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強欲と英雄  作者: とろろ
第二章 奇々怪界
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異変③


「纏 願 任務ご苦労だった。疲れているところ悪いが第三級幼界に泣蜘蛛が出た件も合わせて報告を頼む。」


白刃達は幼界から帰還し金陵へと報告を行っていた。


「はい。今回の幼界では被害者30名に対し生存者12名。うち8名が重軽傷を負ってます。排除した亡獣は2体。その後帰還直前に泣蜘蛛の乱入あり。排除しました。気になるのは泣蜘蛛は本来第二級幼界にのみ発現する事ですかね。」


「12人も生き残ったのか。急行させたかいがあったな。泣蜘蛛については願の言う通り本部で四番隊隊長の取得したデータを踏まえて現在調査中だ。他に怪しいところはなかったか?」


「なかったよ〜〜。あ、ちょっと『魁』の密度が高い幼界だったかも。」


「纏..はぁ。わかった。そちらも取得されたデータと一致している。ご苦労だった。下がってくれ。」


報告とは思えない喋り方をするいとこへの説教を諦め、金陵は退室を2人に促した。


----


「それで願くんと纏で泣蜘蛛倒したんだ。すご〜い!あ、『魁』をもうちょっと薄く広げて。イメージとしては視界全部ぼんやり見ようとする感じだよ。」


「魁具土神の使用も許可されてたからな。わかった。ありがと。」


今白刃は火簾から『追尋円』を教わっている最中だった。最初は黒花に聞いてみたのだが黒花は任務中に1ヶ月かけてもできなかったとの事だった。


「こればかりは才能なんだ。出来るようになる隊士は3日で掴むし、出来ないなら1ヶ月かけても成長がない。」


そう金陵が苦笑しながら発した言葉を思い出し黒花は出来ない側だったのだろうな。と結論を出す。


「火簾は...」

「熾織がいいっていったじゃん。」


「...熾織は任務どうだ。特に俺たちみたいなことはなかったのか?」


と言葉をなげかける。


「びっくり。願くん結ちゃんにしか興味ないと思ってた。」


「俺をなんだと思ってんだ。まだ数ヶ月だが仲間だろ。危険なんかない方がいいに決まってる。」


「そだね〜。特に問題はないよ。結ちゃんも十分活躍してるし私もそこそこ強いし?でも結ちゃんは願くんと一緒に任務行きたがってるみたいだけど。」


悲しいな~と笑いながら火簾はそう答える。


「そうか、問題ないならよかった。なぁ熾織、これくらい薄くでいいか?」


「ちょーどいいくらいだね。あとは『魁』から情報を拾うんだけどここが難しいんだよね~。肌に当たったものの硬さとか形がなんとな~くわかるイメージの延長線かな。目閉じて私のいる位置がわかったら使えるようになってるよ。」


言われるがままに白刃は目を閉じ広げた『魁』から情報を得ようとする。


「どう?わかる?」


「熾織のいる方から変な感じはするな。なんか触られてる感じ。」


「お、じゃあ行けそうだね。結ちゃんはそこで断念だったから。」


「諦めさせるの大変だっただろ」


「よくわかったね。」


「腐れ縁なもんでな。」


目を開け白刃はその場から立ち上がり火簾に問いかける。


「この後どうすんだ?今日はもう任務も出てないんだろ。」


「この後結ちゃんの部屋で恋バナするの!願くんもくる?」


「いかねえよ」


----


同刻

総隊長室では2人の隊長が柊へと報告を行っていた。


「金陵君とも私が採取させたデータを揃えて確認したのですが件の第三級幼界は「分からない」が答えになりそうですな。多少『魁』の濃い幼界ではありましたが...

ただ一つ言い切れるのが、あの第三級幼界では泣蜘蛛が発現できるほどの『魁』は残ってなかったってことですわな。そこも含めて現状わからないことしかありません。」


「ありがと~。調(しらべ)


「いえ、これくらいならいつでも。」


調と呼ばれた男。四番隊隊長の綺堂 調(きどう ちょう)はうなずいた。


「綺堂隊長のおっしゃったとおり現状解決策がない以上サンプルを集めるしかないと考えます。幸いもう少しで北海道に発生した幼界の制圧に当たっていた三番隊・五番隊も帰還します。遠征中に五番隊の戌亥隊士が能力使用過多で転送による帰還が不可となり一週間ほど帰還が遅れるとのことですが...」


「うんうん。北海道の幼界でも今回の事例はなかったらしいしね~~。帰ってきたら最近増えている関東全域への幼界への対策を厚めにしようか。」


「「承知いたしました。」」


「うんうん。調。美鈴。よろしくね。」


2人の隊長の退室後、柊はただ一人、


「なんかすっごい嫌な予感するな~~~」


と煙とともに吐き出していた。


----


白刃と朱璃が金陵に報告を行っていた頃、横浜港にて


「うわ〜すごいボロボロ。」


「本当ですね。」


一組の制服姿少年少女が『竜胆』にて綺麗に修復されたはずの戦場にいた。


少年は緩く着崩されたブレザー

少女はミニスカートのセーラー服であり首と耳には金属製のアクセサリーが目立つ。

共通点に、左手の薬指に嵌められた指輪が挙げられるだろうか。


「綺麗に修復されてるけど結構無茶してるね。泣蜘蛛ボコボコにされてるじゃん。」


「せっかく連れていったのに勿体無いですね。」


「まぁ『竜胆』の戦力が多少わかったし問題ないでしょ。」


「強かったですか?」


「強いね~。楽しみにしてるよ。願くんと纏くん」


その男女は不穏な言葉を残しその場から消えた。

ただその不穏すら、波風にもまれて消えてしまった。

登場人物紹介⑥

綺堂 調


性別:男

髪色:黒

趣味:格闘技 バイク

特技:運動全般

家族構成:父 母

能力名:無限の回廊

好きなもの:義理を通すこと 感謝

嫌いなもの:不義理


日本非公式対亡獣制圧組合『竜胆』による評価記録


戦闘能力:非常に優秀

座学:非常に優秀


総評:総じて優秀

柊総隊長の引き抜きにより入隊後研鑽を重ね第一次調整時では非常に多くの戦績を上げ続けた。能力の仕様上戦闘よりも補助としての有用性が非常に高く、総隊長からの希望で二番隊から四番隊へ異動。その後四番隊隊長に任命。



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