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vicendevole

「そんな風に見えるかな、わたしと千百合ちゃんって」

「だって、いっつも週末お出かけしたりお家に連れてってるんでしょ?」

「うーん、でも……、カラオケとかは行くけど練習のためだし、わたしの家に来るのも家にスタジオあるからだし」

「えー?私はもう千百合ちゃんからも脈アリだと思うけどなぁ」


 そんなものかな、仲はいいと思うけど、それ以上とか考えたこともなかったな。そういう話とかいっぱい知ってる七世ちゃんが言うんだから、全然違うってことはないと思うけど。


「そう、なのかな……っ」

「星花なら他にお家で持ってる子なんていっぱいいるでしょ?それに最悪スタジオ借りれるんだし」

「そうだけど、わたしが声優さん目指してるっていうので付き合ってもらってるのもあるし……」


 そういうのもあったし、お母さんも一緒にお仕事したことあるから、そういうので縁があったしそれが「わたしだから」じゃなくても通っちゃいそうだなって。


「それにさ、響ちゃんから話しかけたんでしょ?そのせいもあるんじゃない?」

「んー……それはあるかも。怖い役ばっかやってるせいで、中身までそうだって誤解されちゃうって言ってたし」

「あの子クラスでも浮き気味みたいだしさ、そういうの気にしてると思うな」

「本当にね、……だったら、ちょっと嬉しいかもだけど」


 本当は優しいし世話焼きな人だし、わたしの夢も応援してくれる。練習に付き合ってくれるのもそうだけど、外からじゃわからない中身も教えてくれる。演技だって、最初からそのキャラとして出てきたんじゃないかってくらい上手いし、正直、素の姿を知らなかったらめちゃくちゃ怖い人なのかなって思ってたかもってくらい。


「けっこう嬉しそうに話してたって聞くよ?それに……」

「そ、それ以上はわたしだけ聞くの悪いし……っ」


 今までは、好きになる人なんて絶対に会えないような存在だったし、ファンレターとかも送ったことないから、好きって気持ちとかもちゃんと届けたこともないだよね。だから、わたしが聞き惚れた人がすぐ近くにいて、その人に直接気持ちが伝わるっていうのも慣れなくて。……そういう人が、わたしにもっと特別な気持ちを持ってくれてるとか、全然、想像つかないや。


「そっか、……ならさ、響ちゃんはどうなの?自分がしてもらってること、千百合ちゃんが他の子としてたらさ」

「うーん、……困っちゃうな、ちょっと、考えたいかも」

「じっくり悩めばいいと思うよ、あとは響ちゃんの気持ち次第だと思うし」

「そう、なんだ……」


 独り占めできないような人ばっかり好きになったし、どっちかっていうと好きになった人の魅力は他の人に知ってほしいって思うけど、……もし、千百合ちゃんが他の人とわたしにしてくれるようなことしてたら。……その時の声も、聴きたくなっちゃうな。でも、ちょっとそれだけじゃないような気もしちゃう。なんていうか分かんないけど、ちょっともやもやしちゃうっていうか。

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