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浮気された聖女は幼馴染との切れない縁をなんとかしたい!  作者: gacchi(がっち)


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62.ダメ聖女

聖女のお披露目の夜会からひと月が過ぎていた。


王家には神官宮から抗議をしたそうで、国王から謝罪の手紙が届いていた。

それについてこちらから返事はしなかったが、

神官宮からは夜会で起きた出来事と国王からの謝罪の手紙をすべてコピーして、

この国の貴族すべてに送り付けたらしい。


つまり、国王と王妃がやらかしちゃったよ。

ということを全部隠さずに公表したと。

これによって、国王と王妃はかなり立場が悪くなったそうだ。

同じようにやらかしたダニエル王子はもっと立場が悪く、

王妃と共に謹慎処分にされている。


もっとも、王妃は仕事をしていないし、ダニエル王子も王太子ではないので、

まだ王子としての仕事もそれほどなかったらしい。

いなくても問題ないというのは、それこそが問題だと思うのだけど。


そしてカインさんにからみ、美里へ暴言をはいた令嬢は、

聖女を害したものとされ領地での幽閉が決まったという。

神官宮からはモンペール公爵家の所業も同じように貴族に書面で送りつけたそうだ。

また同じようなことをするものが出ないように、すべての貴族は教育し直せと、

六か国条約もつけて送ったらしい。


本来なら、ここで王家からモンペール公爵家の降爵が言い渡されるそうだが、

ひと月が過ぎてもまだ何もない。

このことにもカインさんとキリルが怒っていたが、

どうやら王家はまだやらかしそうだ。




そんなことは美里と私に直接かかわってくることは無く、

私たちはずっと聖女の修行をする日々だった。


美里は二週間前に神力を制御できるようになり、

今は私とは別な場所で聖女の修行をしている。

神力を剣に付加する修行がうまくいけば、神剣を作る仕事をするそうだ。


…私はと言えば、あいかわらず神力を蛇たちに吸われ続けていた。



「……もう、無理なのかな。」


「無理ではないよ?ちゃんと成長しているし。

 ユウリが生みだす神力は最初に比べてかなり大きくなったし、

 神力への変換もスムーズにできている。」


「でも、全部蛇たちが吸っちゃうんだよ!?」


「それはどうしてなんだろうな。

 このヘビたちが生きるために神力が必要なようには見えない。

 ずっと溜め込んでいるようだが、そんなことができるんだろうか?」


「どういうこと?」


「神力って、魔力の何倍も強い力なんだ。

 それを一月半も吸い続けて壊れないというのはおかしい。

 それほど強力なものなら、意味が無いとは思えないんだ。」


「意味があるのかなぁ。」


「ためしに、このままの状態で神力を剣に流してみないか?」


「このままで?」


「流すと同時にヘビたちに吸われるかもしれないが、

 もしかしたら動きが変わるかもしれないし。

 明日からはミサトたちがいる場所に行って、

 剣に付加する修行をしてみないか?

 もし、ミサトたちと一緒が嫌なら剣をもって違う場所に行こうか。」


「……ダメでも怒らない?」


「もちろん、ダメでも怒らないよ。

 あぁ、そうだ。この場所なんだけど、最初の頃に聞いていたよね?

 ここは遺跡なの?って。」


「この場所?聞いたね。いつか教えるって。」


この真っ白い石の柱で囲まれた場所。

中央のステージのような白い石の床。磨かれた石は反射しそうなくらい綺麗だ。

修行するための場所なんだろうけど、最初は何かの遺跡なのかと思った。

あの時は教えられないって言ってたけど、どうしてだったんだろう?



「ここね…何の遺跡でもないんだ。」


「え?」


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