入隊②
「それじゃふたりの隊服作んないとね。ほぼオーダーメイドだから融通効くよ〜。」
手をひらひらさせながら柊は笑う。
「緩いな。」
「緩いね。」
「白刃君。黒花さん。入隊書の提出、それと採寸とご家族への連絡だったり給与面の話もあるからそれぞれ別室で話を聞かせてもらうね。」
「「はーい。」」
金陵の指示に従い訓練場から出ようとすると
「願〜早く戻ってこいよ!続きやろうぜ!」
「ごめんだね。」
「こら纏。この後定期ミーティングだぞ。そんな時間は無い。」
「あれ?そうだっけ?わかった準備してくる!」
「それじゃあ熾織。あとを頼む。お前は今日ミーティング参加は不要だ。」
「分かりました〜。じゃあふたりともこっち着いてきてね〜。」
「わたしもついていこ〜。」
「ついてきていいんですかはじめちゃん。あんたよくわかんないけど総隊長なんでしょ。」
「隊長たちに任せてるからヘーキだよ。今ここには二人しかいないけど。」
楽観的な人。そのような印象を2人は否が応でも植え付けられていた。
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そのまま白刃は個室に案内され男性の隊員と軽い雑談を行いながら採寸をを行い
隊服のデザインについて要望を聞かれる。
「んで白刃君はデザインどうしたい?結構変えてる人いるけど」
とメジャー片手に担当してくれた男性がおそらく基本形になるであろう隊服を見せながら問いかける。
回答に悩みながら彼は隊服に目を通す。
上下ともに
黒と灰を混ぜたような色
形は学ランに似ており、襟には組織のものだろうか?マークがついている。
「このままで大丈夫です。」
「君柊さんに気にいられた上で入ったでしょ。それじゃあの人が適当にいじったものになるね。」
「えぇ...」
そんなこんなで採寸を終え「次は総隊長面接だよ」との言葉通り白刃は総隊長室へと向かう。
「失礼します。」
「は〜い。どうぞ〜」
入室すると、中では黒花と柊が向かい合って座っていた。
「は~い願も座って!そんな堅苦しいのじゃないから!」
「わかりました。」
「うんうん。それじゃ総隊長面接を始めます。
あ、面接の前に聞かせて。生き残り二人って聞いてどう思った?」
「100点中80点って感じの結果でしょうか」
「仕方なかったのかなって思います。」
「乾いてるね~~。りょうかい。それじゃ面接始めるね。
まず第一に、君たちは何を守りたくて戦う?」
「結と俺の人生に必要なものです。」
「白刃くんです。」
「わかりやすくていいね~。それじゃ第二に、それらが守れなかったとき、君たちはどうする?」
二人は黙り込む。
答えを準備できていない。のではなく、その答えを出すことが憚られるといったような沈黙。
それを見て柊は笑った。
「うんうん。今はまだ答えがなくても大丈夫だよ。でも早いうちに見つけるんだよ。いつか選べなくなるからね。」
「はい。」
「わかりました。」
「それじゃ面接はしゅうりょ~~。お話しよ!!」
と柊はお菓子をどこからか出し、机に置いた。
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「「失礼しました。」」
「はいは~い。あとの指示とかは美鈴ちゃんに任せてるから。明日からよろしくね~。」
二人はそれぞれ礼を言い、総隊長室を後にする。
部屋に残された柊は一人、余った菓子を口に運びながら、
「やっぱり歪だね~あの二人。」
と溢していた。




