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天然紳士の異世界珍道中  作者: ネロ
3/3

気にするだけ無駄ですねぇ

軽い感じの説明回です。

ガサッ......ガサッ.....



 ん。近くから聞こえてきた物音で意識が覚醒して行く。いつの間にやら寝てしまっていたようだ。

 目を開けるとそこはなんとどこかの森の中のようだった。私はその森の中で不自然に木がなく、まるで森にぽっかりと穴が空いたような草原の上で眠っていたようだ。下に生えている草は硬くもなく柔らかくなもなく、なんとも絶妙に反発し心地よい寝心地を与えてくれる。


「なんと.....草原というものはここまで心地よいものだったのですね。それにこの鼻腔を擽る匂いもなんとも言えない安らぎを感じます。」


 しかし。転生してすぐに2度寝というのは味気がないというもの。

 状況を把握するためにまずは周囲を注意深く観察することにした。

 木や草には異変を感じられない。強いて言えば、少し木が大きいだろうか?いや私に知識がないだけでこんなものなのかもしれない。


「あれ?そう言えば私の傘はどこにあるのでしょうか?見渡したした限りでは見つけられませんが.....」


 ないものはない。そう思い、まずは自分の所有物について調べてみることにした。

 背格好はなんか若くなっている気がする。気がするというのは手などの皺がなくなっているのと、感覚的に体が重かったりだるいといったことがないので若返ってはいるのだろうということだ。

 服装についてだが、麻布といわれるものだろうか?なんだかチクチクする服装を身につけている。近くには鞄が落ちていた。中を見てみると水筒と一つのパン、あとは何に使うのかよくわからない金属の板、4つ折りされた一間の紙切れが入っていた。

 おそらく旅人なのだろう。見た目やものからそう感じ取れるが、それにしてはカバンの中身が貧相ではないだろうか?私はパン一つで旅をしているのだろうか?いや私が旅をしたことがないだけで意外と一つあれば十分なのか?

うーん。わからないことが多い。

 とりあえず紙切れを見てみよう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 やあやあ。元気にしているかい?


 これを読んでいるということは無事に転生できたということだろう。そしてこう思っているはずだ。ここはどこ?私は誰?と。


 まぁまぁ待ちたまえよ。せっかくの異世界転生。これから見たこともない世界が待っているんだ。ゆっくりと、しかししっかりと、この世界について予習していこうじゃないか。


 ただ、あまりにも詳しく説明してしまうと興が削がれるからね。ほどほどにしようか。

 まずここはどこ?という問いについてだね。ここはフィンブルグ王国の辺境にあるブルムと呼ばれる小さくもなく、大きくもないがそこそこに栄えているという、まぁ今の君にちょうどいい街の近くにある森の中さ。いきなり王都に行って君の特殊な事情について探られるのも面倒だからねぇ。まずはそこで地盤を固めるというのをオススメするよ。もちろん行きたければ行くといいさこれは君の人生だからね。

 他の国や世界のこととかは自分で調べた方がいいだろう?それが旅の醍醐味というやつさ!ぼくも旅したい!

すぐ近くに道があるから、まあ迷わずすぐに出られると思うよ。道に出ればたまにだが馬車も通るしね。乗せてもらえばいいさ。


 さて次に私は誰?という問いについてだ。もしかしたらこれについては疑問に思ってないかもしれないね。君は狭山恭介(72)。だと思っているのだろう?君は狭山()()()()()。君の体をあっちの世界から持ってきて、さらに若返らせるなんてのは実に面倒だからね。それに君の人種はこの世界には少ないんだ。そのままの姿だと目立ってしまうからね。

 つまり君はこっちで新しい体に生まれ変わったということさ。それにあたって今の君が狭山と名乗ると不自然極まりない。こっちでの君の名は私が勝手に決めておいたよ。

 ズバリ君の名前はアーノルドさ!ぜひ仲良くなった子にはアーくんと呼んでもらいたまえ。

 君の設定は孤児ということにしてある。これなら出身地を聞かれて、わからないと答えても不思議はないからね。それにこの世界だとあまり珍しいものではないからね。

 しかしそれでもどこで育ったかっていう問題は無くならないからね、それを解決するものをカバンの中に入れていたよ。カバンの中に入っている金属の板が君の身分を示す、言わば身分証さ。こっちの世界ではステータスプレートと呼ばれるものだよ。大切なもだから無くさないようにね。正直に言って裏技を使って作ったものだから無くしたらもう作ることはできないかもしれないね。

