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強欲と英雄  作者: とろろ
第三章 転変動乱
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夜戦④


「あいつの能力は多分ですけど『解錠』です」

「なんでそうなッた。」

「詳しくききます?」

「いやァ、いい。どう殺す」

「隙作るのでどうぞ。ちょっと協力は欲しいですけど」


2人は箕島の攻撃を捌きながら方針を決める。


箕島の苛立ちは既に頂点まで来ていた。

自らの仕事を邪魔され、

歳上に敬意は払わず、

己のファッションをコケにされ

あろうことか使用するつもりもなかった『綯初』まで解放している。


その苛立ちは、そのまま言葉へ


「まだ指導は終わってないのですが。」

「された覚えねえよ馬鹿。」

「死に面拝ませろォ。」


「殺す!!今世・六道!!」

「『貫け』」


鬼飼にはその光景が大層奇妙に見えた。


箕島と白刃が同時に動く。

白刃は小太刀の投擲

箕島は目の前の空間に対してナイフによる斬撃。


白刃の飛ばした小太刀は、箕島の目の前で、何かに刺さったかのように動きを止めていた。


「ブル先輩!終わってねえ!」


ここにおける終了は箕島の行動を指す。


「求道槌・虚空(からのそら)


箕島ナイフの柄で目の前に求道槌を打ち込む。


嫌な予感に従い、白刃・鬼飼両名はすぐさま各々の回避を行う。


轟音とともに飛来した何かが本部外壁を突き破り建物へと激突する。

本部を取り囲むように作られている外壁にはぽっかり穴が空いていた。


「....見えたかァ?あれ求道槌の威力かよォ」

「見えてないけどタネはわかります。とにかくあいつが能力を使用したら直線上にいないようにしてください。」

「わかッた。 衆合・発」


鬼が全力で箕島へと駆け出す。

その姿を見て箕島は即警戒体制へと入り、ナイフを鬼へと振るう。


しかし


「残念だったなァ。」


本来鬼が通っていたはずの空間には何もおらず

ワンテンポ遅れて鬼飼が全力で蹴りをいれる。


「虚独!!」

「『燃えろ』」


すり抜ける能力の発動を待っていたかのように

箕島の足元にばらまかれた門の端材が火を上げる。


「鉄製品が燃えるわけないだろう!!!」

「それ言うなら空気が固定されるわけもねえだろうが」


「(とはいえ、今の状況は少しまずい)」


隙を作れば鬼飼がトドメを刺す。

これは白刃が箕島の隙を作れる前提の話であり、

ある事実に対し白刃はボヤく。


「互いの能力が干渉すると負けるんだよなぁ」

「おや、気づいたのですか。」


独り言に帰ってきた返事の方を向くと、

立ち上っていたはずの炎が空間ごと固定され、箕島はその上で白刃を見下していた。


「(俺の出した指示は『貫け』だ。

なのにあいつが固めた空気で止まりやがった。

なにか条件があるのか?)」


「能力..魁具土命..真打..知らねえことばかりだ。

知らねえもんを土台に勝負はできねえ。

なんであいつに俺の攻撃は通じなくなった。ブル先輩のは効いてる。干渉できるんだ。共通点は?魁量?いや違う。確かに2人とも途中で扱う魁が増えたが俺の方が多い。出力の差か?なら---」


「なるほど。君を放置すると困りますね。」

「余所見してんじゃねェよ!!」


鬼飼の攻撃をギリギリで躱し、


「『玉石混交』」

「ァ??」


鬼飼に触れたと思うと、鬼飼から周囲1mほどに、箕島の魁が満ち、固まっていた。


「この技は私の能力を少し強めにかけた状態です。」

「内容としては10分間全てにおいて一切の干渉の禁止。」

「貴方は後回しということです。」


叫びながら空間を叩く鬼飼の姿が見える。

どうやら声なども干渉できなくなるらしい。

少しづつだが視認も難しくなるように白刃は感じていた。


「面倒な能力だな」

「お互い様でしょう。ただ、まだ貴方は知らない様子なので。」


「『貫け』!!」

「今世」


「わかっているでしょう?今の貴方では私に攻撃は通りません。」

「クソが.....」


「それでは始めましょうか。指導です。」


----


「結〜着いてきてる?」

「はい」


黒花は今回の襲撃に対し、竜胆全体で決まった


・他全戦闘員は魁具土命の一時的使用を全面的に許可。対敵即戦闘とする


このルールに唯一適さない隊員であり、黒花を連れ暗闇を駆ける、ルールに唯一適していない隊長 柊一に従属していた。


現在この2名のみが別行動を起こしているのには理由がある。


対応方針決定の場で上がった懸念点は、

「敵の数もその強さもわかっていない」ことであり、こちらの対応も急務であった。


「私が行くよ。」

「総隊長、しかし」

「時間がない。熾織が狙われてる。敵の数は最低1かつ私の戦い方は守りに向いて無さすぎるんだよ。」


金陵は少し考え込み、言葉を発した。


「ならせめて、黒花・朱璃どちらかを護衛につけてください。」

「なら結だね。行くよ結。」

「わかりました」

「えー!!一ちゃん俺じゃないの?」

「能力の相性差だ。火簾の護衛を私とお前でする」


というわけで黒花は柊の護衛として同行する流れとなったのだった。


「(圧倒的に強いんだからいらない気もするけど)」

「そうなんだよ〜結。美鈴も私を守るためってより私に戦わせないためにつけてるからね護衛って言ってたけど」


少し驚きながらもペースを落とさず走り続ける。


「一さん。心読むのやめてください」

「そう思ってそうな顔だったからさ〜」

「どんな顔ですか」

「あ、そうだ言っとかないと。結ね、真打最初から覚醒してるよ。珍し〜ね〜。歴代で2人目だよ」

少し黙り、黒花は返す。

「ここでも2人目ですか」

「夢喰と話したんだね。その1人目であってるよ。」

「まぁなんとなく理由としては察しが着きますよね」

「さっすが素晴らしい。だからばりばり戦ってね。」

「それはいいですけど...連れてきたのそれが理由ですか?」

「いや〜纏でも良かったんだけどね。綯初を教えればいいし」


と告げ、金陵が訓練場にて、火簾・朱璃に話した内容と同じ内容を話し出す。


「..って感じ!できそう?」

「行けると思います。」

「さっすが〜1番狂ってるだけあるね」

「狂ってないですよ。のんちゃんに比べたらマシです」

「願は狂ってるってより異質なんだよね〜...っとお喋りはここで終わりだね。来たよ。」


「巡六花」

「しーちゃん。橡」

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