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浮気された聖女は幼馴染との切れない縁をなんとかしたい!  作者: gacchi(がっち)


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46.ユウリの力

「ユウリのおかげだよ。」


「え?」


「ミサトが戻ってこれたのは、ユウリのおかげだ。」


「私の?」


「ユウリは二人に寄生されても魂が汚されないほど、力が強かった。

 それは他の聖女の魂にも影響を及ぼすんだ。

 一度力を失ってしまったミサトはユウリに会って、

 その影響を受けたおかげであきらめないで戦えたんだ。


 それに…兄さんの隊長印が戻って、こちらに戻ってこれるようになったのは、

 おそらくユウリと三日間も一緒に過ごしたせいだろう。」


「えぇ?それも…関係あるの?」


「ずっと一緒にいたんだろう?」


「うん。その時の土日はバイトが無いって言ってて。

 ずっと一緒にのんびりしてたんだよね。

 寝る時も他に布団ないからって、ベッド半分貸してもらった。」


「そんなに近くに居たら、ユウリがミサトに力を供給している。

 リツとイチカと距離が離れて力を持っていかれなかった分も、

 全部ミサトに渡していたんじゃないかな。

 だから、魂の曇りも取れて、こちらに転移できたんだ。」


えぇぇ?一緒に寝てたから魔力の供給してた?

でも、言われてみたら、キリルが今私にしてくれているのと同じ状況?

そっか…知らない間に力を美里に渡していたんだ。


あれ…でも、そしたら…私のせい?


「うわぁ…そうなんだ。

 え?責任重大?

 美里に謝ったほうがいいの?影響してたみたいって」


知らなかったとはいえ、こうして重大な影響を及ぼしていたって…。

ちゃんと説明して謝ったほうがいいよね…。

そう思って落ちこんだら、キリルが不思議そうな顔して首をかしげる。



「謝る?ミサトに?俺は必要ないと思うけど…。

 むしろ俺はユウリに感謝したい。」


「キリル?」


どうしてキリルに感謝されるんだろう?

神官隊長として、聖女が増えるのは喜ばしいから?

なんて、責任感から言っているのかと思ったら違ってた。



「俺だけユウリに会えて…うれしいけれど、申し訳なかった。

 兄さんも自分の聖女に会いたかっただろうと思うと、

 ユウリに会えてうれしいと思えば思うほど、兄さんに悪い気がしていた…。


 まさか、俺も兄さんもどちらも聖女に会える奇跡が起きるとは思わなかった。

 …ユウリのおかげだ。ありがとう。

 落ち着いたら兄さんからも礼を言われると思う。」


「…カインさんとキリルが喜んでくれるのは良かった。

 でも、美里には後でちゃんと説明して謝りたいな。」


「あまり気にしなくていいと思うけどね。

 その従兄に襲われているのを助けているんだし。」


「あぁ、そうだった。そういう意味では助けたことになるんだね。

 美里も助けられたことには感謝しているって言ってた。」


確かに、こちらに来なかったら美里は襲われていたかもしれないんだ。

今まで恋をしたこともないのに、嫌いな男に無理やり初めてを奪われるなんて…。

そんなこと許せるわけない。


私の影響を受けたせいでここに来たことを恨まれたとしても、

美里をそんな目にあわせずに済んだのならいい。自己満足でかまわない。


そう思ったら少し気持ちが落ち着いて、身体の力を抜いた。

くったりとしたら、後ろから抱きかかえているキリルが頭を撫でてくれる。

考えすぎって言いたいのかな。でも、撫でられて気持ちいい。


「まぁ、次にミサトに会うのは早くても十日後だから。」


「えぇ!?」


「…そんなに驚く?身体作り変えて、魔力が満ちて、

 その魔力がミサトのものになるまで兄さんしか近寄れないよ?」


「あぁ…そうだった。忘れてた。

 しばらくは会えないんだ。」


もっと話してから行かせればよかったかななんて思ったけど、もう遅い。

私がそうだったように、美里が聖女の修行ができる身体になるまで時間が必要になる。



「ミサトが動けるようになるまではユウリと俺で修行を続けることになる。

 聖女としては先輩なんだから、次に会えるまでに成長しておこう。」


「うん、そうだね。がんばる!」


明日からは昨日と同じように、私とキリルで聖女の修行をするらしい。

新しい美里に会うまで少しでも結果を出せるようにがんばらなきゃ。









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