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強欲と英雄  作者: とろろ
第二章 奇々怪界
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戦変


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「結ちゃんと願もなんか技つくったら?」


ある日、訓練所にて4人が訓練を終え雑談の際唐突に朱璃は問いかけた。


「前も言ってたけど意味あんのかそれ?」


「あるよ〜『魁』ってこうしたい!ってのが原動力だから先に決めた動きに名前付けておくと出力がスムーズになりやすいんだって。願くんなら命令2個連続で出すのが早くなるとかそういう効果があると思うよ。」


そう火簾が黒花に抱きつきながら続く。


「そう聞いたら意味あるように思えるが....俺は結構操作するものも出す命令もバラバラな時が多いからなぁ。魁具土命使う時は小太刀経由で命令するから多少楽になってるけど」


「アドリブ効く人は一長一短かもねぇ。」


「願も気軽に作ればいいんだよ。俺はその方がテンション上がるし。」


「そうだな〜。考えておくよ。」


「私もそうしようかな。」


そう膝に乗せられた火簾の頭を撫でながら黒花がつぶやくと


「あ、結ちゃんみたいな能力と結ちゃんの『魁量』ならこんなやり方もあるよ!」


とその火簾が続く。


----


「しーちゃんお願い!」


生き物かのように黒い蔓が3人を攫い駅のホームまで移動させる。


能力への名付け


能力を経由したアクションに名前をつけるのではなく、能力そのものに名前をつけ能力に指示を出す感覚で操る。能力を操る際に名前を呼ぶなどのアクションが挟まるため、消費する『魁』は増えてしまうが、能力の影響範囲を広げることが出来る。


これにより、黒花の能力で出される蔓の量は増え本来より固く、ある程度の時間体から切り離しても動かすことが可能となった。


「なるほど。非常に優秀な方ですね。でも心配されずとも一般人は狙いませんよ。」


駅のホームまで素直に運ばれながら東雲は笑う。


「どうだか」


黒花はそう返し、次の手へと移行する。


「しーちゃん!」


駅のホームまで辿り着き、黒い蔓は2人から離れ、東雲を覆い潰さんとする。


「纏君!」


「任された!」


その蔓により完成したドームに朱璃は駆け出し、思い切り蹴りこみを入れる。


「あらあら、これは効きますね。」


吹き飛びながらその黒い蔓が内側から爆ぜるように弾け、霧散する。


そのままふわりと地面に降り立ち東雲は妖艶に嗤う。


「こちらも少し引き締めていきましょうか。あなた達の組織では...魁具土命と呼ばれるのでしたかね?」


と、東雲は左手をふたりへと向け語り出す。


2人は総毛立ち、後退しながら叫ぶ。

結果。ほぼ同時に三者とも同じ行動を起こす。


「『夢も(うつつ)も断て』」


「『その道を往け』!!!」

「『笑って魅せて』!!!」


---


朱璃・黒花と東雲の戦闘開始より少し前


「しつこい蛇だなっ...!!」


「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎」


「願君!」


白刃・火簾の戦いも熾烈を極めていた。

蛇の体は切り刻まれ、焼かれ爛れてところどころ穴も空いており苦しそうにしている。ただ倒れる気配はなく2人を襲う。


白刃を襲う電撃を火簾が炎で拾い上げ距離を開ける。


「これきっついねぇ〜。」


「ギミックってよりHPが高い敵って感じだな。じりじりこっちの『魁』も削られてる。」


2人は警戒しつつ愚痴を垂れ流す。


「熾織。」


「ん?」


「俺の攻撃に炎纏わせられるか?」


「形が変じゃなければ!」


「よし。頼む。合図はその時出す。準備に2分くれ。」


「その間一人で捌けばいいのね。」


「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎」


壱陽燕(ひとびつばめ)


電撃を小さな炎の軍勢が叩き落とす。


白刃はその時既に準備のため走り出していた。


「HPが高いタイプ。動きとしては遅く攻撃の電撃も電気の性質を持っているだけ。視認してから回避可能。顔周りへの攻撃は電撃で受け止められてる。弱点の可能性が高い。攻撃と詠唱に0.5秒ほどラグがある。炎は効く。熾織の攻撃と混ぜるなら」


既にその口からは思考の残滓が漏れ出していた。


次々に瓦礫や看板に触れ白刃は戦場を駆け回る。

能力発動限界数を迎え用意が終わりタイミングを伺う。


「◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎」


火簾を真正面に捉え蛇が電撃を構える。


離翼遊(りょくゆう)


火簾の背後から複数の瓦礫が蛇へと飛来。蛇の顔の真下にぶつかり怯ませる。ただそれだけではなくその瓦礫は蛇の顔を顎の下からカチ上げた。


「白遊」


周囲から瓦礫や鉄製の看板が蛇の真上へと運ばれ、捻れ、その切先を蛇へと向ける。


「熾織!」


峰下織淵(みねくだるおりのふち)


燭台の炎が勢いをましながら全て空中に浮かぶ槍の鋒へと向かい、燃え上がり巨大な槍のような形を宿す。


「じゃあなクソ蛇。」


燃え盛る槍がその身体を貫き灰へと変えていた。


----|


「ふ〜〜つっかれたね〜」


火簾はその場に座り込みながら白刃へと声をかける。


「助かった熾織。」

「いえいえ」


「でも座るには早い。」


「確かに、南口にも行かなきゃだもんね」

「いや、違う。」


「もうひとりいる。」

「え?」


そして白刃は振り返り視界に捕える。


「やっぱり強いね〜白刃願くん?」


ただ楽しそうな無邪気な悪意を。


日本非公式対亡獣制圧組合『竜胆』に遺された記録


亡獣:堕蛇

体長:25m

幅:4m

特徴:口の中に顔を持つ巨大な蛇

攻撃手段:巨体を用いた物理攻撃

口の中の顔から放たれる電撃。

特殊能力自体は低いが体力が多く長期戦は不利。

速攻を用いての討伐を強く推奨

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