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浮気された聖女は幼馴染との切れない縁をなんとかしたい!  作者: gacchi(がっち)


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28.一緒にはいられない

「…そうよ、ここ日本じゃないんでしょ。

 だったら、私たち三人で結婚できるじゃない。

 良かった!これで問題なく一緒に居られるね!」


「…は?なんで三人で結婚?」


急にここが異世界だって認めたと思ったら、三人で結婚?

目を輝かせて一花が言っていることがわからなさすぎる。


「だって、日本じゃ絶対に無理だったでしょ?

 だから三人でずっと一緒にいるためには、律と悠里を結婚させて、

 私は愛人って形になるけど、三人で暮らす予定だったの。」


「はぁ?」


「私は三人で一緒にいられればそれでよかったけど、

 悠里はそういうの気にするタイプでしょう?

 だから、結婚して子どもを産むのは悠里にして、律と私が仕事して、

 三人で子ども育てながら生きて行こうって。」


…え?律と私が結婚して、までは理解できるんだけど…。

なんで三人で一緒に住むの?

私が産んだ子を三人で子育てって、意味が分からない。


怖いのはそれを一花が本気で言っているということだ。

本気でそれが叶うと信じている一花に、どう言えば違うとわかってもらえる?


「一花、愛人は一緒に住まないと思うけど。」


「なんで?律も私も一番好きなのは悠里だよ?

 悠里のために生きるって決めてるんだから。

 何が不満なの?悠里は私たちに守られて生活していくだけだよ?」


「不満しかないよ。ありえない。

 …結婚相手の愛人なんかと仲良くなれるわけないじゃない。」


「どうしてそんな風に思うの?愛人って言っても、一花だよ?

 今までと何も変わらないじゃない。

 今までと同じように三人一緒にいればいいんだよ。問題ないでしょう?」


大真面目な顔で押し付けてくる一花の人生計画に、

完全否定してもわかってもらえる気がしない。


ダメだ…頭痛くなってきた。

あぁ、もう角度が違いすぎて、一花にも合わせられない。

隣にいたキリルを見ると、キリルもお手上げって顔している。


「…ねぇ、悠里、その隣の男は誰?

 まさか、悠里に変なこと吹き込んだのはこいつ?」


私の横にいるキリルを敵だと認識したのか、めずらしく一花が人を睨みつけている。

ふわふわした一花が人前でこんな顔をするのはめずらしい。


キリルはにらまれても平然とした顔で少しだけ前に出た。

と、同時にキリルに手を引かれ、半分身体を隠すようにされる。

完全に隠されたわけではないけれど、一花の視線がキリルに向かったことで、

身体中を縛られているような感じが抜けてほっとする。

思った以上に、一花と向かい合うのに恐怖を感じていたのかもしれない。



「初めまして、向こうの世界から来た人。

 俺はキリル。ユウリと同じこの世界の住人だよ。」


「何が悠里と同じよ!悠里は私と律のものなのよ!」


「ふぅん。ユウリはそう思ってないようだけど。」


「そんなわけないでしょう!」


「つい四日前にリツっていう男とも話したけど、

 ユウリは自分はリツのものじゃないし、リツにはもう二度と会わないって言ってたよ?」


「…え?何の話?

 悠里が律と二度と会わないなんて何言ってんの?

 そんなこと言うわけないじゃない。悠里が律と離れるわけないもん。」


律にお別れを言ったと聞けば動揺するかと思ったのに、一花はキリルの話を完全に嘘だと思ったようだ。

まったく表情も変えずに否定されてしまった。

キリルの服をつかむようにして一花の様子を窺うと、

そのことが気に入らないとイラついたのがわかった。


「悠里、そんな男に近づいちゃダメだってば!

 一花のとこに来てよ!」


「…嫌よ。」


「悠里!」


「ほら、こんなに嫌がられているのに気が付かないのか?

 なんで俺の話が嘘だと思ってるんだ?」


「うるさいわね!悠里をこっちに返してよ!」


「ユウリが嫌がってるから無理だよ。

 なぁ、リツと寝たんだろう?ユウリに内緒で。

 それがバレたら、ユウリに嫌われるって思わなかったのか?」


「はぁ?なんでそれで嫌われるの?」


きょとんとした顔の一花に、律が一花だぞって言ってた理由がぼんやりとわかってきた。

罪の意識、二人とも全くないんだ。

だから、私がどうして怒っているのかも理解できないんだ。


「恋人って、普通、他の女と寝たら怒られるよな?

 どうしてリツがお前と寝たのがバレて、ユウリが怒らないと思ったんだ?」


「だって、悠里のために律に教えていただけよ?

 下手くそ童貞の律に悠里とさせたら、痛くて泣いちゃうよ?

 将来的には悠里に子供を産んでもらうから、律としなきゃいけなくなるけど、

 下手で痛い思いしかしないのは嫌でしょう?

 だから、私の身体を使って練習させていたんだけど…それでもまだ下手だもん。

 何度もやってればそのうち上手くなるだろうと思ってたけど。」


「本気で練習のつもりだったのか?」



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