 そうそう、ちなみにそのカバンは面白い機能がついていてね。あとで「チェンジ」と言ってごらん。きっと驚くと思うよ。


 さてこれであらかたの説明は終わったわけだが、一つ大切なものを忘れていないかい?ふふふ。そうさ!君の傘についてだ。これについてはちょっとしたサプライズを用意しているから。これを読み終わったらこのメモを破いてみてね。


これで本当にお別れだ。遠い空から君の経験を楽しみにいているよ。




PS:細かい説明は面倒なので「鑑定」の能力をつけていたよ。何か詳しく知りたいものがあったら目を凝らしてみてごらん。何かが見えるはずさ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


メモには本当に読んでもらう気があるのか?というほど小さくぎっしりと文字が書かれていた。それでも難なく読めたということは何か仕掛けられているのだろう。

私の名前はアーノルドというのか....早く慣れないとうっかり前の名前を言ってしまいそうだ。

まずはブルムという街に行くのだったな。

その前に傘を回収しないと。


「えっと。メモを破るのでしたっけ?」


ビリッ


メモを半分に破ると、それはどんどん細かくなっていきバラバラになったと思えば急に目の前に集まりだして矢印の形になった。


「これは.....そっちに行け。ということでしょうか?」


これ以外に手がかりがないので従うことにした。

矢印は近づくと再びバラバラになってはまた遠くの方で矢印の形になり、またまたバラバラになっては矢印になりを繰り返して私を一本の大きな木の前まで導いた。


このような木などあっただろうか?森の中頭一つ飛び出ているこの木は遠くからでも気がつくはず。ましてはさっきまで木がなかった草原の中にいたら気がついたと思うのだが。

そうやって木をよく観察していると、木の根元に何かが刺さっていることに気がついた。


「これは.....私の傘?」


なんで刺さっているのだろうか?

すると先ほど破いて矢印になったメモが私の前に集まりだして1枚の紙切れになった。

つまり、「読め」ということなのだろう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 やあやあ。さっきぶりだね。え?お別れといったのにまた出たって?サプライズを用意しているといっただろう?

さてと。これを読んでいるということは、傘の下にたどり着いたと行くことだね!


 本当はそのまま君の近くに置いていおても良かったのだけど、それではつまらないので伝説の剣風に大きな木の根元に突き刺してみたよ!これを抜いたら君は立派な勇者みたいなものさ!ただ勇者ではないから名乗らないようにね。面倒ごとに巻き込まれるから。


 あの時君は傘があればいいって言ってたけど、やっぱりそれだけだと君の身が心配でね。ほら言っただろ?その世界はそれなりに危険だって。それにただ傘を一緒に持って行くっていうだけじゃ僕がつまらないからね!その傘には伝説の剣ばりに面白い機能をつけておいたよ!


これのメモは言わばその傘の取り扱い説明書のようなものさ!


 まずは傘ということで単純に硬くしてみたよ!

この傘は雨が降ろうと槍が降ろうと穴が開くことはなく、その衝撃すら使用者が感じることがなくなっているのさ。ドラゴンの息吹でさえも防ぐ防御力!これぞ伝説の傘!


 もちろん攻撃に使えないことはないよ!

 攻撃は最大の防御!防ぐだけでは意味がないからね!その傘の先端はもはや貫けないものはないと言ったくらいさ。しかしそんな先端だと持ち歩いているときにうっかり地面に穴を量産しそうだろう?だから戦闘モードと通常モードに切り替えられるようにしたさ。柄の部分を押し込めば戦闘モードだ。

 普段うっかり押し込んだらどうするんだって思ったかい?それついても対応済みだよ!なって言ったって僕は神様だからね!

 その傘は戦闘モードになってから吸収したエネルギーを再利用しているのさ。もちろん自分でエネルギーを貯めることだってできるけど、まぁまだ今の君には難しいかな?


 しかしこれだと遠距離に対応できないと思うだろう?戦闘をあまりしたことがない君にいきなり前線で戦えとは言わないさ。

 安心したまえ。この傘は投げれば必中、投げた後も傘のことを想像しながら手を握れば戻ってくるようになってる。また柄を強く握れば先端からビームが出るようになってるよ!元の世界で言うところのライフルみたいな使い方と同じさ!


戦闘用の機能をモリモリにしておいたから、すぐに死ぬなんてことはないようにね。僕だって君の旅を期待しているんだからがんばってね。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「えーっと。つまりすごい。と言うことでしょうか?』





テンプレその2:転生したらなぜか森の中。

テンプレその3:鑑定能力

テンプレその4:チート武器

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