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ありのまま起こったことを話す
始めに問いたい。
どうしてこうなった?
目の前には頬を軽い紅に染めた少女。
誰がどう見たって美少女。360°どこから見ても美少女。
まだあどけなさの残る顔に、美しく流れるような銀髪。女なら誰もが憧れるような山あり谷ありのスタイル。
そう。彼女は誰がどこからどう見ても美少女で間違いないのだ。
それだけでその名が広まりそうなルックスに加えて、その名を轟かす最強魔導師というステータスも持ち合わせているときたらもう、ね?
それに対して俺と言えば・・・
かつてはそれなりに名を馳せた魔導師だったが、今となってはもう落ち目の魔導師だ。それに全盛期の俺でも、今の彼女の足元にも及ばない。
年齢もまだギリギリ20代であり、それなりの魔導師であったことから今は魔導学校の教師なんかやれてはいる。
だが彼女は17だぞ? しかも現役最強!
彼女から見れば俺なんて目もくれる必要すらないゴミ同然なはずだ。
普通なら・・・
彼女がゆっくりと、勇気を振り絞るように口を開く。
「私・・・先生のこと、好きです」
あー、もう・・・
どうしてこうなった!