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強欲と英雄  作者: とろろ
第一章 調整開始
13/42

保護⑤

「やるじゃん願ぃ!」

「うっせえ死んどけ! 『吹っ飛べ』!!!」


膨張した巻藁が朱璃へと襲いかかる。


「うりゃっ!!」


紙でも裂くようにその巻藁を木刀で両断。勢いをとめずにそのまま突っ込んでくる。


「っぶねぇ」


間一髪で躱しながら白刃は木刀を振り下ろした。

だがそれは容易に受け止められる。


「とった!」

「『吹っ飛べ』!」


白刃の木刀が互いをはじき飛ばしまた距離が空く形になる。


「くっそー行けると思ったんだけどな。」


「甘いんだよナンパ野郎。」


「まだ未遂だよ!」


「変わらねぇよ。二度と同じこと言えねぇ様にしてやる」


「お!いいねもっとこい!」


----

「やほやほ。初めまして結ちゃん。」


「は、初めまして。」


「あ、ちっちゃいって思ったな〜」


会議室にて黒花結と総隊長の挨拶が交わされていた。


「わたしは柊一(ひいらぎはじめ)。はじめちゃんでい〜よ〜!」


「ダメです。総隊長。黒花さんが困ってます。」


「え~しょうがないな。」


「あの~~..」


「あ、ごめんごめん。それじゃ移動しようか」


呼ばれた二人は首をかしげる。


「ね~総隊長。どこに移動するの?」


「訓練場だよ~ん。」


「ごめんね黒花さん。移動しながら説明するから。」


----


「なるほどそういうことですか。」


説明を終え、黒花結は理解を示す。


「え~!結ちゃんうちに入るかもしれないの??賛成賛成!」


「でしょ~。さすが熾織。理解が早いねぇ~。」


「いえ、総隊長。彼女はただ単に同年代の女性隊員を喜んでいるだけかと。おそらく意図には気づいておりません。」


「なんてこというんですか美鈴さん。」


「隊長と呼べ。」


「は~い。」


「それで、どうだろうか?黒花さん。もちろん強制といったわけではないが、うちに入っておけば家族にだって手当が入るし安全もある程度保証される。自分の身を守る事にもつながるのだが...。」


「そうですね。申し訳ないのですが私が入隊させて頂くかどうかは白刃くん次第ですね。」


「ほら~だから交渉しても無駄だって言ったじゃんか~~」


「うるさいですよ総隊長。本人に話を通すうえで確認をとったまでです。」


「まぁまぁ。もうすぐ着きますよ~~二人とも~。」


火簾がそう呼びかけ振り向くとそこにいたのは驚いた顔をした黒花とため息をついている金陵のみであり、先ほど柊が歩いていた場所にはタバコが落ちているのみだった。


----


「あれ?願疲れてきてるんじゃないの!?」


「うるせえ。てめぇこそ疲れてんだろ。おねんねさせてやるからかかってこい」


軽口を叩くが白刃願の脳は黄色信号を発していた。


「(こいつ。時間経過とともにはやくなってないか?)」


「うりゃ!」


走りこんでの横薙ぎをひきつけて交わす。


「『貫け』」


床に転がっていた木刀が5本同時に朱璃を襲う。


「あっっぶ!!」


体をひねりながら腰を落とし紙一重で躱される。


「まじかっっ...!!」

「(やっぱり速くなってる!)」


「どりゃあ!」


足元を狙った突きを視線から読み再度躱す。


「ハァ...くそったれ」


「なんで今のでとれないかなぁ。」


言葉とは裏腹に楽しそうな声色で目の前の化け物がぼやく。

登場人物紹介⑤

火簾 熾織


性別:女

髪色:薄く赤みがかかった灰色

趣味:恋愛漫画 恋バナ

特技:料理

家族構成:父 妹

能力名:勝手な死神

好きなもの:美味しいご飯 頼りになりそうな男の人

嫌いなもの:自分を大切にしてくれない男の人


日本非公式対亡獣制圧組合『竜胆』による評価記録


戦闘能力:優秀

座学:優秀


総評:

活発・親切な性格であり非常に素直。能力は高く戦闘においても対多数を相手に戦闘が可能。本人の気性からか他者に必要とされる行為に一定以上の依存が見られる。

金陵隊長からも能力は評価されており副官のような位置づけである。

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