知を始める。
「纏。」
「ほーい。体育館と職員室、理科室に一体ずつね。
5分で帰ってくるー!」
快活に答える少年はもう姿を消していた。
「さて、生存者は2名...か。早く行ってやらないとな。」
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「はい!終わり!」
1人体育館でそう高らかに宣言する少年の声が反響していた。
「にしても綺麗な学校だったんだろうな〜。もう色々とボロボロだけど。」
そう呑気につぶやく足元には
首を切断されたウシ型の化け物が転がり、崩れていた。
「っていうか怨牛まで湧いてんのやばいな〜。よっぽど質のいい『魁』でも溜まってたのか?」
体育館から出ても彼の独り言は続く。
「美鈴ちゃんは生存者の保護に回ってるだろうし俺は校内散策と洒落こみますかね〜。」
下駄の音を鳴らし、上着を着直しながらのんびりと歩を進める。
そんな彼の散策が5分ほど続き、そろそろ金陵と合流しようかと考え出した頃。
目の前の光景に彼は足をつい止めていた。
「恨葵の戦闘痕、、」
その場所は白刃達が戦った向日葵の化け物のいた中庭であった。
「(大木檻を使った形跡がある、、
追い詰められてる証拠だ。
アレは1度発生すると滅多に動かない。
ここにいないってことは誰かが殺したのか、、)」
少年は溢れ出る笑みを抑えることもせず
「会ってみてえなぁ。」
と、ここにはいない化け物と対峙した者への興味をこぼし、
金陵のいる正門まで走り出していた。
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「---幼界の検証・亡獣の排除と生存者の保護は完了した。5番隊の派遣を頼む。あとそれから---」
「みーすーずーちゃーーーん!!生存者どこー!!??」
金陵は頭を抱えながら報告を続ける。
「はぁ、、生存者両名に影打覚醒の形跡あり。詳細はおって報告する。以上で現場より帰還する。」
通信を切断し金陵は彼を冷めた目で見る。
「お前緊張感が無さすぎるぞ。一応まだ幼界の中だからな。」
「でも湧いてた亡獣は全部倒したし
帰還だけだよ後。
それより生存者は!?」
「先に待機してた隊員に預けて本部に搬送してる。
死んでは無いが2人とも意識不明だ。
私達も帰るぞ。」
「あらら意識失ってるのね。りょーかい!」
「珍しいな。お前がそこまで興味持つとは。理由はなんとなく察してはいるが。」
「早く会いたいんだよね〜。多分どっちか才能の塊だよ。」
「どっちかじゃない。」
「え?」
「両方だ。」
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「.....ん.....?」
白刃願が目を覚ますと目に入ったのは見知らぬ天井であった。
「ここどこだ?」




