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浮気された聖女は幼馴染との切れない縁をなんとかしたい!  作者: gacchi(がっち)


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37.ジェシカとカイン

次の日の昼過ぎ、ジェシカさんと会わせてもらうことになって、

緊張しながら待っていた。


もう少しで予定の時間…と思ったら、キリルが誰かと話している。

キリルはこの場にいない人と話しているようで、

誰と話しているのかはわからないが少し焦っているように聞こえた。


「…どういうことなんだ?」


「はぁ?わからない?

 いや、俺に言われてもわからないけど、会わせろ?

 …いや、魔力は安定しているけど…。」


「あぁ、そうか、そういうことかもしれない。

 わかった…二人とも来ていいよ。」


携帯もないのに離れているところにいる人と会話できるのは便利だと思う。

会話が終わったのか、少し離れていたキリルが私のところに戻ってきた。

ソファの隣に座ってと思ったら、すぐに手を取られる。


私の魔力が満ちて自分で魔力を生み出せるようになったのだから、

もうずっとそばに居て手をつないでいなきゃいけないわけじゃない。

だけど、キリルはこれも修行の一つだからと言って、変わらずに手をつないでいる。


さすがに急に離されても寂しいと思うし、

手をつないでいることに慣れてしまっていたから、このままのほうがいい。


「誰か来るの?二人って。」


ジェシカさんが来るのはわかっているけど、他に来るとは聞いていない。

ジェシカさんは婚約していると聞いていたから、その人だろうか?


「…うん、兄さんが来ている。

 ユウリと話がしたいって。」


「お兄さん?…えっと、前に神官隊長してたって言ってたよね?」


あまり詳しいことは聞いていないけど、確かキリルが神官隊長候補になった時に、

兄さんもそうだったから驚かなかったみたいな話をしていた。

それで、キリルの数年前に隊長になってたってちらっと聞いてたような?

私と話がしたいって、聖女の説明とかあるのかな。


「兄さんは俺が隊長になる三年半くらい前に隊長だったんだ。

 俺の一つ上なんだけどね、とても素晴らしい人だ。

 俺はユウリのことをあきらめるつもりはなかったけれど、

 もし兄さんの対が聖女としてくることがあればちゃんとあきらめられたと思う。

 そのくらいいい兄さんなんだ。」


「お兄さんは一年で役目をおりたの?」


キリルのお兄さんなら、貴族の人ってことだよね。

貴族の人は一年でやめるって言ってたし、そういうことかな。

もう結婚しているのかも?


「……いや、隊長になって半年、兄さんの隊長の印が消えた。」


「隊長の印?」


「これだよ。腕にこういうふうに印がされるんだ。」


ぐいっと左腕の袖をまくってみせてくれた。

緑色の輪っかのようなものが浮き上がっている。

刺青というよりも、もっと色鮮やかな緑の輪っかだった。



「これが消えたらどうなるの?」


「…何らかのことが聖女にあって、こちらに戻ってこれなくなったということだ。

 その場合、違う聖女の対の者に隊長の印が移る。

 実際、すぐに違うものが名乗り出た。隊長の印を授かったと。」


聖女に何かあって戻ってこれなくなった?

それって…清くなくなったかもしれないってこと…?


「かなり珍しいケースだ。

 大体一年という短い時間で隊長が変わることもあって、

 聖女に何かあって印が消えるというのはめずらしい。

 兄さんも…驚いて、落ち込んでいた。

 周りに気が付かれないように、いつも通りにしていたけれど…。」


「…そうなんだ。私、会っても大丈夫?」


「…うん、大丈夫だと思うけれど…。

 ちょっと予想外のことが起きているみたいなんだ。

 すぐにここに来る。」


「?」



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